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黄帝内経素問 気厥論篇 第三十七 第三節 語句の意味

2014-05-08 07:00:00 | 日記

おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です

黄帝内経素問 気厥論篇 第三十七

第三節

 胞移熱於膀胱、則癃溺血。膀胱移熱於小腸、鬲腸不便。上爲口糜(鍼灸医学体系は广に林この下に米。東洋学術出版社素問では麋)。小腸移熱於大腸、爲虙瘕爲沈。大腸移熱於胃、善食而瘦。(1)入謂之食亦。胃移熱於膽、亦曰食亦。膽移熱於腦、則辛頞鼻淵。鼻淵者濁涕下不止也。傳爲衄衊(ジクベツ)瞑目。故得之氣厥也。

 (1) 入 甲乙經は又に作る。これに従う。

 

語句の意味

胞=

胞=子宮、または胞衣の略で胎盤、膀胱、眼瞼。新・東洋医学辞書13

鍼灸医学体系(語句の解)

胞とは女子に在りては子宮にあたり、男子にありては精室か。

 

癃=小便不通(しょうべんふつう)、淋(りん)ともいう。新・東洋医学辞書13

癃・癃閉

 

溺=にょう。①尿(にょう)に同じ。<霊枢五癃津液別論>「天寒く衣薄ければ溺と気となる。」<同>「天寒ければ腠理閉ず、気湿行らざれば、水下りて膀胱に留まる、則ち溺と気となる。」②でき(・・)と読むと、おぼれること。

 

鬲=レキ。カナエ。あしが内にまがったかなえ。かめ=瓶。カク。にぎる。へだてる=隔。へだたり。〔日〕よろいの胸板。明解漢和辞典

鬲=かく。膈(かく)に同じ。

膈=横隔膜のこと。新・東洋医学辞書13

膈=かく。①鬲ともいう。横隔膜のこと。<人鏡経>「膈膜は心肺の下より、脊、脇、腹と周回し相い著くこと幕の漏れざるが如し、以て濁気を遮蔽し、清道を燻ぜざらしむる是れ也。」②隔と同じく、隔塞して通じない意味。<霊枢根結>「・・・・・膈洞の者はこれを太陰に取るなり。」H26・5・8

 

鍼灸医学体系(語句の解)

鬲=ふさぐこと。

 

口糜(鍼灸医学体系は广に林この下に米。東洋学術出版社素問では麋)

鍼灸医学体系(語句の解)

王冰の注では麋としている。

 

口糜=こうび。口腔内に白色の苔癬状の潰瘍が生じる病気。新・東洋医学辞書13

口糜=こうび。病症名。口腔内に瘡を生じ糜爛すること。多くは陽旺陰虚、膀胱の水注の泛溢、脾経の湿熱の瘀鬱により熱毒が発生し胃口を燻蒸しておこる。<素問気厥論>「膀胱、熱を小腸に移し、膈腸して便せず、上は口糜をなす。」

 

虙瘕=ふくか。伏瘕。病名。邪気が大腸に伏した瘕証をさ。下腹部にときに塊状物があらわれ、ときに消散し、腹痛・便秘などをともなう。これは大腸の熱気が鬱積して津液を消耗することによりおこる。<素問気厥論>「小腸の熱、大腸に移るを虙瘕となす。」

瘕=血液の凝滞によって腹中に生じる一種の痞塊。新・東洋医学辞書13

 

沈= 沈

 

善食=ぜんしょく。多食のこと。

善食而痩=ぜんしょくしてそうす。よく食べてもなお痩せていること。中消の証における主な症状の一つ。内熱が津液を消耗することによりおこる。⇒中消(ちゅうしょう)。

 

食亦(㑊)=しょくえき。古病名。「中消」の証のことである。「亦」は「㑊」を分解したもので、怠惰の意味である。善く食べるのに飢え、体がかえってやせて、倦怠無力となるのでこの名がある。中焦の燥熱によりおこる。<素問気厥論>参照。

 

辛頞=しんあつ。鼻の両傍が痛む病。<素問気厥論>「胆、熱を脳に移せば、辛頞鼻淵す。鼻淵は濁涕下りて止まざるなり。」

辛頞鼻淵=しんあつびえん。鼻淵(びえん)に同じ。

鼻淵=副鼻腔炎(蓄膿症)に相当する疾患。新・東洋医学辞書13

鼻淵=びえん。病名。辛頞鼻淵ともいう。重症のものは脳漏・脳寒・脳崩・控脳砂ともいう。風寒によるものは鼻が塞がり香臭がわからず、鼻涕が多く、常に鼻中がつらい<素問気厥論><素問至真要大論>参照。

 

濁涕=だくてい。喀痰のこと。

鍼灸医学体系(語句の解)

*濁涕 にごったはな水である。

 

衄衊=じくべつ。衄は衂血のこと。衊はきたない血、または鼻血を出すこと。

 

瞑=めい。①目を閉じること。<霊枢寒熱病>「陽気盛んなれば瞑目す。」②眠ること。<霊枢営衛生会篇>「故に昼精して夜瞑す。」<霊枢熱病編>「耳聾して好く瞑す。」

 

瞑目=めいもく。目が見えないこと。東洋学術出版社素問【注釈】

 

故得之氣厥也。

鍼灸医学体系(語句の解)

故に之を氣厥に得るなりと

*ここにいう「故に」とは一般にいう「だから」ということではなくて「一般に」とか「以上のことは凡て」という意味を表わすものである。

*「気厥に得るなり」とは「気厥ということから来るのである」という意である。

 

鍼灸医学体系、東洋学術出版社素問、漢方用語大辞典、新・東洋医学辞書13、明解漢和辞典

 

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