経歴詐称の従業員を懲戒解雇できるのか。 2010年07月30日 06時12分40秒 | 法律 おはようございます。 鹿児島県で社会保険労務士事務所開業を目指している人事コンシェルジュの岩切勝造です。 今年の夏は、本当に暑いですね。 こんな日は、ビアガーデンにでも行きたいものです。 本日は、『経歴詐称』について、ご説明いたします。 一般的に企業は、採用時に労働者の経歴を申告させていますが、申告を求めることが特 に法律で義務付けられているわけではないのです。 最近では、学歴や職歴、資格、犯罪歴に加えて、病歴も経歴に含まれるかが問題になっ ています。 病歴を告知する義務の有無については、その傷病が労務の提供に支障を来すようなもの である場合には、その病歴を告知する義務があるといえます。 なお、平成17年4月から個人情報保護法施行により、雇用管理上の個人情報の収集に当た っては、利用目的を具体的に特定することなどが必要となっています。 では、ここで1番気になるのが、経歴詐称をした労働者を事業主が懲戒解雇できるかとい う問題です。 答えは、経歴詐称のすべてに対して懲戒解雇をなし得るわけではありません。 要するに、採用条件となる『重大な経歴』の詐称があり、仮にその経歴を事業主が採用 時に知っていたら、採用しなかったという場合に限り、懲戒解雇しえる場合があると考 えられます。(ここでは、あくまでも断定できません) ここで、経歴詐称が懲戒解雇になり得るという判例を見てみますと、 1) 詐称により本来得られないはずの賃金・地位を得ている 2) 企業秩序違反の具体的危険性が生じている のいずれかに該当する場合と限られています。