サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

ブブゼラとピッチ上のコミュニケーション

2010年06月18日 | サッカー

 ワールドカップの試合を見てると、連日ブブゼラの音が凄い。
昨日のアルゼンチンvs韓国戦でも印象的なシーンがあった。
前半ロスタイム、韓国のイ・チョンヨンがアルゼンチンDFデミチェリスの一瞬の隙をつき、背後から迫りボールを掠め取り、2-1と追い上げるゴールを決めるという場面があったが、デミチェリスはブブゼラの音で味方の指示の声が全然聞こえなかったようだ。周りの選手が叫んで教えようとしたらしいが、声が届かなかったらしい。
まあ声によるコミュニケーションがいかに重要かという場面でもあったわけで。

デフリンピックのサッカー男子の決勝、ウクライナ対ロシア戦でも同じような場面があった。決勝までいくと、試合自体のレベルはかなり高いのだが、背後からすっと寄ってくる選手からボールを奪われる場面が何度かあり、声によるコミュニケーションが出来ないと、そのあたりがむずかしい点の一つだ。

 

 

 

 


もう一つのワールドカップ

2010年06月11日 | 知的障害者サッカー

いよいよ明日ワールドカップ開幕!
南アフリカではFIFAワールドカップ閉幕後、8月21日から9月12日まで、知的障害者のサッカー世界選手権大会、通称もう一つのワールドカップが開催されます。
2002年には日本で開催、4年前にもドイツで開催され、その模様は私の拙作「プライドinブルー」で描いております。
www.maxam.jp/products/detail/237

岡田監督の日本代表もいろいろと大変ですが、知的障害者日本代表の方も資金が足りずに、懸命に資金集めをしています。だがまだまだ目標額は遠いのが現状です。何とか南アフリカの地で躍動し、前回以上の成果をあげてほしいとは思うのですが、まずは先立つものが…。

日本知的障害者サッカー連盟HP  http://www.jffid.org/
ブログ  http://entry.plus-blog.sportsnavi.com/nhfs/article/1
寄付募集ブログ http://fidsoccer.blog130.fc2.com/

 

 

 


手話

2010年06月10日 | 手話・聴覚障害

 映画「アイ・コンタクト」に出演している選手達は、“選手間では”手話で会話している。彼女達が手話を覚えた時期は様々である。物心ついた時には、既に手話を使っていたという人から、チームに参加してから手話の勉強を始めた人まで。
 
 私自身も撮影に際し、手話の必要性を感じ、2年ほど前から手話の勉強を始めた。
実力的には、まだまだなんだが…。
「手話の勉強してるんだ」と言うと、よく聞かれたのが「手話って世界共通なの?」という質問。中には「手話って世界共通なんでしょ」と断定口調の人も。
正解は「手話は世界共通ではない」。
国や地域によって異なるし、方言もある。音声言語と同様、日本手話、アメリカ手話、フランス手話、韓国手話等様々な手話がある。
現在において手話は、言語学的観点からも言語であるという認識が常識になっているのだ。つまり日本には、音声日本語や音声アイヌ語以外にも日本手話という言語が存在するということだ。
でもなんでそういった誤解が多いのだろう。おそらく手話が身振り手振り的なものだという思い込みがあり、身振り手振りなら万国共通だと思うのかな。
手話の中にも身振り手振り的な要素もあるが、それは手話の一部だ。

 


デフリンピック

2010年06月08日 | 映画「アイコンタクト」について

 私の新作の映画「アイ・コンタクト」は、デフリンピックに出場したろう者女子サッカー日本代表を追ったドキュメンタリー映画なのだが、デフリンピックのことを皆さんご存知だろうか。
 デフリンピックは、聴覚障害者(デフ)のオリンピック。オリンピックと同様、4年に一度開催されている。昨年は台北で開催、世界から聴覚障害者のアスリートが集った。ちなみにパラリンピックは、身体障害者と視覚障害者のためのオリンピック。パラリンピックの知名度は上がったが、デフリンピックはほとんど知られていないようである。私自身も4年前までは全く知らなかったのだけど…。
デフリンピックは、もうすでに21回大会と長い歴史を有しているのだが、アジアでの開催は昨年が初めて。日本で開催されたことはない。
デフリンピックの各競技は、基本的には健聴者のスポーツのルールと変わらないのであるが、スタートや反則の時等、視覚的に選手達に伝わるような工夫が施されている。サッカーの場合だと、主審がフラッグを手に持ち、ホイッスルを吹くと同時にフラッグを振る。それと同時に副審二人も旗を振り、グラウンドの回りのボールボーイを兼ねた8人も赤い旗を振り選手達に知らせる。それでも1対1の攻防に集中している選手達は気がつかない場合も多く、そんな時は周りの選手が知らせてあげる。実際、気がつかないで二人だけガチンコ勝負している場面を何回か見かけた。
まあそんなデフリンピックに開会式前から閉会式までずっと行って来ました。サッカー会場以外にはあまり行ってないのだが。