鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

研究所(3回シリーズその3)

2014年03月19日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 自分は世間で一般的に呼ばれる研究員ではなく、開発を主体とする実践的技術者の要素と編集者的な要素が強かった。更に言えば、教材は労働省が行う認定教材となっていたため、認定基準に準拠するための基準を執筆者に提示し、その表現や内容等の精査に奔走していた。自分は教材開発研究を行っていたので、自ずと開発は、時間が経過すれば出版物の改訂版を出す必要があるため、テーマ設定には苦労することも少なかった。

  職業訓練用教材の多くは、日本工業規格(JIS)の解説書的な要素が多分にあり、JIS改定に伴う最新版の教科書や、実技指導書などの改訂を余儀なくされた。当時はビデオ教材の走りであったため、スタジオを利用してビデオ撮影に携わったこともあった。研究を管理する立場になって、パソコンを使った仮想空間(バーチャルリアリティ)における教材研究などを手がけたこともあった。最大の成果といえば、職業訓練に従事する指導員のための教材データベースを立ち上げたことかも知れない。

  研究成果の発表は、成功したケースばかりではなく、失敗した原因の考察が大変重要となる。失敗の中に成功へ導く要素が含まれているからで、経過が判らずして成功してしまうと再現性が低下してしまう。大きな研究所では分業や高性能の分析用機械・装置が導入されていて、自らが行う実験とは異なる不連続な現象に遭遇することが多くなってきている。研究の分業化による管理の重要性がますます必要になってきたと言える。(このシリーズ最終回です)