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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

技術流出問題

2014年05月03日 00時00分01秒 | 紹介

  グローバル社会の到来で、技術の流出問題は、国内だけの問題ではではなく、国という境界を越えて、全世界的な問題となっているが、国際競争力低下や企業のリスク管理の重要性が改めて浮上してきている。この問題の根底には、嘗ての我が国がそうであったように、技術格差を無くし、競争社会で優位性を保つためには、競争相手の持つ製品の技術的内容を分析し、物、人、金の全てについて改善し、よりよいものを産んでいくというベクトルを経験してきた。幸い、世界のトップの地位を獲得できた技術分野も多い。原則、新技術等は特許が付いているため、同じ物を作るわけにはいかず、国同士の熾烈な激レースが展開する。

  国や会社組織に対抗できる能力があれば、自らの力で、挑戦も可能であるが、高度な専門性は、短期間に達成できるものではなく、そう簡単ではないことも確かで、様々な選択肢を使い、企業買収、産業スパイ、専門家の引き抜き、コピー商品等の法規制ギリギリか、法規制を越えての活動が生まれることになる。

  技術流出に関して、企業においてのリスク管理としては、従業員との秘密保持契約や、退職後の競業避止契約等を行って歯止めをかけてはいるが、引き抜きなどには有効な手段とはなっていない。特に技術情報は、その気になれば遠隔操作や電子媒体を使えば、簡単に持ち出すことが可能である。企業側が極端に管理を強めれば、その反動としての信頼関係を悪化させ、企業に対する忠誠心(ロイヤリティ)を低下させてしまう。青色発光ダイオードの発見でも問題になったところであるが、研究成果の評価についても重要で、適切な評価と報償等は考慮しておかなければならない。

  通商産業省で平成18年12月に発表された技術流出問題に関する実態調査があるが、製造業関係企業625社へアンケートを送付して纏めた報告書である。インターネットで検索することも可能である。詳しくは報告書で確認して欲しい。

  技術流出問題は、先端技術を獲得すればするほど、キャッチアップする対抗者が現れる。技術の進歩には必ずついて回る宿命のようなもので、公的な世界の技術支援などでも技術流出が公然と行われ、相手国からの特定分野の支援と称し、専門家の名指しの招聘などグレーゾーンが存在することも確かである。深く入れば入るほど悩ましい話であるが、止まることがない技術流出問題を今後も注視していきたい。