宿河原堰の上流ではカンムリカイツブリがいることは知っていましたが、ダム下流でも1羽を見ることができました。
ウグイスのことを別名で春告げ鳥というそうである。魚では同様にニシンのことで、春告げ魚という。春は陰暦で立春から始まり、三月、四月、五月の三ヶ月間である。立春が新年に当たるため、現在でも正月の年賀状には迎春という言葉が用いられている。現在では太陽暦を用いているので、3ヶ月も早く正月を迎えているので、寒い冬場には迎春というのはどうも気が早いようで、違和感を覚える。
ウグイスは梅に鶯といわれ、すでに多摩川でもウグイスの声を聞くようになった。鳴き始めは「ホーホケキョ」とうまくいえず、練習して上手に鳴くことができるようになる。
ウグイスは日本全国にいる。背中がくすんだオリーブ色の野鳥である春先に人家近くにも飛来し、甲高い(かんだかい)美しい声でさえずる。声がよいことから、アナウンサーやバスガイドなどをウグイス嬢などと呼んでいたが、最近はあまりそのような呼び方をしなくなった。
岩手県の盛岡から比較的近い温泉地があり、鶯宿(おうしゅく)温泉といっていたことを思い出した。何度か東京杉並にある高千穂商大の教授に知り合いがいて、当地での講演会の講師として来られ、久しぶりにお会いして旧交を温めたことがあった。鶯宿温泉の由来は定かではないが、おそらくウグイスのねぐらだった場所であったのかも知れない。名称としても珍しく、記憶に残っている。
鴬張りという工法がある。床板の張り方なのであるが、古くは豪邸等の廊下に用いられ、足音がウグイスの鳴き声に似せて優雅さを楽しんだのか、侵入した不審者を検知したのか不明であるが、いずれにして古(いにしえ)の時代のことである。
鶯色(ウグイス色)やウグイス餅はウグイスの羽を模した色彩であるが、イメージとしてはメジロの羽が近いのかも知れない。野鳥のウグイスの色であれば、くすんだ色では食欲を減退してしまう。多分どなたかが見間違えてしまった可能性が高い。ウグイスの鳴き声を頼りに撮影を試みるが、なかなか藪から出てこないし、ウグイスの撮影は難しい。
ウグイスはスズメ科で笹薮を好むようである。チャチャとなく地鳴きは警戒しているときの鳴き声で、笹鳴きと呼ばれている。古くからの伝えであるが、仏の使いとされ、それは法華経との鳴き声から連想されたのであろう。