2005年10月30日に再建されたドレスデンの象徴、フラウエン教会(聖母教会)です。
オリジナルは1726~1743年頃に、「石の釣鐘」と呼ばれる、支柱を利用しない直径約25メートルの巨大ドーム天井を持った、バロック様式のプロテスタント教会として建てられました。
しかしドレスデンのランドマークだったこの教会は、第二次世界大戦終盤となる1945年2月のドレスデン大空襲で、一夜のうちに瓦礫の山と化しました。
東西冷戦中、共産圏側に置かれたドレスデンでは、市民レベルでこの教会の復興を望む声は多くあったものの、「戦争の傷跡の象徴」として、壊れたままの姿で残されていました。(広島の原爆ドームのような存在だったのでしょうか)
東西ドイツ統一後となる1995年から復旧作業が始まりますが、「世界最大のジグゾーパズル」と呼ばれる状態からの修復は容易ではなく、作業開始から約10年後となる2005年にようやく元の姿によみがえりました。
大戦後の「負の遺産の象徴」だったフラウエン教会は、現在ではべルリンの壁跡近くに建つブランデンブルク門等と並び、「東西ドイツ統一の象徴」の1つとなっています。