山陰の耶馬溪と言われる立久恵峡、耶馬溪がどんなところかよく判りませんが、私の訪れたところから比喩すると、ちっちゃな層雲峡ですか。神戸川があって、その両岸に断崖絶壁が迫ります。奇岩と包み込むような木々。秘境といった感じです。ここを通る国道は下り線と上り線が別れており、それぞれが一方通行です。上流方向はかつての鉄道線路(一畑電気鉄道立久恵線)が道路となり、下流方向は人道として作られ、今は自動車道路です
5月5日、天気快晴、風強し、新緑を撮影に立久恵峡に行ってみました。立久恵峡に近づきますと吊り橋が見えます。ここの辺り吊り橋が多いです。以前の洪水で流されて再建された真新しい橋です。断崖の自然曲線と人工物の直線的な橋脚の赤色と新緑のコントラストが絵になります。
Nikon Ai AF Zoom-Nikkor ED 18-35mm F3.5-4.5D (IF)
川岸の木漏れ日の中、遊歩道を進むと無数のお地蔵さんが姿を現します。立久恵山霊光寺の五百羅漢です。川岸の崖に、杉の木の根本に、遊歩道脇にいろいろな表情、喜怒哀楽、姿勢、たったり座ったり、古いものは苔で覆われ、風化著しく表情が窺い知れないもの、新しいものはノミ跡がくっきりと見えます。なんか近所のお爺さんみたいな見慣れた顔。もしかしてこれは私?。いろいろなお顔が見てて飽きません。
赤い毛糸の帽子をかぶっていますが、苔とカビに侵食されて、有機物が無機物へと時間の経過とともに変質していく様子が不気味でもあります。これも輪廻の断片でしょうか。
Nikon Ai AF Zoom-Nikkor ED 18-35mm F3.5-4.5D (IF)
Tokina AT-X M100 PRO D 100mm F2.8
Nikon Ai AF-S Zoom Nikkor ED 28-70mm F2.8D(IF)
午後3時から4時ごろですので、太陽の光が暖色系に遷移しています。木々の枝間から差す直射日光は温かみがありますが、木陰は周囲を緑に染め冷ややかな雰囲気を作ります。カメラのホワイトバランスは晴天設定のままです。光の色によってもお地蔵さんの表情、周囲の雰囲気は変わります。