カラスも混じって横取りを狙っていました。
3月の3・4日調布市の深大寺でだるま祭りが行われた。毎年の恒例行事で、三大だるま祭りの一つである。深大寺は天台宗の名刹で、別格本山浄岳山昌楽院深大寺である。隣接する都立神代植物園があり、広大な敷地に大木が多く、良く整備された緑地帯にある。銘水に恵まれ、深大寺蕎麦が有名である。月に1~2回は植物園に出向き、昼食は参道に林立する好みの蕎麦屋ののれんをくぐる。
土産物店では年中だるまを売っている。赤い衣を纏ったようなだるまや、最近では白色の大小だるまが売られているが、特に願をかけることもないので買い求めることはないが、選挙時には必勝祈願で登場することもあり、候補者には人気が高いようである。
実際に見たことはないが、深大寺のだるまは白色の眼に願い事があれば毛筆で、左目に「阿」、右目に「吽」入れるそうである。「阿吽」(あうん)といえば、仁王像で口を開いた「阿」形像と口を閉じた「吽」形像があるが、また「「阿吽」の呼吸」(力士が相撲の立ち会いで呼吸が合い、気合いが入る一瞬をいう)などの言葉もある。辞書によれば、「阿」は万物の始まりを、「吽」は万物の終わりを言う。
だるまが何故にこのような眼入れを行うのであろうか?上述したように万物の初めと終わりの仁王様や狛犬がそうであっても願掛け儀式に用いられることの意味がよく分からない。実際のだるまには深大寺のような「阿吽」の行為を外見で知ることは出来ないのに、必勝などと書いただるまに眼を入れる行為は不思議な慣習でもある。だるまは漢字では「達磨」高僧の名前でダーマと呼んでいたものが中国を経て我が国へ伝来した禅宗の開祖といわれている。
達磨大師はインドで生誕し、インドから中国へ渡海して洛陽郊外の少林寺で面壁を行い、9年間座禅を行いその間に手足を失ったと言われている。面壁は座禅の極意とも言われ、「壁となって物を観る」とか「壁のように動じない境地で真理を観る禅」のことである。
達磨さん転んだと口で唱えて遊ぶ鬼ごっこ、円柱を輪切りにして木槌で中抜けさせる達磨倒し、高僧が庶民の遊びの世界に入っていることの不自然さを感じている。自分の家は因みに禅宗の曹洞宗である。