ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

〝きらら俳句教室〟第2回目で~す!

2020年06月21日 | 俳句

 今日は六月の第三日曜日、ということは〝父の日〟ですね。更に今日は〝夏至〟でもあり、日食でもあって、賑やかな季語の日となっています。でも日食は季語ではありませんから気をつけて。

 今回の日食は部分日食で、夕方16時ごろから18時ごろにかけて、日本全国で見られるんだそうです。南西日本ほど大きく欠け、沖縄などでは深い部分食となり、インド北部や台湾などでは金環日食が起こるとか。

 また、日本の広い範囲で見られる日食は、次回は2030年まで起こらないということなので、出来れば見たかったんですが、気がついたらもう過ぎていました。さてこの宇部ではどうだったんでしょう。

  父の日の忘れられをり波戻る          田川飛旅子

  一代(よ)わが夏至のごと日のながかりし    森 澄雄

  青葉の香日蝕の潮流れけり           朝倉和江

 そんな日でも我が家はいつもと変わらず。でも娘が父の日にビールを送ったよと言ったので、私が今度からは日本酒にしてねと…。それも先日のお酒の話を書いたときの、日本酒のランキング1位の「小鼓」がいいと言ったら、それも送ってきました。私にじゃないけど…(*^-^*)

 じゃあ今夜飲もうよと主人に言うと、〝今日はビールの気分やから…〟と。残念!次回へのお預けとなりました。それは今度飲んだときにでも書きますね。

 さて、私このところ俳句漬けなんです。金曜日はK教室、土曜日宇部馬酔木ときらら俳句教室、明日F教室、明後日O教室…と連続。毎月ではないのですが、その月が何曜日から始まるかで今月のように連続になることがあります。そういう時はちょっとしんどいですが、その後が一週間から10日ほど何も予定がなくなりますので、気分的にはかえって楽かしら。

 では、今日は、第2回目の〝きらら俳句教室〟の話でもしましょうか。

 欠席者が3名いましたが、事務所の方が加わったので14名。前と違うところを回ることにしました。

 でも、前回に比べると一歩前進ですよ。お世話をして下さるレンジャーのSさんが、この教室のために参考資料を作って下さったんです。「6月のきらら浜で使える主な季語」ということで…。これから毎月作って下さるというので本当に助かりますし、たのしみですよね。

 それを見ると、鳥は夏鶯…アハハッ、ちゃんと季語として調べて下さっているんです。ここでは恐らく聞かれたら〝ウグイス〟と答えられるんでしょうけどね。他に蟹…これもここでは〝アカテガニ〟がよく見られるんですって。他には鵜や花なら捩花(ねじばな)や夏萩とか。捩花はやっと咲き出したところ…

 それから〝トンボ〟なんですが、これは秋の季語だから、夏の季語には〝蜻蛉生る(とんぼうまる)〟があるということまで調べてありました…ああ、もうプロ顔負けですよ。参った、参った!

 Sさんに〝面白いですか?〟と聞いてみると、もちろんと。しっかり俳句にはまりましたね。とても生き生きと行動されて…私も嬉しい。仲間が増えるということはいいです。

 先ずは吟行で外に出て、さあ皆さん、今日も天候に恵まれて…と言おうとすると、空には雲が多かったんです。じゃあ、今日のような空を詠むんだったら〝梅雨曇〟ですよお~。〝梅雨晴間〟や〝五月晴〟というのは、もっと青空が見えるような時に使ってくださいね~。

 あら、蜻蛉が…これは〝糸蜻蛉〟だから夏の季語で良いんです。普通の蜻蛉は秋ですが、このように夏に飛んでいる蜻蛉もありますから、よく調べて使うようにしましょう。

 今回の吟行で皆さんが見つけて、俳句に詠んだ季語には、他に〝雪加(せっか)〟〝天牛(かみきり)〟〝乱鶯(らんおう)〟〝蜘蛛(くも)の糸〟〝蝸牛(かたつむり)〟〝楊梅(やまもも)〟〝蘆(あし)の花〟〝茨(いばら)の花〟などでした。あとは〝捩花〟。

 それから今回感心したこと。第1回目では季重ねが多かったので注意をしましたが、今回はナント1句のみ。後は立派にクリアーされていました。〝わあ~、皆さん全員才能ありですね!〟と言うと大笑い。

 今回の最高点句は〈ねじれ花巻きつ遊びつ天めざす〉で、俳句は全く初めての若いHさん。〈巻きつねじれつ〉と言わずに〈遊びつ〉と言ったところ、また〈天めざす〉もいいですね。やれ右巻だ、左巻だと、しっかり観察してたもの。

 そうそう、もう一つ次点の〈抱卵蟹浜への途中自動ドア〉という句でしたが、〝これ、浜へ行く途中に自動ドアがあったの?〟(笑)〝蟹はどこにいるのかしら。ドアの中?それとも外?〟などと聞くと…実は作者はレンジャーのSさんでしたが、〝アカテガニがお腹に卵を一杯抱えてこの会館の自動ドアから入ってきたんです〟と。〝じゃあ、浜は遠くにあって見えないのね〟〝はい、浜から上がってきてここへ来たのだろうと…〟

 そうなんですね。作者はとっても珍しい景に出会って、これを是非詠もうと思ったのに違いありません。ここに勤めているからこそ分るなかなかいい句材です。でも、なぜそれがすっきりと理解されなかったのでしょうか。それがこの句の欠点。〝三段切れ〟になっているからなんです。五/七/五で切れた句を詠むと分りにくくなるし、また、今目の前にいる蟹だけを描写すればいいのに、中七で不要な説明を入れようとしたため却って複雑になったのです。

 初心の時はとかく何でも言わなくっちゃと思い、詰め込み過ぎて、三段切れになりやすいんです。そこで邪魔なものを除けて〈抱卵蟹自動ドアより入りてきし〉とすれば、間違って入ってきた蟹が見えてくるでしょう。〈抱卵蟹〉はちょっと固い表現ですが、ここでは大事なことですので、このままに…。すると、卵を産もうとして浜へ行くつもりの蟹が途中で迷って自動ドアを入ってきた…と、可笑しくもあり、また哀れでもあり…という気持ちが読者に伝わるでしょう。

 ということで、次回の課題は〝三段切れ〟のクリアーということにしましょうと言って、12時に閉会しました。ところが、この2回をやってみて、どうしても時間が足りないということが分り、来月からは始まりを30分繰り上げることに。皆さん本当に熱心ですよ。

 帰るときに館長さんから、〝ここの俳句教室はレベルが高いですか〟と聞かれたので、〝もちろん、みな才能あり!〟と、…無事終りました。お疲れ様でした! 

コメント (6)
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