カワセミがえさを捕る前にするホバーリング、最近よく見かけます。
野鳥の撮影を通じてカメラマンには様々な拘りがあることが分かる。目的は趣味の範囲に限ってで言えば、自己満足に如何に近づけるということといえる。撮影に当たり必要条件は、人間、カメラ、被写体であり、この3要因が複雑に絡み合っている。撮影条件がめまぐるしく変わる環境において、自然を如何に知るかに尽きるのであろう。日々変化する撮影環境は、光の強弱や天候の変化といったことで、環境の変化を考慮することである。
人間は、撮影経験に依存する。人間は特に同じ状態を繰り返しているわけではなく、体調管理に応じた行動が微妙に変化する。気分的なことも大いに影響するであろう。被写体の動きを見ながら、ベストショットの位置関係を判断し、偶然の一瞬をどのようなカメラの撮影条件とするかが求められる。経験が大いに役立つのであるが、初めての体験もある。
経験を蓄積するには、目を肥やすことに他ならない。自己満足はそれでよいのであるが、進歩を考えれば、写真展やギャラリー等へ出向き、他のカメラマンが撮影した作品を鑑賞することが必要となろう。
カメラ等撮影機材の依存性とでもいえるが、良いカメラの定義は操作性であり、携行しやすく、画素数が高く、レンズの性能も良いことである。野鳥撮影には望遠レンズや、超望遠レンズがよいが、焦点距離の長いレンズほど大型となり、重量が加算し、レンズが暗くなる。F値が高くなって、光量を必要とするようになる。明るいレンズほど高額となるため、どのレンズを選ぶかが大変重要なファクターとなる。
カメラのセッティングは、オートで撮るか、マニュアルで撮るか、シャッタースピード、露出にもこだわる必要がある。レンズが暗くなる(F値が高い)と絞りを広げてレンズにからはいる光量を多くするため、ぼける部分が多くなる。焦点を結ぶ範囲が狭くなるので、ピントを合わせるのが難しくなる。オートはカメラ側で自動的にピントを合わせる機能であるが、必要な被写体にピントが合わず、近くの枝等にあってしまう、ピントが引っ張られてしまうこともある。ブッシュにいる野鳥などはマニュアルで撮影することになる。
移動する野鳥に追従してピントを合わせてくれるカメラもあるが、未だ十分という確証は持ち得ていない。カメラの機種によって異なるため、追従性がよいカメラに越したことはない。特に重要なのは、被写体に遭遇するチャンスをどう捉えるかであるが、定点撮影か、巡回移動撮影かこれにも拘りがあるようである。写真撮影とは奥が深いが、拘りがもたらす芸術の場かも知れない。