サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

ブラインドサッカー世界選手権開幕

2014年11月16日 | ブラインドサッカー

16日日曜日、ブラインドサッカー世界選手権大会が東京代々木フットサル場で開幕した。
前売り券は完売。特設スタンドは青い応援Tシャツやサムライブルーのユニフォームを身に纏った人など1000人を超える観客で溢れかえる。
ブラインドサッカー、障害者サッカー、障害者スポーツの歴史に大きく記されるであろうその日に、是非“日本代表の勝利”という文字を刻みつけてもらいたい。

開会式終了後の開幕戦は地元日本とパラグアイの対戦。
日本、パラグアイとも慎重にゲームに入っていく。
日本はアキ(田中章仁)を最後尾に、トモ(黒田智成)とカトケン(加藤健人)が絶妙な距離感を保ち、パラグアイ選手の行く手を防ぐ。もちろんGKゴリ(佐藤大介)のコーチングもあってこそだ。
トップのリョウ(川村柃)は一人で相手陣内に持ち込みシュートを狙う。トモもボールを奪うとボールを前線に運び、巧みなドリブルでシュートを放つ。
パラグアイも背番号10の長身選手リカルド ルイス・ビジャマジョル ベラルタが日本の守備陣を切り裂き日本ゴールを脅かす。しかしGKゴリが体を張ってゴールを許さない。

今度はリョウが左サイドから切れ込みシュートを放つが惜しくもポストを叩く。
その後、キャブテンのオッチー(落合啓士)がヒッチへ送り込まれる。
20分、今度はトモが自陣右サイドから持ち上がり、巧みに相手をかわし左足でシュート!
トモのシュートがゴールネットを揺らし、日本が先制した!
プレー中はピッチ上の“声“を邪魔しないよう静かに見守るしかない観客の喜びの声が爆発する。コーラーの藤井潤もピッチ上で選手たちと喜びを共有する。ピッチに入ることを許されたコーラーの特権だ。
その後もパラグアイは10番の選手の個人技などを中心に日本ゴールに迫るが、日本は高い集中力でなんとかしのぎきり初戦を白星で飾った。
トモのゴールも素晴らしかったが、ゴリの指示や、指示を受けつつ我慢の守備を続けたカトケン、いつもながらに体をはったアキも素晴らしかった。途中交代で入ったロベルト(佐々木ロベルト泉)も役割を全うした。
そしてサポーターも、(トモの言葉によれば)「最高の応援」だった。

続いておこなわれた第2戦でフランスとモロッコが引き分けたため、日本ほグループの1位となった。次戦の相手はモロッコ。試合を観た限りでは、勝てる相手に思えた。

良いことづくしの開幕日だったが、一つだけ残念なことがあった。
開会式に手話通訳がいなかったのだ。これまで親善試合の場合にも手話通訳はついていたのになぜだろうかと関係者の方に確認したところ、手話通訳の方が待機していたにも関わらず手違いがあったようだ。あまりの忙しさが招いたミスだったようだ。もちろん大きく反省されていた。今後閉会式など通訳が必要な場面では問題なく手話通訳がつくはずである。

ある意味、ブラインドサッカーは、障害者サッカーを牽引していっている面もある。もっともっとブラインドサッカーには突っ走ってほしい。
一つでも多く勝ち進んでほしい。

そしてもうそろそろ、サムライブルーと同じユニフォームを観に纏ってプレーする時がきてもいいのではないか。
他の障害者サッカーも含めて。


(あくまで一観客としての私観です。間違っている箇所などあればご指摘ください)