サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

デフリンピック滞在最終日 男子フットサル代表銀メダル獲得

2024年03月13日 | デフリンピック

トルコ・エルズルム冬季デフリンピック滞在最終日は男子フットサル決勝の日。
男子の優勝を見届けてから帰国する旅程を組んでおり、通い慣れた会場へ向かう。
3位決定戦はブラジルがスペインを破り、銅メダルを獲得した。

その後、日本対イラン戦の決勝。競技を終えた他競技の選手たち、選手団のスタッフ、そして女子フットサルの選手たち、いつものご家族が続々と集まってくる

日本の先発はピヴォに野寺風吹、アラは鎌塚剛史と東海林直広、フィクソに坂本大起、ゴレイロは斎藤基貴。設楽武秀、折橋正紀はベンチから応援するしかなかった。

先制は日本。2分、坂本が右サイドを素早く持ち上がり、イランのフィクソ10番が対応するよりも早く右足を振り抜いたシュートがニアの上隅に突き刺さる。
日本は幸先よくスタートした。

だがこのまま終わるイランではない。
「ごつい、高い、速い」3タイプのピヴォを使い分けて、日本に揺さぶりをかけてくる。フィクソのポジションに入る坂本や東海林は様々なタイプのピヴォへの対応を余儀なくされる。ごつい11番は強靭なフィジカルで反転してからのシュートも速い。高い8番は長い手足で懐の深いキープをする。速い6番は動き回ってスペースを作り出す。

しかし日本は斎藤がシュートストップし、簡単にはゴールを許さない。
日本も8分には左サイドでパスを受けた宗澤麟太郎が上手く入れ替わりシュートを放つが、イランのゴレイロの素早い飛び出しに防がれる。
13分、イランゴレイロからのスローが日本のゴールネットを揺らすが、1タッチはなくゴールは認められず胸を撫でおろす。
15分、左サイドで本多将起が土屋祐輝とのワンツーで抜け出し飛び出してきたゴレイロもかわすが、惜しくもゴールラインを割り得点には結びつかない。

その後のイランのシュートは斎藤が弾き出し、両チームが負けじと攻め合う展開が続くが、17分、懐の深いピヴォ8番への対応に苦慮、イランにPKを与えてしまう。
そしてPKをイランの小柄な5番に決められ、日本は同点に追いつかれた。

第1ピリオド終了間際、勝ち越したい日本は、東海林のポストプレーから右サイド鎌塚、左サイド坂本と1タッチでボールが動き、ゴール前に走り込んだ東海林が合わせるが、惜しくも枠を外れ、1-1の同点で第2ピリオドをむかえる。


第2ピリオド2分、日本は再び大きなチャンスを作り出す。
左サイド野寺から右の坂本へ展開、坂本の切り返しての左足シュートはゴレイロに防がれるも、こぼれ球に反応した野寺がシュート。しかし惜しくもクロスバーを叩く。
その直後 横パスをイランに奪われ5番がそのままドリブルで前進、ゴールを決められイランに逆転を許してしまう。

なんとか追いつきたい日本だったが、14分、イラン左サイドでパスを受けた5番が1トラップしてシュート、3点目を奪われ1-3とリードを広がられる。 
その後、日本はパワープレーに出て、まずは1点を取りにいくが、なかなかイランの頑強なブロックを崩せない。イランもマイボールになると、ゴレイロが上がりパワープレーに出て時間を使う。

もどかしい時間が過ぎ、ついにはタイムアウト。
イランに1-3で敗れ、世界一、金メダル獲得はならなかった。

昨年のW杯で史上最高位の3位となり、今大会は2位の銀メダル。
次こそは世界一、金メダルを獲得してほしい。

尚、決勝を裁いたレフェリーはデフの2人。日本を応援する立場からすると「えー」と声を上げることもあったが、冷静に考えると的確なレフェリングだった。

ということでトルコ・エルズルム滞在も終了。
現在イスタンブール空港でトランジット中、これから帰国します。
にわか勉強した国際手話も少し使う機会があり、やっておいて本当に良かった。


設楽選手に銀メダルを首にかけてもらいました。ありがとう!


女子フットサル最終戦PK戦勝利 デフリンピック滞在8日目

2024年03月12日 | デフリンピック

トルコ・エルズルム冬季デフリンピック滞在8日目は、女子フットサル5位決定戦のポーランド戦。

最後は勝って大会を締めくくってほしいと願いつつ会場へと向かう。

 《手作りの応援グッズ 裏面には選手個々の写真が入っている》

順位決定戦は中継も無く、どこか閑散とした雰囲気が漂う。
だがもちろんコート上では熱い闘いが繰り広げられた。
ポーランドはキックオフからいきなりパワープレーに出る奇策。選手も目まぐるしく交代し日本を揺さぶる。
そして3分、ポーランドが前線でボールを奪うと8番がゴールを決め、日本は先制されてしまう。

その後もポーランドの時間帯が続くが、日本は追加点を許さない。
中井香那が一度は切り返しで抜かれるが再び追いすがりブロック。ポーランドのピヴォ13番の反転シュートは國島佳純が弾き出す。
そして日本もようやくチャンスを作り出す。
右サイドからの宮田夏実のミドルシュートをゴレイロが弾いたところに宮城美来が詰めるが惜しくもゴールにはならない。
ポーランドは、マイボールになるとパワープレーでボールを回し時計を進める。
13分、日本はポーランド6番に2人で詰めるがゴール前にボールを出され13番に決められ、2点のリードを許してしまう。

第2ピリオドに入ってもポーランドはパワープレーを織り交ぜながら攻め込んでくる。
開始早々にクロスバーに助けられヒヤリとする場面もあったが、日本はポーランドの戦略にも徐々に対応、セットプレーからのシュート等、ポーランドゴールに迫る場面も増えてくる。
そして4分、宮田の左CKから酒井藍莉が直接蹴り込み日本は1点を返す。

その後も中井のポストプレーから酒井のシュート等の好機が続き、9分にはポーランドのハンドで日本がPKを獲得、阿部菜摘がきっちり蹴り込んで日本は同点に追いつく。
第2ピリオド終了間際には阿部から左サイド酒井、中央の桐生玲奈へと流れるようにパスがつながるが惜しくもゴールならず、逆にカウンターを受けるも凌いで、試合は延長戦に入った。

延長前半3分、第2PKを得るが阿部のキックはポストを叩く。
後半にはパワープレー返しの惜しい場面もあったが、決着がつかず勝負はPK戦へともつれ込む。

まずはポーランドの1人目を國島が止める。日本は、阿部、中島梨栄、酒井、岩渕亜依と4人が成功。
そしてポーランド5人目を國島が止めて渾身のガッツポーズ! 
日本はPK戦を制して5位となった。



國島は満身創痍で日本のゴールに立ちはだかった。その姿を頼もしく見ていたのは、今大会では控えに回ることが多かった芹澤育代。國島が、自分を越える後継者として育ってきたことで、心置きなく代表から離れることができるだろう。
芹澤や川畑菜奈、中島梨栄、中井香那はデフフットサルの源流であるデフサッカー女子日本代表の第一世代。
個々の去就に関して、きちんとは聞いていないが、まずは「本当にお疲れさまでした」と心から言いたい。
彼女たちは2009年台北デフリンピックで世界の壁をいやというほど思い知らされた。号泣する者もいた。
そんな彼女たちは昨年W杯で世界一に上り詰めた。その場にいなかった後悔から今回トルコへ渡航、世界と渡り合う姿を眼に焼き付けることができて本当によかった。

そして2013年ブリガリアデフリンピックでなす術もなかった岩渕亜依、酒井藍莉、宮田夏実は今やチームの中心中の中心。
今後は東京デフリンピックへ向けてサッカーに軸足を置いていくのだろうか。
その少し後に入ってきた阿部菜摘、桐生玲奈も今やチームの大黒柱だ。
宮城実来、山崎優子は今後どんどん成長曲線を描いていくことだろう。

山本典城監督の去就はわからないが、本気で世界一を狙うチームを作り、そして実際世界一を勝ち取った功績は素晴らしいものだった。

今大会、もっと良い成績を残せればよかったが、そう簡単にいかないのが勝負の難しさ。
スペイン、ブラジル、日本が同一グループに入るという不運(あるいは不可解?)なこともあった。5位決定戦の後は、イギリスvsドイツの3位決定戦。4-3でドイツが勝利し銅メダルを獲得した。
この両チームには、日本は勝つだろうなと(勝手に)思いながら観ていた。

決勝はブラジルvsスペイン。
スペインフットサル代表にも選ばれている選手がいるスペインが、実力的にはやはり上で、4-2と勝利したスペインが金メダル、ブラジルが銀メダルとなった。
試合はブラジルサポーター(男子選手等)が抗議し、一時は中断する荒れた試合に。
表彰式の場面でも抗議の拳を上げていた。
確かな情報を得ていないので抗議の内容はここには書かないが、問題点を残したことは間違いない。
ちなみに現時点で決勝の映像は削除され、観ることができなくなっているようだ。


《抗議の拳を上げる、あるいは金メダルのスペイン代表選手(手前)に対して背を向けるブラジル選手たち》

(追記)どの立場の誰かは分かりませんが、人種差別的な表現があり、そのことに対する抗議行動だったようです。

 


男子フットサル決勝進出! デフリンピック滞在7日目

2024年03月11日 | デフリンピック

トルコ・エルズルム冬季デフリンピックは滞在7日目は、男子フットサル準決勝スペイン戦。
そのスペイン戦の前に行われるもう一つの準決勝イランvsブラジル戦も観たくて試合会場へ。
近い方の会場での試合だがバスで行くと時間が読めないので、タクシーにて向かった。
会場はエルズルムテクニカルユニバーシティの施設、つまりエルズルム技術大学。ちなみに筑波技術大学は聴覚障害・視覚障害者が通う大学だ。

昨年11月開催のデフフットサルW杯優勝国イランが、序盤からブラジルを相手に試合を優位に進める。
イラン選手、特にピヴォの選手は体がごつい。6分、そのピヴォ11番がゴレイロからのスローを受けて反転してからの強烈なシュートが、ゴールネットを突き刺しイランが先制。
10分、ブラジルのゴレイロがドリブルで持ち上がるが、ボールを奪われてゴールに蹴り込まれイランに2点目が入る。
さらに17分に3点目をあげたイランがブラジルを寄せ付けず、そのまま3-0で勝利し決勝に進んだ。
イランは強靭はフィジカルのピヴォ達、こちらも強靭な体幹でほぼ出ずっぱりのフィクソ10番を中心に、運動量のあるアラが走り回り、ゴレイロは反応もよくパワープレーとなると自らが上がる。



そして日本とスペインの試合が始まった。
観客席には日本選手団関係者、他の競技の選手たち、そして選手のご家族(1家族です)、そして私。女子選手たち試合の開始時間が遅いということもあって明日に向けてホテルで備えているはずだ。
日本の先発はピヴォに野寺風吹、アラは右に鎌塚剛史、左に東海林直広、フィクソ坂本大起、ゴレイロに折橋正紀。設楽武秀はこの試合出場を回避したようだ。

スペインはやはりスペイン、ボールを回して相手の隙を窺う。生観戦したカタールW杯スペイン戦を思い出したりする。
10分を過ぎたあたりから、日本は立て続けに危ない場面を迎える。
ピヴォへの縦パスをカットされ、それが裏への浮き球のパスとなりループシュートを打たれるも野寺がカバーし難を逃れる。
続いてのスペインのCKにゴール前で合わせられるがゴレイロ折橋がかろうじて弾き出す。
その後もボールを回すスペイン。ギャップでパスを受けた選手がタメて左サイドから裏へ抜ける選手へ、ゴレイロ折橋も抜かれるが最後は坂本がゴール前で体を張り得点を許さない。
さらにゴール前の浮き球のパスからのループシュートでひやりとさせられる。
そうして迎えた19分。坂本の右CKを鎌塚が直接蹴り込んで、日本に貴重な先制点が入る。
いい時間帯でのゴールだった。

ハーフタイムにいろいろと修正もあっただろうか、日本の1点リードで第2ピリオドをむかえると日本はスペインにボールを回させても中には入らせない。
体を張るべき場面では体を張る。
残り8分ほどになり、スペインはパワープレーに出る。しかし日本は隙を与えない。
残り5分、ルーズボールを野寺が右サイドに持ち出し抜けようとするとスペインの8番がファールで止め、レッドカードが出される。そのまま抜け出していたら無人のゴールが待っていたのだから退場は当然だろう。
ちょうど6つ目のファールとなり第2PKを得ることになった。
その第2PKを鎌塚が決めて日本が2-0とリードを広げた。鎌塚はこの試合2点目。
選手のご家族が「今日は鎌の日」というかけ声が印象的だった。
そしてタイムアップ。日本がW杯を通じて初の決勝進出を果たした。
これまでの最高位は昨年W杯の3位。前述のイランと、初代デフリンピック金メダルをかけて決勝を戦う。

決勝は12日(火)12時30分(日本時間18時30分)~
https://www.youtube.com/live/XoWioUpkkIM?feature=shared


男子フットサル日本代表の合宿にはそれほど行けていなかったのですが、藤井監督が就任して初めて見学させていただいた合宿の際には、女子代表の進化に比べると少し遅れているのでないかという印象を持ちました。
今は本当に隙のない良いチームに仕上がっている印象です。私が言うのもおこがましいですが。
是非是非、この機会に世界一を勝ち取ってほしい!


*応援に集中していて写真をほとんど撮っていませんでした。


デフリンピック滞在6日目 フットサル女子トルコを下し5位決定戦へ 

2024年03月10日 | デフリンピック

トルコでの冬季デフリンピック、エルズルム滞在も6日目。
今日は女子フットサル順位決定トーナメント日本vsトルコ戦。
こちらの生活にもだいぶ慣れてきて路線バスでスムーズに移動できた。
この会場へのバス移動はタクシー代の5%程度で済む。

トルコは他グループで4位だったチーム。公式記録は1勝4敗 勝ち点3 得点9 失点25 得失点差-16。
しかし5位のケニアは大会に参加しなかったため、実質的な記録は 0勝4敗 勝ち点0 得点4 失点25 得失点差-21である。
試合前の練習を見ただけでも地力の差は明らかだった。



この試合には前日の激闘を制しベスト4進出を果たした男子選手たちも応援に駆け付けた。
日本の先発は過去2試合と同じく、ピヴォに中島梨栄、アラに酒井藍莉、桐生玲奈、フィクソに阿部菜摘、ゴレイロに國島佳純の布陣。
試合開始早々、酒井のトーキック気味のシュートが右ポストをかすめて日本が先制する。

ゴールラッシュかと思いきや、そうはうまくはいかない。
トルコは切り替えも遅く、日本3人対相手ゴレイロ1人という局面もあったが決めきれない。
一方ゴレイロの國島は落ち着いたプレーでトルコのシュートを防ぐ。
9分、岩渕亜依が自陣からのロングシュートを放つが、がっちりした体躯のトルコのゴレイロが後方にジャンプし弾き出される。
その後も日本はゴールを決めきれない。
宮田夏実の左CKに川畑奈菜が合わせるがポストに嫌われ、18分中井香那が川畑とのワンツーでゴール前に飛び込むも届かず、追加点は奪えず1-0でハーフタイムをむかえた。
トルコが頑張って守ったというより、日本がバタバタしていて、どこかちぐはぐで空回りしているように思えた。

トルコは第1ピリオド途中からゴレイロが上がる形のパワープレーをしかけてきていた。
第2ピリオド2分、國島がボールをキャッチすると、落ち着いて、間を持って、相手の無人ゴールに的確に蹴り込んだ。
日本がパワープレー返しで2-0と追加点をあげる。
3分、酒井の左サイドからの折り返しを中島が決めきれない。
9分、宮城実来のパワープレー返しで3-0とリードを広げる。
11分、酒井が相手ゴレイロと1対1となり、相手の動きをよく見てゴール左隅に決め4-0。
15分には中井がゴレイロとの1対1からゴールに流し込んで5-0。
その直後、トルコのゴレイロは交代。マイボールになると上がってパワープレーをしかけ、へとへとになっていたようだ。
そして終了間際、トルコのゴレイロがエリア外で手を使う反則で得た直接FKを、阿部が豪快に蹴り込み日本は6-0で勝利した。

スコアだけ見ると快勝のように思えるが、日本の力を出しきれていないモヤモヤした試合だったように感じた。あくまで私見だが。

次戦は最終戦5位決定戦、相手はポーランド。ポーランドはグループリーグでイギリスに4-6、ドイツに3-6、トルコ6-2、順位決定トーナメント第1戦でアイルランドを3-1で下している。

ポーランドとの試合は大会の最後という意味のみならず、現役最後の選手もいるであろう、大会後はサッカーに軸足を移す選手もいるだろう。山本監督が今後どうされるのかはわからないが、いろんな意味で大きな区切りとなる試合となる。

是非とも、これまで培ってきたものをすべてピッチで表してほしい。

トルコ戦は順位決定トーナメントの試合のみ別会場だったので中継がなかったが、5位決定戦は決勝と同じ会場なので中継はあるのではないか。
11日(月)12時30分(日本時間18時30)~  
https://www.youtube.com/live/XoWioUpkkIM?feature=shared

トルコとの試合が終わり、別会場のスペイン-ドイツ戦へバス&タクシーで移動。
今大会未見のドイツを見たかったし、興味を持ったが日本戦には出場しなかったスペインのゴレイロ イエネバ・サグントも見たかったからだ。
試合は第1ピリオド途中から観戦、ドイツが試合開始早々のFKのトリックプレーから先制したようだが、最終的には8-4と、スペインが力の差を見せつけ決勝へ駒を進めた。
ちなみにスペインの4失点のうち2点は、リードしているスペインがパワープレー、パワープレー返しを食らったもの。
もう一つの準決勝はブラジルがイギリスを4-1で下して決勝進出。
決勝は、日本と同じグループだったスペインとブラジルの組み合わせとなった。


デフリンピック滞在5日目 フットサル男子 延長を制しベスト4へ

2024年03月09日 | デフリンピック

デフリンピック滞在5日目。
今日はフットサル男子日本代表と開催国トルコとの準々決勝。

部屋が乾燥していて早くに目が覚めてしまい、何気に大会のHPをチェックしていたら会場を勘違いしていたことが判明。気がついてよかった。
早めに行って、第1試合イラン-アルジェリア戦をなんとなく観戦。イランが勝利しベスト4へ。

と、ここまで書いて眠ってしまいました。ということで翌朝の更新です。

準々決勝には女子選手たちも応援に駆け付けた。男子選手のご家族が作ってきた名前入りの紙を掲げ、名前を手話で表しつつコールしたり、「ニッポン」を手話で表してのニッポンチャチャチャだったり。これは東京デフリンピックでも必須ですね。もちろん私も呼応して応援。
トルコサポーターも太鼓を持ち込んでの応援。会場は熱気に包まれる。

試合は序盤トルコが日本ゴールに迫る場面が多く、ゴレイロ折橋正紀が再三の好守でゴールを死守。
本当に頼りになる存在でした。
すると日本も徐々に流れを掴み坂本、設楽などのシュートでトルコゴールに迫る。
そして18分、坂本大起の左サイドキックインから土屋祐輝がダイレクトで左足シュート。日本に待望の先制点が生まれる。
しかし1分後、日本ゴール前の球際の争いからトルコの2番に蹴り込まれ、同点に追いつかれてしまった。

第2ピリオド開始早々チャンスをむかえたのは日本。
野寺風吹の左CKからニアで設楽武秀がうまく合わせるがトルコゴレイロの好守でゴールならず。
トルコのスルーパスからのシュートには折橋が立ちはだかる。
両チームのゴレイロがゴールを許さない展開が続く。

すると16分、日本はPKをとられてしまう。
「折橋なんとか止めてくれ」という気持ちをのせた折橋コールが続くなか、トルコの4番が外してくれた。

第2ピリオド終了間際には、東海林直広が右サイド鎌塚剛史とのワンツーからゴール前に走り込むが惜しくもゴールにはならず、試合は5分ハーフの延長へ。
4分には坂本のシュートがポストを叩く。その後にも東海林のクロスに土屋が飛び込んでゴールかと思われる、惜しい場面もあったが勝負は延長後半へ。

そして延長後半1分。
野寺の左CKから土屋の左足シュートが決まり、日本がついに勝ち越し点をあげた。土屋はこの日、2点目!
さらには、パワープレーに出たトルコから野寺がパワープレー返しの得点。
3-1とリードを広げた日本がベスト4進出を決めた。
それにしても観てるだけで、疲れる、痺れる試合でした。

準決勝の相手はイタリアを5-3で下したスペイン。
10日(日)16時30分(日本時間22時30分)キックオフ
中継はこちらから
https://www.youtube.com/live/XoWioUpkkIM?feature=shared

準決勝に勝てば、史上最高位だった昨年のW杯の3位を上回ることになる。


試合が終わった後は、バスを適当に乗り継ぎ、最後は徒歩でカーリング会場に行ってみる。
聴者のカーリングではスイープへの指示の声が特徴的だが、デフカーリングにはもちろんない。
投げた選手と奥の選手(なんと言うんでしたっけ)が、手話あるいはサインのようなものでスイープの指示を出す。
ストーンが氷を滑っていく音だけが会場に響いていた。
こちらでも日本対トルコの試合が行われていたが、疲れてしまって途中で帰ってきてしまいました。すいません。


ということで本日は女子フットサルの順位決定戦トルコ戦です。


デフリンピック滞在4日目 フットサル女子 スペインに引き分けるもベスト4進出ならず

2024年03月08日 | デフリンピック

トルコ・エルズルムデフリンピック滞在4日目は、朝から雪模様。
バスを乗り継いでデフフットサル女子日本vsスペイン戦の会場に向かう予定だったが、タクシーで会場に向かう。
雪に日和ったということもあるが、スペインの今大会の試合映像を見たり、個々の選手をスペインの記事で調べたりしていたら思ったより時間がたってしまった。

試合前の状況を確認しておくと、日本が準決勝に進出するためにはスペインに12点差以上で勝利しブラジルの戦績を上回ることが必要、逆にスぺインは日本に16点差で負けない限り準決勝に進出する。

スペインは代表(いわゆるフルのフットサルスペイン代表)にも選出された今大会7得点の2番カンデラ・ソリア、キャプテンの10番ピラール・フェレール、今大会10得点の14番エウナテ・アライサの3選手、先日の記事でも触れたゴレイロの13番イエネバ・サグントは先発せず。
スペインは主力選手とそれ以外の選手の実力差がかなりある。まずは主力以外のメンバーでどれだけできるかピッチに送り出されたのだろうか。
日本とすれば、先制のチャンスだ。

日本の先発は第イタリア戦と同じくピヴォに中島梨栄、アラに酒井藍莉、桐生玲奈、フィクソに阿部菜摘、ゴレイロに國島佳純。
「イエネバがいないうちにシュート打ったら入るぞ」と思っていたら、試合開始早々、桐生が弾丸ミドルシュートを決めて、日本が先制した!
さらに追加点を狙いにいく日本、スペインゴールに迫る。

スペインは主力がピッチに入ると徐々にボールを支配するようになる。
そんななか岩渕亜依がプレスをかけ、苦し紛れのパスをフィクソに出したことろを中井香那がダイレクトでシュートを放つが、惜しくも枠を外れる。
その後も右サイドキックインからのこぼれ球を、ゴール前の山崎優子がシュートするも枠の外。

スペインも日本ゴールを脅かすようになる。だが日本は守り抜く。
カンデラのシュートは阿部がスライディングしてシュートブロック。
その後のカンデラのシュートも、國島が落ち着いてよく見て左手1本で止める。
この試合は國島の好守が光っていた。

しかし17分、ハンドの反則でスペインにフリーキックを与えると、デザインされたセットプレーからカンデラが豪快に蹴り込み、スペインが同点に追いつく。
その後のエウナテのシュートは國島が鋭い飛び出しをみせて逆転は許さず、ハーフタイムへ。


第2ピリオド2分、スペインはカンデラが左サイドからカットインしてのシュートが決まり逆転。
さらに3分にはカンデラがピラールとのワンツーからゴール前に侵入して3-1とリードを広げる。
しかし日本も諦めない。
7分、中島のCKに酒井がニアで合わせて1点差に詰め寄る。
さらにその直後には、左サイドからレフティモンスター中島の強烈な左足シュートがゴールネットを揺らし同点に追いつく。

そしてスペインは残り7分少々となったところでパワープレーに出る。対する日本はパワープレー返しを狙う。
互いにチャンスはあったものの決めきれず、試合は3-3の引き分けに終わった。

日本の選手たちは試合終了後、悔しさを滲ませていた。もしくは泣いていた。
世界一となった誇りと意地、力を出しきっても叶わなかった悔しさ、様々な感情がうごめいていたのだと思う。
日本の選手たちは本当によく闘った。
だがスペインはチームとしてはまだまだ余力を残しているようにも思えた。

「そもそもなんでw杯優勝の日本、準優勝のブラジル、強豪スペインが同じ組やねん」と突っ込みたくもなり、応援していた方々と愚痴りあったが、結果が変わるわけではない。
選手たちは順位決定戦へと気持ちを切り替えるのも容易ではないと思うが、残り2試合に連勝して最後を締めくくってほしい。

日本は5位を目指してまずは地元トルコと対戦。キックオフは9日(土)14時(日本時間20時)。
その試合に勝てばポーランドとアイルランドの勝者と5位決定戦を戦う。11日(月)12時30分(日本時間18時30分)
1位通過のスペインはドイツと、2位のブラジルはイギリスと準決勝を戦う。

グループBの戦績は以下
1位 スペイン  3勝1分 勝ち点10 得失点差+30
2位 ブラジル  3勝1敗 勝ち点9 得失点差+15
3位 日本    2勝1敗1分 勝ち点7 得失点差+4
4位アイルランド 1勝3敗 勝ち点3 得失点差-26
5位 イタリア  0勝4敗 勝ち点0 得失点差-23

明日8日(金)は男子の準々決勝トルコ戦。
12時30分(日本時間18時30分)~
中継はこちらから
https://www.youtube.com/live/XoWioUpkkIM?feature=shared


余談だが、デフリンピックの出場資格は聴力55㏈(デシベル)以上。
スペインの選手たちの一部は、遠目からだと普通に会話しているようにも見えて、ぎりぎりの聴力なのかもしれない。


デフリンピック滞在3日目 フットサル男子 1位通過でベスト8へ

2024年03月07日 | デフリンピック

デフリンピック滞在3日目。
宿泊しているホテルがスキー場の近くにあるのでスノーボード競技会場に行ってみるが、スキー場のゲストしか入れず。しばらく道路上から見ていたが始まる気配もないのでいったんホテルに戻る。



その後、男子フットサルトルコ対イラン戦を観ようと会場に向かう。タクシー代も結構な負担になるので、何とかバスで行けないか画策。うまく乗れれば100円弱で行ける。(バスの乗り換えがあるので200円弱)。
前夜トルコ語に変換して市内の交通網を調べており、何とか乗ってみて街中までは上手く行けたが、そこから大学内にあるフットサル会場のバスはいっこうに来ない。辺鄙な場所にあるので昼間は本数が少ないのかもしれない。あきらめてそこからはタクシーで向かう。

バス待ちの時間がけっこうあったので、会場に辿り着くと試合は既に始まっていた。
会場はとんでもない熱気。地元トルコサポータは熱狂的な盛り上がり、トルコがボールを持てば旗を振って大きな声援、イランがボールを奪うとブーイングの嵐。サポーターの太鼓はかなり振動が伝わってきたいたし、聞こえない選手にもかなりの追い風になっている様子。
この試合は中継カメラも5台。

会場に着いた時点で1-1だったが、映像で確認するとイランが早い時間に先制してトルコが追いつくという流れだったようだ。
そして第2ピリオド、トルコはCKから2-1と逆転、さらにはカウンターから追加点。会場の熱気はどんどん高まっていった。
対するイランはゴレイロがそのまま最前線へ上がる形のパワープレー、そのゴレイロがゴールを決め2-3と追い上げ、さらに終了間際には同点に追いつき3-3の引き分け。
その結果、このグループはイランが1位通過、2位がイタリア。トルコは3位となったが、他の組の3位=チェコを上回ったため、ベスト8へ。

その直後に行われた日本対ブラジル戦。5台あったカメラは1台に。観客も少なくなり祭りのあとのような雰囲気に。
しかし日本の観客席からは選手のご家族、日本選手団関係者、時間の空いた他競技の選手たちが声援をおくる。俺も。
ご家族も聞こえない選手たちから見えるように各選手の名前の入った応援グッズも用意されている。

先発は第1戦チェコ戦と同じくピヴォに野寺風吹、アラは右に鎌塚剛史、左に設楽武秀、フィクソは東海林直広、ゴレイロに折橋正紀。基本的には3~4分で2ndセットのピヴォ土屋祐輝、アラは宗澤麟太郎、本多将起、フィクソ坂本大起に交代する流れ。

第1ピリオド、日本は坂本が左サイドで相手をかわしての折り返しからの土屋のシュートや、野寺のポストプレーから設楽のシュート等チャンスもあったがゴールを奪えない。しかしゴレイロ折橋の好守でブラジルに得点を許さずハーフタイムをむかえる。

先制したのは日本。第2ピリオド2分、鎌塚の右CKからの浮き球に、ファーで上手くフリーになった設楽がダイレクトで合わせてゴールネットを揺らす。
10分前後、左サイド野寺の強烈なシュートはブラジルゴレイロがかろうじて弾き出す。
そこで得たCK、鎌塚からニアの東海林がダイレクトで合わせるがゴレイロの正面、こぼれ球を拾ったブラジルが即座にカウンターで日本ゴールに迫ると、折橋が足をかけたという判定でブラジルにPKが与えられる。
そのPKを金髪の10番が決めて1-1に追いつかれた。
引き分けでも1位通過の日本に対し、勝たないと1位通過できないブラジルは終盤パワープレーに出るが、スコアは動かず1-1の引き分けに終わった。

1位通過した日本は準々決勝で地元トルコとの対戦が決まった。
ブラジルはグループCを1位通過したタイとの対戦。
チーム力的にはタイより落ちると思われるトルコだが、超アウェイの雰囲気になること必須。
我々サポーターも心してかからねば。
日本で視聴される方々にとっては、5台のカメラ、リプレーもありで見やすい映像になると思います。
準々決勝のキックオフは8日(金)12時30分(日本時間18時30分)、必見です。

その前日7日(木)女子日本ースペイン戦は15時(日本時間21時)キックオフ。
スペインとんでもなく強いです。
でも勝ってほしい。

中継はこちらから
https://www.youtube.com/live/XoWioUpkkIM?feature=shared


デフリンピック滞在2日目 女子代表 イタリア戦に勝利

2024年03月06日 | デフリンピック

トルコ エルズルム デフリンピック滞在2日目。
デフフットサル女子日本代表とイタリア戦は15時からなので、午前中カーリングミックスダブルス日本の試合に行こうかとも思ったが、どうしても女子フットサルのスペインvsブラジル戦を観たかったのでそちらを優先。
カーリングは準決勝ではウクライナに敗れたものの、3位決定戦で中国を下し、荒谷飛翔・ 松橋早友梨ペアが銅メダルを獲得したそうです。おめでとうございます!

フットサルに話を戻すと、ブラジルは昨年のW杯決勝で死闘を闘い延長PKの末に優勝、今大会初戦では敗れた相手、スペインはアイルランドを17-1!イタリアを10-0と撃破している強豪。スペインはW杯には出場していない。

試合会場に着くまでに、タクシーで間違えて別場所に降りたとか、親切な地元の人がバス停まで連れて行ってくれ運転手さんに説明してくれたりだとか、運転手さんも降りる時にあそこだと教えてくれたりだとかで、やっと会場に辿り着いた時はもう既に試合は始まっていた。

スペインは一人一人の基礎技術がしっかりしていて、とてもいいチーム。しかし前の2試合と比べるとパフォーマンスが落ちていたというから驚き。それでもブラジルを5-1と下した。
個人的に印象に残ったのはスペインのゴレイロ、基本技術、飛び出しも半端ないがメンタルも半端ない? どんな状況でも澄ました表情。見てるだけで面白い。

ということで日本対イタリア戦。日本は勝利が絶対条件、しかもできるだけ大量得点を奪いたい。
試合前にはトルコの子どもたちが集まってきたので、日本の手話表現を教え、手話単語を交えつつのジャーポン、チャチャチャ、ニッポン、チャチャチャをなんとか、覚えてもらう。
男子選手のご家族も応援に来られていて心強いサポーター。

そうこうしているうちにキックオフ。先発はピヴォに中島梨栄、アラに酒井藍莉、桐生玲奈、フィクソに阿部菜摘、ゴレイロに國島佳純とこれまでと少々異なった布陣でのスタート。
先制は6分、セットプレーが続き、岩渕亜依のCKから桐生がダイレクトで豪快に蹴り込みゴール。
10分には阿部と中島2人の関係からサイドでチャンスメーク、阿部がゴール前に入れて宮田夏実が流し込んだ。
11分にも岩渕のCKを酒井が蹴り込んで3点目。
いずれも合宿で練習を積み重ねてきた形。

第2ピリオド、さらにさらに追加点がほしい日本だったが、4分にはイタリアに1点を返される。
しかし7分、山崎優子がポストプレーから一度はボールを奪われるもののすぐにプレスをかけ、イタリア選手の苦し紛れのパスを岩渕が胸で1トラップしてシュート、4点目を奪う。
16分には酒井からのリターンを受けた阿部のゴールが決まり5点目。
ゴレイロ國島も第2PKで相手に圧をかけ枠に蹴らせなかったり、難しいシュートを弾き出したりの好守もあり、日本は5-1で勝利。
2勝1敗、勝点6 得失点差+4となった。

スペインは3勝0敗、勝点9 得失点差+30! ブラジルは4戦終えて3勝1敗、勝点9 得失点差+15

日本が準決勝に進出するためには、明後日7日のスペイン戦で12点差以上で勝利しブラジルを上回る必要がある。
現実的には難しい数字だが、とにかく目の前に試合に勝ち切ることだけに集中して力を出しきってほしい。

明日は男子代表がグループリーグ最終戦でブラジルと対戦する。


トルコ エルズルムデフリンピック滞在初日

2024年03月04日 | デフリンピック

冬季デフリンピックの開催地トルコ、エルズルムに到着。ホテルにチェックインして、とりあえずフットサル会場に行ってみる。
街中はデフリンピックを感じさせるものは皆無。フットサル会場に近づいてもどこかわからずタクシーでぐるぐる回った。
男子日本代表はケニアに不戦勝なので、男子ブラジルVSチェコを観戦。序盤はブラジルの圧勝で終わるのやと思ったら、第2ピリオドチェコが怒涛の追い上げ。
ブラジルはファールが目立つようにやり、チェコは4-5から第2PKを2本続けて得るが、2本ともポストに当て、ブラジルに追加点を決められ2連敗。
ブラジルは明後日6日、日本と対戦。

デフフットサルはブラインドサッカーやアンプティサッカーのように特別なルールのスポーツではないので、一見地味だ。特にこの試合のように、自分が応援しているチームでもなく第3者同士の試合をどうみたらよいか、なかなか難しいなあと考えながらボーっと観ていたが、チェコの熱量、追い上げが凄まじく、熱い試合はなんでも面白いんだということを思い出させてくれました。

ちなみにこの試合は配信のカメラ1台。
夕方からの開催国トルコ戦はカメラ5台に増やしていたようだ。


冬季デフリンピックに メディアではなく一観客として来た理由

2024年03月04日 | デフリンピック

トルコ・イスタンブールに到着、これから冬季デフリンピック開催地エルズルムに向かいます。

デフリンピックに来るのは今回で3度目、過去2回は全て夏季大会です。
最初は2009年の台北大会、女子サッカーチームに帯同する形で映画「アイ・コンタクト」撮影のためでした。
2度目は2013年ブリガリアのソフィア大会。ペン記者としての参加でした。
男女サッカー、女子バレー、ハンマー投げ森本真敏選手、水泳茨隆太郎選手を取材し、サッカー、バレーに関してはweb記事を書きました。単行本にまとめるつもりで出版も決まっていたのですが、担当者の辞職により本の企画が消えてしまったのはとても残念でした。その影響もあって自己負担率97%でした。
実は今回の前にも行く予定だった、幻の3度目のデフリンピックもありました。
2022年のブラジル、カシアス・ド・スル大会です。
とある女子サッカー選手を対象とした短編ドキュメンタリー撮影のために渡航予定でしたが、ブラジルの新型コロナウィルス感染拡大を受け、資金の一部を出してくれることになっていたところからNGが出て渡航断念。

今大会からフットサルが冬季競技として正式に採用され、男女フットサル日本代表の生観戦&応援がベースですが、他競技もできるだけ観れたらと思っています。

今回は初めてメディアとしてではなく観客として渡航することになったのですが、それは何故か?
経緯を書き記しておきます。

デフフットサル女子日本代表チームは2011年のデフフットサルW杯に参戦するべく立ち上げられ、初参加の大会は9位に終わったものの、その後、6位(2015年)、5位(2019年)と順位もあがり、本気で世界一を狙えるチームへと成長進化していきました。
2023年11月のW杯は、映画「アイ・コンタクト」に出演していた選手たちや2013年ブルガリアデフリンピックに帯同取材していた当時の選手たちの、いわば集大成とも言える大会であり、選手たちの熱い想いを受け長編の可能性も探りつつ最低限10分ほどの短編ドキュメンタリーを作る予定で、2021年夏より代表チームの撮影を始めました。

しかしながらブラジルデフリンピックに関する以下の記事に関しての、日本ろう者サッカー協会とのやり取りのなかで昨年5月の撮影を最後にストップせざるを得なくなりました。

Paraphoto ブラジルデフリンピック 未完の闘い
https://www.paraphoto.org/?p=36311

ブラジルデフリンピックでは、日本選手団に新型コロナウイルス感染が広がり、選手団全体が棄権するという形で大会を終えました。
日本にいる身からすると何が起こっていたのかよくわからず、デフサッカー選手やスタッフに取材して事の顛末を把握し、上記の記事の2倍ほどの長さの記事をまずは書きました。

そして、選手、スタッフ、及び日本ろう者サッカー協会に記事を読んでもらいました(一昨年9月)が、協会が難色を示したため取材した内容は、試合の感想や日本選手団医療スタッフへの感謝の言葉も含め、全て自主的に削除しました。
ですから現状の記事(昨年5月アップ)は、ネット上で読める各競技団体のSNS等や、全日本ろうあ連盟のHPや質問に対する返答のみを元にして記事を書いたことになります。
そのちょうど同時期(昨年5月)、デフフットサルW杯に向けて撮影を続けていたものを長編映画「アイ・コンタクト2」にしようと決意を固めて、いろいろと準備を進め日本ろう者サッカー協会にも映画化を打診しましたが、私の振る舞いや言動、記事の内容に問題があったとのことで、断られ、映画のみならずその後の全ての撮影取材も拒否される状況となってしまいました。
私としては記事に関しての一連のやり取り等についても、日本ろう者サッカー協会の意向を最大限尊重し誠意をもって対応してきたつもりでしたし、到底納得できるものではありませんでした。
その後、常識に照らし合わせて何度振り返って考えてみても、あるいは第3者に意見を求めてみても、納得できませんでした。
もちろん私の方で反省すべき点もあるでしょうし、私の振る舞いや言動に問題があるというのならば具体的な説明がほしいと連絡をしましたが、その後は無視されています。

結果として、昨年11月に開催されたデフフットサルW杯の撮影は叶わず、世界一となった、その場に立ち会えなかったのは本当に残念でした。

そして冬季デフリンピックが迫ってきました。女子フットサル日本代表チームを応援したいという思い、ことに2007年より(あるいはブルガリア大会から)見続けた女子選手たちを、肉眼で見届けたいという思いを抑えられず、今回のデフリンピックには観客として渡航することにしました。 

もちろん大会主催者側に申請すれば取材は出来ますが、協会から取材拒否されているなか、その選択が良いとも思えず、そうはしませんでした。

私は過去、拙著「アイ・コンタクト」(岩波書店・2011年)のなかで、デフサッカー女子日本代表サポーター第1号宣言をしました。
その当時の選手たちもフットサルに場を変えて残っていますし、応援する気持ちに変わりはありません。

こちらの状況はともかく、デフフットサル女子日本代表には是非とも優勝目指して突き進んでほしいと切に願っています。
もちろん男子フットサルチームもしっかり観ます!