愛くるしい目が特徴です。雄と同様に左右の羽に紋があります。
3月3日は桃の節句、女の子の健やかな成長を願ったお祝いの日である。古くは中国上巳節(じょうしせつ)が我が国に伝来したようで、季節の変わり目には邪気が入りやすく、禊(みそぎ)やお払いが行われていた。流し雛もその現れといえる。要は人間に変わってその代替えたる形代(かたしろ)を男女の形として願いを込め、わらの上に並べて川へ流していた。古くは男子も女子もお祝いしていた。これがひな人形となり自宅で飾るようになったようである。
最近の傾向として、晩婚の女性が増えたが、雛段飾りなどはやめにしまうこともあり、晩婚にならないための願いか、雛段飾りも住居に合わせ、小型化している。
菱菓子(桃色、白、緑の3段重ね餅)を食べるがこれも春を表す雪の下に新芽が出る状態を表し、上面は桃を表していて、モモは100を表すため、長寿を願ったものである。
甘酒は清酒にモモの花びらを浮かべる桃花酒が長寿を祝って飲まれたが、子供に振る舞うこともあり、甘酒に変わっていったようである。桃の果実は不老長寿のために食していたようで、100歳を意味するのか不明であるが、いずれにせよ長寿を願ってのことであろう。
興味深いのはハマグリのお吸い物とちらしずしを食することである。二枚貝類は一度分かれるとなかなか合わせることができないため、不貞しないことを意味し、一生連れ添う夫婦を意味しているとのことである。春先の二枚貝は身が柔らかく栄養も豊富である。吸い物にはダシが出ておいしく食べられる。
貝合わせという遊びがあり、和歌などを書いて上の句と下の句を合わせる遊びである。これにはハマグリが用いられていた。ちらし寿司は、彩を重視し、錦糸卵、桜でんぶ、春野菜(ウド、セリ、ぜんまい、蕨、フキ等)エビ、イカ、タコ等直物が豊富に出回るので、具材には事欠かない。ハマグリは握りの具にもよく、茹でて貝が開いたのを見極め、湯から取り出して貝柱を切り、殻から外して冷水につける。水けをきって具材に使う。口を下に向けて包丁を入れ、開いてワタを取り除く。砂糖と醤油を煮詰めた詰めをつけて食す。
子供の健やかな成長を願うのは国が違っていても親の心は変わらない。特定の日のお祭りだけではない。最近、子供に対するいじめや暴力が頻繁に発生している。むごい親がいることを情けなく思う。