サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

APOカップに向けた電動車椅子サッカー日本代表合宿

2014年11月11日 | 電動車椅子サッカー

11月8日~9日の2日間、電動車椅子サッカー日本代表合宿に行ってきた。
来年1月、オーストラリアなどが参加予定のAPOカップが兵庫県内で開催されるが、その大会に向けた日本代表8名が10月8日に発表されて以来、初めての合宿である。
代表候補合宿はここのところ12名が招集されており(12名のなかでも変動があった)、 そのうち誰が代表に選ばれるか、正直アギーレジャパンよりも私にとっては関心事であった。
誰が選ばれるのか何度も何度も何度も何度も何時間もいろんなシュミレーションを私なりに繰り返したが、選ばれたメンバーは私の予想とは何名か食い違っていた。答えられる範囲で監督に説明していただいたが、なるほどと思えることもあれば理解できない点もあった。しかし選ばれた8名はいずれも良い選手であることは間違いないわけで、落選した4名もそれに劣らず素晴らしい選手だったということだ。
もう一つだけ代表選出に関して言及しておくと、クラス分け的に軽いほうであるPF2の選手をある一定数メンバーに入れていこうという流れがある。ことに海外の大会においては長距離のフライト、連戦、そして海外の選手に当たり負けしないフィジカルなどが期待されている。1月の大会は国内開催であるが、次回の世界大会を見据えた人選も行われている。
(電動車いすサッカーのクラス分けは、重い方のPF1、軽い方の PF2 に分けられる。PF1は筋ジストロフィーやSMA=脊髄性筋萎縮症などの選手が多く、PF2は脳性麻痺の選手などが多い)

今回の合宿は代表に選ばれた8名に加え、落選した4名もサポートメンバーとして参加。8名の代表メンバーの試合相手としてフル稼働した。
サポートメンバーは“読み”と“意地”の守りでなかなか代表メンバーに得点を許さない。しかし何度か試合を重ねていくうちに代表メンバーがサポートメンバーのゴールをこじ開ける。交代メンバーのいないサポートメンバーチームは元日本代表選手も助っ人として参加、しかし彼が出場している時間帯に失点することも多かった。

代表メンバー側から言えば、うまくいく選手の組み合わせもあれば、なかなかうまくいかない選手の組み合わせもあった。ピッチ上の選手たちがイメージを共有できている時はゴールも生まれるが、そうでない時はあまり得点の気配は漂わない。ただ個の力で局面を打開する場合もあった。
まだうまくいかないこともあった代表チームだが、8名中6名は前回のワールドカップのメンバー。お互いの特徴は知り尽くしているはずで、今後もコミュニケーションを深め、チームを成熟させてくれるであろうし、そのことも期待されているだろう。

まだ1月に開催されるAPOカップの詳細はわかっていないが、是非地元での優勝を飾ってほしい。

(個人選手名は敢えて一切書き込みませんでした)