川越芋太郎の世界(Bar”夢”)

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美の壺:クラシックホテル

2009-07-25 13:45:08 | 美の番組紹介
「美の壺:クラシックホテル」NHK


本格的な西洋式ホテルが作られるようになったのは、
明治になってから。
日本政府の後押しで観光立国として、各数の名ホテルが誕生した。
建築家たちは、趣向を凝らした設計で個性を競い合いました。

そこには、透徹したマーケティングが施されている。
外国人宿泊客が満足する為の工夫。
生活様式は椅子とバスの世界。
それでいて、日本的な印象と記憶を持ち帰る事ができる圧倒的な空間。

誕生したのがクラッシックホテル!


<美の壺1:外観に織り込まれたニッポン」

頬浜の昭和2年創業のホテルニューグランド。
ロビーがある2階へと続く階段が劇的な空間を作り出しています。
人は、このホテルが人・調度品・空間・建物すべてを含めて一つの
一種のタイムマシーンのようになって、その、歴史を今に伝えて
きてくれるという。
それがクラシックホテルというもののおもしろさ。

宿泊したのは、ほとんどが外国人でした。
明治から昭和初期にかけて創業した「クラシックホテル」は、
文化財的な価値が注目されています。

三河湾を見下ろす高台に、巨大な屋根をもつホテル。
昭和9年に建てられた天守閣を持つクラシックホテルです。
名古屋城の特徴を取り入れたものです。
客は外国人ですから、西洋式のライフスタイルがまず可能である
西洋式にに影響されないような、外観・装飾の面で日本の物を
表現した。日本の建築文化、美術が結果として残りました。


多くの観光客でにぎわう箱根・宮ノ下。
目を引くのが、明治11年に創業した富士屋ホテル。 
正面玄関の上には、孔雀(くじゃく)と鳳凰(ほうおう)の飾り。
洋風建築に独特な彫刻を持たせた、和洋折衷の雰囲気をかもし出す。

芋太郎の記憶に残る昭和11年に建てられた花御殿。
鉄筋コンクリート造りにもかかわらず、木造建築のような暖かみが
あります。
城や寺などに用いられてきた装飾が、惜しげもなく施されています。

富士屋ホテルにある食堂棟は、外国人観光客を強く意識し、
ことさら和風を強調した造りになっています。
堂々とした風格をかもしだす唐破風。
日本建築の中で最も格式が高い装飾の一つ。
二階を囲むように取り付けられた高欄が、全体を華やかな印象にする。

極め付きが屋根から突き出した塔。
展望台として作られました。
日本建築の特徴を寄せ集めた独特の建物。

どれを取っても、
外国人観光客が思い描いたニッポンが凝縮されている。


<美の壺2:隠された珠玉の飾り>

明治6年の創業から続く日光金谷ホテル。
現存する日本最古のホテルです。 
時代を感じさせる木製の回転ドア。
頭上には豪華な竜の彫刻。
ダイナミックな曲線と彫りが、迫力を生んでいます。 

散りばめられた飾りのひとつひとつが、そのホテルにしかない美術品!
本物らしからぬどこかエキゾチックな表情をした飾り。

日光東照宮の雅楽奏者の金谷氏のホテルらしいですね。 
ホテルにあった飾りは東照宮の彫刻をイメージ。
金谷ホテルには、第二の東照宮がある(笑)
特徴的な木組みまでが施されています。 

ギリシャ建築風の柱を飾るのは、牡丹(ぼたん)の彫刻。
東照宮の彫刻の中で、最も数の多いモチーフです。
職人たちが伝統の技を駆使して彫りました。


クラシックホテルを訪ねて、あなたも隠れた飾りを見つけてみては!


<美の壺3:調度品に秘められた物語>

横浜のホテルニューグランド。
戦災をまぬがれ、創業当時の姿を今に伝えています。 
ェニックスルームと呼ばれるかつてのダイニングルームのテーブルに
並べられている食器は、創業の際、特注で作られたもの。

関東大震災の復興のシンボルとしてホテルニューグランドが建てられ、
不死鳥という意味合いを込めて、このフェニックスのマークを
現在でも使用し、見事に横浜が蘇りました。
「調度品に秘められた物語」

ロビーに置かれた家具の数々。
創業当時から使われた重厚な時代を感じさせるひじ掛けいす。
地元横浜で作られたもの。

横浜は明治初期、日本で初めて西洋家具が作られた町。
横浜家具と呼ばれ、優れた品質で知られました。

多くは戦災で失われ今では、ホテルの椅子は非常に貴重なもの。
横浜家具は、西洋風のデザインでありながら、木の接合にくぎを
ほとんど使わない「ほぞ接ぎ」という日本伝統の技を用いています。

客室にも記憶がつまる。
マッカーサーズスイートと呼ばれる315号室。 
マッカーサーが執務を行った横浜家具の机。
ここから日本の戦後が始まりました。
積み重ねられた時間が、調度品をより美しく輝かる。 


素敵ですね、クラシックホテル。
まタイムマシーンのように、ホテルを行き交った人々の足音や息遣い、
そして人生までもを記憶しているようです。


芋太郎も、独身時代はよく出かけました。
お茶をいただきながらの読書。
これが、最高です。
重厚な建物の中で飲むことは、自分に力を沸かせます。
当時は、何事も外見からでしたね。(笑)


横浜には最近足が遠のきましたが、避暑地である箱根や軽井沢・
志賀高原などのホテルには時々参ります。
今年はまだですが、去年富士屋・金谷やホテルに行きました。

富士屋ホテルで、お父さんがお子さんに一つ一つを説明していた
暖まる光景を思い出しました。
まさに、美の壺伝授の瞬間でした。
いい夏休みの勉強でしたね。(微笑ましくも懐かしい)


クラッシックホテル、それは美術館です。
マナーを学んだ場所でもありました。

ご照会を2つ。
ホテル建物編として
クラシックホテル案内
甲斐 みのり
ベストセラーズ

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もう1つはサービス・精神編
郷愁の時を訪ねて クラシックホテルの物語 (MG BOOKS)
中村 嘉人
エムジー・コーポレーション

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