鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

聖護院八つ橋

2016年03月21日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 久しぶりに食した八つ橋であったが、ニッケのきいた薄皮で三角形をした和菓子である。草餅のような緑色をした中にあんが詰まっている二種類であった。現在まで、八つ橋といえば、瓦型をした細長いせんべいとばかり思っていたが、包装には登録商標聖護院八つ橋と名がついていた。薄皮の同様な餅は別名で売られているのかもしれない。

 

 聖護院といえば、小学校のころの修学旅行で京都方面に行った時の宿泊場所であった。そのときはお寺に泊まっただけであったが、おそらく食事には聖護院大根を使った漬物や、精進料理だったのであろう、残念ではあるが詳しくは覚えていない。聖護院大根は千枚漬けの材料であり、大根というが、蕪(カブ)の種類であることはのちに知った。

 

 京都にはほとんど縁はないが、先輩が職業訓練校の校長をしているときに、祇園祭に合わせて出張したことがあり、土産として八つ橋をいただいたことがあった。京都の土産の中ににおい袋があるが、なんとも奥ゆかしいにおいがする。修学旅行当時、舞妓さんがおそらくこれを持っていて、近づけばこのような香りがしたようであった。

 

 京都は寺が多いせいか、町全体が線香の香りがした記憶がある。多分、修学旅行先が、寺が多く、どこへ行っても線香が焚かれていたせいかもしれない。京都は公家文化を持ち、現在でも風俗習慣や日常会話の中にも見出せるようであるが、自分の感じでは、庶民は厳しいしきたりがあるようで、食文化についても質素を旨としている。

 

 和食についても香料や香味野菜、漬物等独特の味を大切にしているようである。柚子の香り、ニッケの香り、七味トウガラシなども有名である。香道や書に使う墨などにおいや味についても伝統と歴史を持っている。堅苦しい半面、激しい気質や、放蕩の文化もありで、人類学や文化面を研究すればもっと面白いことが分かるようである。

 

 聖護院の八つ橋や、千枚漬けは京都を代表する味覚ともいえる。実際のっ生活は周りを山で囲まれている盆地なので、冬は寒く夏は暑いと聞く。母親が幼少期に自分からいえば祖父であるが、職業軍人で、福知山連隊に所属していたようである。母親が生きていればもっと京都や福知山のことを知ることができたが、残念である。八つ橋を口にしながら、抹茶によく合う八つ橋のニッケ風味に伴い、昔のことを思い出した。