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産經新聞 平成27年12月17日 生活面の記事です
「役割や生きがい持てる手助けを」
認知症 当事者の発信相次ぐ
知症の本人の話を聞こう-との機運が高まっている。
当事者である樋口直美さんと佐藤雅彦さんは、認知症と診断されたそれぞれの体験を記した著書を出版。
いずれも11月、日本医学ジャーナリスト協会の優秀賞を受賞した。
どちらの著書も、周囲が偏見を持たず、本人が役割や生きがいを持って生きることが大切だと訴えている。(佐藤好美)
認知症は、
脳の血管障害が原因となる「脳血管性」、
脳に特殊なタンパク質がたまる「アルツハイマー型」、
アルツハイマー病とパーキンソン病の特徴を併せ持つ「レビー小体型」などに分けられる。
「私の脳で起こったこと」(ブックマン社・1512円)=写真上=は、「レビー小体型認知症」と診断された樋口直美さん(53)の2年半の記録だ。
レビー小体型は記憶に関する障害は比較的軽いが、幻視や注意力低下、鬱などの症状があり、薬に過敏に反応する。
認知症の2割を占めるといわれるが、あまり知られておらず、鬱病やパーキンソン病と診断されることも少なくない。
樋口さんも最初は鬱病と診断され、抗鬱剤の服用で状態が悪化した。
その後、専門医に正しく診断されたが、当時は自身も一般的な認知症のイメージにとらわれていた。
いずれ知性も人格も失い、理解できない言動で家族に迷惑をかけると思って絶望し、幻視を見ては病気の進行におびえた。
だが、今ではそのストレスこそが状態を悪化させていたのだと感じている。
抗認知症薬の使用で安定し、人と楽しく笑ったり、適度に身体を動かしたりすることで、よい状態を保っているからだ。
疲れから失神しそうになったり、天候の変化などで血圧や体温などが一定に保てないなどの症状はあるが、落ち着いた日々を送る。
樋口さんは「誤った投薬で悪化している人が多い。適切な治療とケアで穏やかに暮らせるのに、家族や周囲が言動を否定したり、叱ったりでストレスをかけ、症状を悪くしているケースもとても多い」と指摘する。
著書にはこう記す。
「誰もが、正しく病気や障害を理解し、話すことができ、それを自然に受け入れられる社会なら、病気や障害は、障害でなくなります。私は認知症を巡(めぐ)る今の問題の多くは、病気そのものが原因ではなく、人災のように感じています」
「認知症になった私が伝えたいこと」(大月書店・1728円)=同下=の筆者、佐藤雅彦さんは51歳のとき、アルツハイマー型認知症と診断された。
医師から施設入所を勧められたが、「人生を楽しみたい」と1人暮らしを続ける。
生活に不自由は多いが、日程や時間の管理にはパソコンやタブレット型端末、携帯電話のアラームやスケジュールを駆使する。
「複数のことを同時にしない」「効率的に何かをしようとしない」などの割り切りや発想転換は、読む者を勇気づける。
佐藤さんはこう記す。
「認知症であっても、いろいろな能力が残されているのです。社会にある認知症に対する偏った情報、誤った見方は、認知症と診断された人自身にも、それを信じさせてしまいます。この二重の偏見は、認知症と生きようとする当事者の力を奪い、生きる希望を覆い隠すものです」
二人は共通して「役に立ちたい」との思いを抱いている。
樋口さんは「障害はあっても、普通の人として敬意を持って接してほしい。
気持ちをじっくり聞き、役割や生きがいを持ち続けられるように手助けしてほしい」と言う。
佐藤さんも「人のために何かすることは、生きる喜びの一つ」とボランティアを続ける。
そんな思いを、くめるかどうかが問われている。
改善に環境影響大
樋口直美さんと面識がある千葉大医学部付属病院の上野秀樹特任准教授の話
「疾病のない人でも、温かい雰囲気の中では能力以上の成果を挙げることができるが、冷たい雰囲気の中では成果を挙げられないことがある。
認知症の原因疾患のある人は、脳の脆弱性(ぜいじゃくせい)があるため、より環境の影響を受けやすい。
樋口さんは以前は意識障害や譫妄(せんもう)などがあったようだが、今は適切な治療、治療への信頼感、良い環境があり、状態が改善したのだろう。
原因疾患が引き起こす脳の神経細胞の機能低下は改善しないが、ストレスなどに脆弱なために起きる認知機能低下などの状態は改善可能性がある。両者を分けて考えることが必要だ」
素朴な願い、かなえる一歩に
「私の声が見えますか?」(harunosora・1836円)=写真=には、45人の認知症の人の言葉と家族や介護職のコメントが並ぶ。
監修した認知症介護研究・研修東京センターの永田久美子研究部長は「認知症の人は何も分からないと誤解されているが、話したいと思っている人は多い。
決めつけずに聞いてみることが大切です」と言う。
同書では、本人の一言から悲しみや苦しさを感じ取ることができる。
永田部長によると、話を聞くにはコツも必要。途中で口をはさまず、ゆっくりと言葉を待つ。
楽しい雰囲気が作れると、楽に話せる。
ためこんだ思いを出すことで本人もすっきりし、気持ちが整理され、自分を取り戻すことができる。
永田部長が過去に自治体などで行ってきた取り組みでも、話を聞くことは安定した生活の鍵になる。
例えば認知症の人が行方不明になる事例が多いが、本人のつぶやきを聞くと、「ゴミを出したい」「買い物に行きたい」などの素朴な願いがある。
「それを聞き流さず、かなえる方法を考えることが大切」(永田部長)。
家族がゴミ出しに誘ったり、地域で「買い物につきあうチーム」を組んだりして、行方不明の発生を防ぐところも増えてきた。
「競馬に行きたい」「写真撮影に行きたい」と聞いて、同じ趣味を持つ人が誘ってくれるようになった例もある。
永田部長は「家族が同行すると、どうしても『もう帰ろう』になりがちだが、趣味が同じ人同士は支援者としてではなく、仲間として楽しく過ごせる」という。
逆に、本人の話を聞かず、徘徊(はいかい)防止のために医療や介護のサービスを入れると、本人の人間関係や地域での生活も途切れてしまう。
「話を聞くと、日常の延長線上で支え手が現れる。
最近は支えてくれるグループも地域に増えてきた。
家族だけでがんばらず、助けを借りることにもつながる」と話している。
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本体価格
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500g 15,000円
分包品1包1g入り
60包3,500 円
240包10,000円
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