大手総合スーパーマーケットが閉鎖や統合の憂き目にあっている。長らく隆盛を誇り、地元の生活を支えてきた大手スーパーに行ってみると閑古鳥が鳴いている。お客がほとんどいないのである。そういえば数年前に閉店の噂が流れていたが、店長が替わってからは何とか生き延びてきたようである。しかし、従業員は首になったという話は聞かれない。
何事も栄枯盛衰があるのが世の常であり、総合スーパーマーケットだけが除外されるのではない以上、静観することしかできないが、消費者の心変わりを知りたいところである。
思い当たる節の一つには、「代わり映えしない」ことかも知れない。いついっても同じ品が並べられていて、無愛想な店員と、無意味と思われる拡声器からの売り声が何度と無く聞こえ、人工的なのである。変化が乏しいと思っていたが、他にも異なる理由があるのか、推測の域を出ない。
スーパーマーケットの仕事といえば、一般の商店と基本的には変わりはない。安く商品を購入し、若干の付加価値を付けて販売する。移動販売でない以上、出張販売は行っていない。一部デパートや生協では消費者のための購入商品を自宅まで配送するサービスもあるが、それも最近のことである。高齢化社会ではサービスの一環とした取り組みが続く模様である。過疎地には出張販売が復活しているようで、ご用聞きの機能も含まれてきた。
商品の展示(ディスプレイ)の仕方や、配置の方法、消費期限や賞味期限等在庫の管理、欠品の補充等多くの業務があるが、大切な消費者の立場に立った運営が行われてきているかといえばさほど顕著な事例はないが、ともかく、基本的な対面販売は合理化のためか姿を消し、無口な人間味の欠けた売り手と買い手との遣り取りがあるだけで、活況な買い物ではないような気がする。何事も一連の流れに乗ってしまうシステムは面白味に欠け、味気ないのではないのであろうか。商品の種類は豊富であるが、専門店には負けるし、値段の競争においては安売り店に負ける。徐々に特徴が無くなってきたのである。
一定の顧客調査の行っていると思われるが、地域には地域の特徴があり、地域との一体的な運営は全国展開の大手では馴染みにくい。そこが裏目に作用していると見えるのであるが?自分の穿った見方かも知れない。出店と同時に始まる閉店までのサイクルをどのような変化を持って長らえるか、おそらく大手スーパーがきらきらと輝く成長期が過ぎて高齢化してきたのは、我が国の高齢化と歩調を合わせているように思える。