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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

電線等の地中埋設化

2014年03月01日 00時00分01秒 | 提言

 豪雪の被害の一つとして停電があることは既にブログで述べたが、このことと関係が深い電線等の埋設化を考えてみたい。多くの都市で景観条例が施行されているが、思うような進展が見られないのはどうしたことか、日頃より気にかけていたところである。東京へのオリンピック誘致が成功し、2020年には開催地として我が国の実状を世界の人々に知らしめることになる。

 豪雪が付着した電線は相当の重さになることは容易に想像できる。風雪が強まると着雪した雪は氷結し、風への抵抗力はますます強くなり、電線の耐荷重を上回る力が加わることによって切断する。豪雪地帯で停電による二次災害が発生する。情報を伝達する手段である電話、テレビ等が機能しなくなり、いくら避難指示を出しても、対象者に伝わらない。
 また、停電では情報収集もままならなくなる。場合によっては生活が立ち行かなくなる。

 埋設化は景観ばかりではなく、歩行者に対するバリアフリー化でもある。豪雪による電線切断の被害を少なくすると思われるが、この他台風による強風でも電線が切断し、電柱が倒れる被害も多発している。地中埋設を阻む理由があるから埋設化が進まないと思うが、頭に浮かぶ理由と思われるのは、地震であろう。津波も理由の一つかも知れない。電線等の埋設化によって高圧電線から発生するといわれている電磁波の身体や精密機器等への影響も無視できない。都市計画の初期段階から埋設化を考えないと地上への施工と埋設施工の二重の手間が掛かる。電力供給といえば、原子力発電が安全性等で見直されていて、水力発電と火力発電に主たる電力を依存している現在、送電線の埋設までは考えが及んでいないのかも知れないが、居住地域へは電線等の埋設を進める余地は十分にある。

 戦後の焼け野原となり、施工価格の面やメンテナンスでコストが安く、地上施工がやりやすい電柱による配線施工が主流となった。仕方なかったことではあるが、現在、我が国は経済力を持ち、先進国としての水道、ガス、電力と基本的なインフラが最先端ともいわれるが、電線等の埋設化は決して十分とはいえず、殆ど進んでいない。

 欧米主要都市の無電柱化率はロンドンやパリ・香港では100%の無電柱化率で、我が国では東京23区の市街地の幹線道路で50%、全国の市街地等の幹線道路で14%程度であるとのデータもある。埋設化への転換を進めていくことはデメリットを克服し、メリットを生かす重点施策とした取り組みが必要で、喫緊の課題でもある。