かっぱらぱ編集室 つれづれ

かっぱら編集長がつづる日常のあれこれ。

学校再開に向けて。保護者への「ストレスチェック」と「スクールカウンセラーだより」(長文です)

2020-05-20 17:26:55 | 新型コロナ

新型コロナウイルスへの対応で、休校が長期に続いた中で、

スクールカウンセラーとして、子どもたちの心理的な負担

どのようにサポートしていったら良いかが課題でした。

 

そんな中、小学校の保護者でストレスチェックの仕事をされている方から

保護者向けのストレスチェックの提案をいただきました。

保護者向け一斉メールで、子どもの健康に関するアンケートを送り答えてもらうものです。

その結果を基に、『スクールカウンセラーだより』を作成し、保護者にフィードバックしていくというものです。

 

実施後、小学校でのアンケートの回答率は85%にものぼり

いかに保護者の方々が子どもの健康面や子どもへの対応について不安を抱えていたかがわかる結果となりました。

 

以下に、『低学年の保護者向けのスクールカウンセラーだより』と、

『高学年の保護者向けのスクールカウンセラーだより』の内容を掲載します。

お読みいただき、子どもと関わる上での参考にしていただければと思います。

また、アンケートは今後も定期的に続けていき、

学校再開後の子どもたちの心の理解とケアにつなげていく予定です。

 

『ふれあいルーム』

~子どものストレスへの対応法(1~3年生用)~

今まで経験したことのない新型コロナウイルスへの対応により突然学校が休校になり、

保護者の皆さまも子どもたちも不安な毎日を送っていることと思います。

そんな中で、4月末に実施させていただいた『お子様の健康チェックアンケート』に

たくさんの回答をお寄せいただき、ありがとうございました。

アンケート結果をもとに、いくつかアドバイスをさせていただきます。

 

1~3年生までは、頭痛や腹痛などの身体症状を訴えるよりも、

「イライラしている」「怒りっぽい」「いつもよりよくしゃべる」

「落ち着きがない」「親のそばから離れたがらない」など、

不安やストレスが『行動』に表われる子どもの割合が多く出ていました。

これは、まだ幼く感情のコントロールが上手にできないせいでもあります。

イライラなどのストレスを自分の中にため込むことなく

安心して発散できる場があるということにもなります。

しかし、あまりイライラをぶつけられると家族も困ってしまいますから、

外に連れていってあげて適度に運動させる機会をつくると、

ストレス発散に、肥満予防にもなります。

夜もよく眠れるようにもなり、少し落ちつけると思います。

 

また、ストレスの現れ方は個人差があります。

「頻尿」「チック」が起きている場合は、そっと様子を見守ってあげてください。

「夜尿」は布団を汚されて困ってしまいますが、それ以上に本人が困っているので、

おねしょシーツを敷くなどして様子を見ていってあげてください。

「いぼ」は家にいて暇でついつい触ってしまうのかもしれません。

あまり増えるようなら皮膚科に相談してみてください。

「かゆみ」「じんましん」「熱」「頭痛」「腹痛」などは、

症状に合わせた手当てが必要です。

痛い時、つらそうな時には我慢をさせず病院に連れていってお薬をもらうなど対応してあげてください。

 

「すぐ泣く」子どもは、言葉で自分の気持ちを上手に表現できないため、困ると泣いてしまいます。

言葉を補いながら、ていねいに気持ちを聞いていってあげましょう。

「異常時の正常な反応」として、子どもにはいろいろなストレス反応が現れてきます。

学校が再開して、落ち着いた生活が戻ってくれば、次第に症状が治まっていきます。

身体症状で不安な場合は、病院等で相談してみてくださいね。

 

 また、勉強面を心配されている方がたくさんいらしゃいました。

もちろん、勉強面も心配ですが、安心して生活できることが一番大切です。

元気さえあれば、勉強は取り戻すことができます。不安にならず、子どもを信じてあげてください。

まだまだ大変な日々が続きますが、保護者の皆さまも自分自身の心を大切にしながら、

日々を過ごしていってくださいね。

不安や心配が強い場合は、スクールカウンセラーに相談に来てください。(^^)

 

『ふれあいルーム』

~子どものストレスへの対応法(4~6年生用)~

低学年では、ストレスの症状が多岐にわたっていますが、

4~6年生では「イライラしている」「怒りっぽい」が他の症状より突出して多くなっています。

また、頭痛や腹痛、夜眠れないなど、不安が身体症状として現われていたり

身体を動かす機会がないため「太ってきた」と心配されている保護者の記述がたくさんありました。

学年が上がれば上がるほど親としては勉強のことが心配になり声をかけたくなりますが、

少し子ども側に立って考えてみましょう。

 

子どもたちは、ある日突然、コロナによって前触れもなく、

「学校へいくことも」「友だちと遊ぶことも」「外に出ることも」できなくなってしまいました。

4年生以上になると抽象的な思考ができるようになっていきますから、

世の中で何が起こっているのか理解できるようになっています。

大人はそれでも買い物や仕事などで外出することができますが、

一時期子どもたちは自分の意志で外にすら出ることができませんでした。

家にいても退屈だし、考えれば「不安」です。

気を紛らわすためにゲームやYouTubeをやりますが、

それがきっかけで怒られることも多くなります。

イライラすれば親との関係も悪くなり、

それを我慢しようとすれば体調が悪くなってきます。

勉強も低学年に比べるとぐんと難しくなっていますから、

一人で進めるのも至難の業です

 

ストレスの現れ方は個人差があります。

「吃音」「チック」が起きている場合は、そっと様子を見守ってあげてください。

「かゆみ」「じんましん」「口内炎」「頭痛」「腹痛」などは、

症状に合わせた手当てが必要です。

痛い時、つらそうな時には我慢をさせず病院に連れていって

お薬をもらうなど対応してあげてください。

「異常時の正常な反応」として、子どもにはいろいろなストレス反応が現れてきます。

学校が再開して、落ち着いた生活が戻ってくれば、次第に症状が治まっていきます。

身体症状で不安な場合は、病院等で相談してみてくださいね。

 

親の不安がさらに子どもの不安を喚起します。

勉強面も心配ですが、安心して生活できることが一番と考え、

子どもとの良い関係を意識して日々生活していってあげてください。

元気さえあれば、勉強は取り戻すことができます。子どもを信じてあげましょう。

 

まだまだ大変な日々が続きますが、保護者の皆さまも自分自身の心を大切にしながら、

日々を過ごしていってくださいね。

不安や心配が強い場合は、スクールカウンセラーに相談に来てください。(^^)

 

『カウンセラーだより』は以上です。

これから学校が再開されると、不安定になってくる子どもたちが増えることが予想されます。

家庭と学校が連携しながら子どもたちをサポートしていけたらいいなと考えています。(^^)


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