川越芋太郎の世界(Bar”夢”)

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美の巨人たち:写楽

2009-07-26 14:48:01 | 美の番組紹介
「美の巨人たち:写楽」


今回の「美の巨人たち」はあの「写楽」
しかし、どこか違う?

東洲斎写楽といえば、デフォルメされた大きな顔が特徴です。
しかし、映像の写楽肉筆画は違う。

そえでは、番組と一緒に覗いてみましょう。


<従来の写楽>

まず、現在まで、その実態が不明瞭である。

説1:当時の有名浮世絵師の変名とする説
説2:斎藤十郎兵衛という阿波藩能学者とする説

など、が有力。

版画は総合プロディース業である版元の影響が大きい。
写楽の場合は、蔦谷重三郎という歌麿を排出した時の人。
18世紀の質素倹約の流れを受けて、財産の半分を没収され
起死回生のために、世に送ったのが写楽画である。

当為の質素倹約のお触れの影響は写楽画に見られる。
従来の浮世絵に対し、地味といわれる所以はこのあたりに
在るのかもしれない。
同系色の中に1点キメ色を入れ込むことで、粋を表現した。
これが、江戸前の「粋」!

文体というか画体は、大首絵の中に、役者の持つ個性をひたすら
描き、かの人生さえも描きだす。
大きな顔と手の動き(表現)に練り上げた特徴がありそうだ。
あまりの表現力に役者に嫌われたという説もある。


さて、こんな写楽がなぜ、ギリシャのコルフ博物館から出たのか。
本物なのか?
しかも、版画ではなく、肉筆画である。

グレゴリウス・マノスなる人物が鍵を握る。
ウィーンで評判となる浮世絵を彼は全財産をもって買い集めた。
それをギリシャ政府へ寄贈。
80年もの長き眠りから今覚めた訳である。

真贋は鑑定家に任せるとして、写楽の特徴を全て持つそうです。
われわれは、本物として、鑑賞しましょうか。

今回の四代目松本幸四郎
はその衣装から寛政7年5月の作品らしい。
大首絵の写楽が版画(10ヶ月で140枚程度の作品のみ現存していた。)
を止めた4ヵ月後の作品といえる。

御承知のとおり、版画は他人の手が必ず入る総合芸術である。
裏を返せば、己の意図が隅々まで行き渡る事は困難である。
売れる作品、見栄えのする作品・・・。

描く技術より全体的な描写を重視し、美しさよりそのリアルさを
追求した写楽が版画から遠ざかった理由もその辺にありそうに
気がする。
江戸の庶民の審美眼に絶えぬいた一級の芸術品としてご覧あれ。


我が家に写楽の肉筆画も版画もありません。
切手はあるか?
手元の団扇を変わりに掲載します。(笑)

写楽の画体に対する勉強をしたい方は、是こちらを参照してね。
:http://poirot2.hp.infoseek.co.jp/

現物を見たい方は是非訪れてください。
江戸東京博物館:http://sharaku.exh.jp/

写楽のDVD紹介します。
NHKアーカイブス ドラマ名作選集 NHK劇場「写楽はどこへ行った」 [DVD]

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