サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

ブラインドサッカー日本代表ベスト8進出

2014年11月20日 | ブラインドサッカー

ブラインドサッカー日本代表はグループリーグ第3戦でフランスと対戦。
後半18分、日本はPKのチャンスを得ると佐々木ロベルト泉選手が決め先制!
しかしその1分後、第2PK(累積ファールにより与えられる)をフランスに与え同点に追いつかれる。
試合はそのまま1-1でドロー。日本はグループAの2位となり、ベスト8進出が決定。

準々決勝は、11月21日金曜日11時~。対戦相手は中国かトルコになるようです。
平日の昼間ではありますが、負けたら終わり(順位決定戦はありますが)の決勝トーナメント、痺れる試合になること必至。
なんとか都合がつけられる方は、会場に駆けつけましょう!

もしベスト4に進出した場合は、強豪ブラジルとの対戦になる可能性濃厚。

今日も会場に行って来ましたが超短縮ブログにて失礼!

(追記)
準々決勝の対戦相手は中国に決ったようです。
日本は中国になかなか勝てない時代もありましたが、直近のアジアパラ競技大会では引き分け、総合順位は日本が2位、中国が3位。現在は拮抗した実力とみていいのでしょうか。延長、あるいはPK戦にもつれ込むことももあるかもしれません。
サポーターも含めた総力戦です。平日11時ですが、万難を排して会場にかけつけましょう。...
行けない方は“念”をおくりましょう。念よりは、Twitterとかfacebookの応援メッセージのほうがいいかもです。


ブラインドサッカー日本代表 モロッコに引き分ける

2014年11月19日 | ブラインドサッカー

ブラインドサッカーの世界選手権大会3日目、日本はモロッコと対戦。
サムライブルーとオーストラリア代表の対戦も気になるところではあるが、ブラインドサッカー日本代表“魚住ジャパン”にとってグループリーグ突破をかけた重要な1戦。関東在住者としては「生観戦、生応援するしかない!」

初戦はメインスタンド指定席だったが、今回はゴール裏観戦。
日本のスターティングメンバーは、フィールドプレーヤーがリョウ(川村玲)、トモ(黒田智成)、カトケン(加藤健人)、アキ(田中章仁)、GKはゴリ(佐藤大介)。初戦と同じ布陣、堅守速攻という形で慎重にゲームに入っていく。
トップのリョウ、あるいは2列目のトモがドリブルで持ち上がるがなかなかシュートまで持ち込めない。というかモロッコが激しい寄せと固いディフェンスでなかなかシュートさせてくれない。モロッコはトモのシュートのタイミングなど、かなり研究したのかもしれない。
前半ファールの累積による第2PKなどはあったものの、モロッコゴールを脅かす場面はほとんどなかった。
我慢の試合となった後半のメンバーは、ゴリ、アキ、カトケン、リヨウ、そして守備力の高いロベルト。まずは失点しないことを優先した布陣でスタート。
そして10分過ぎ(くらい)、満を持してトモが投入される。トモはモロッコ選手との間合いを見切ったのか(うまく言えないが)、得点の気配が漂うシュートを放つようになる。
しかし初戦もフランス相手にゴールを許さなかったモロッコのGKが、日本の前に立ちはだかる。
日本のGKゴリも、出所が見えにくい難しいシュートを素早い反応で止める。
GKゴリの進化も目覚ましいものがある。GKは、監督、コーラーとともに“声”でのコーチングが重要な役割であるが、実際にプレーする唯一の晴眼者である。GK次第でゲームの行方が左右することも少なくないように思う。以前は海外のチームに比べて、日本のGkが見劣りするように感じることもあったが、今大会はまったくそんなことはない。スローイングの進化も目覚ましいし、守護神としての存在感も素晴らしい。
もちろんフィールドプレイヤーが守ってくれてこそ、だが。

試合は惜しい場面はあったもののスコアレスドロー、決勝トーナメント進出を決めることは出来なかったものの勝ち点を4に積み上げた。
決勝トーナメント進出に関しては、19日11時から行われる中国対トルコの試合で中国が勝てば日本のベスト8が決まる。(私の計算では)

今大会の日本はベスト4を目指しているそうだ。その目標のためにまずは守備からという戦術が徹底されているように思う。
かなり以前は、厳しい言い方をすれば勝つ気があるのだろうか?と思ったこともあったが、今大会はベスト4という目標に向かって現実的な路線で着実に歩を進めている
ベスト4に進出するためにはぜひとも1位抜けしてもらいたいし、チームの方々もそう考えているだろう。2位抜けだとおそらく強豪中国とあたることになるだろうし、3位で準々決勝に進出した場合も強豪アルゼンチンとの対戦が予想されるのだ。
日本戦の直前に行われるモロッコ対パラグアイの結果によっては、引き分けでも1位抜けの場合も考えられる。
いずれにせよチーム全員が同じ方向を向いた戦い方をすべきだろうし。そういったことができるチームになっているように思える。
グループリーグ第3戦のフランス戦は決勝トーナメント進出をかけた戦いというよりは、ベスト4進出に向けての戦いになるだろうし、なるべきであろう。

グループAの現在の順位は1位日本勝ち点4、2位パラグアイ勝ち点3.3位モロッコ勝ち点2.4位フランス勝ち点1。日本代表第3戦のキックオフは19日水曜19時30分、対戦相手はフランス。
会場には。手話通訳者や介助者が常駐。そういった人が必要な方々も安心してお出かけください。

全体に偉そうな書き方になってしまったかもしれません。ブラインドサッカーをずっと見続けているわけではないのですが、とびとびには、わりと長年観ています。そういった観点から勝手に書き記しています。

ところで試合はサッカー好きな手話通訳者の方と観戦。試合終了後は観戦に来ていたデフフットサル女子日本代表監督、デフフットサルの女子プレーヤー、その難聴の友人とも含めてお食事しながらおしゃべり。手話と口話で。見えない世界から、聴こえない、聴こえにくい世界へ移行したわけです。
ちなみにデフフットサルの世界大会は来年11月タイで開催予定。その大会に向けてチーム強化中。
また、ろう者サッカー男子日本代表は、デフサッカーの世界選手権大会アジア予選でイラン滞在中。20日木曜日から試合が始まります。


ブラインドサッカー世界選手権開幕

2014年11月16日 | ブラインドサッカー

16日日曜日、ブラインドサッカー世界選手権大会が東京代々木フットサル場で開幕した。
前売り券は完売。特設スタンドは青い応援Tシャツやサムライブルーのユニフォームを身に纏った人など1000人を超える観客で溢れかえる。
ブラインドサッカー、障害者サッカー、障害者スポーツの歴史に大きく記されるであろうその日に、是非“日本代表の勝利”という文字を刻みつけてもらいたい。

開会式終了後の開幕戦は地元日本とパラグアイの対戦。
日本、パラグアイとも慎重にゲームに入っていく。
日本はアキ(田中章仁)を最後尾に、トモ(黒田智成)とカトケン(加藤健人)が絶妙な距離感を保ち、パラグアイ選手の行く手を防ぐ。もちろんGKゴリ(佐藤大介)のコーチングもあってこそだ。
トップのリョウ(川村柃)は一人で相手陣内に持ち込みシュートを狙う。トモもボールを奪うとボールを前線に運び、巧みなドリブルでシュートを放つ。
パラグアイも背番号10の長身選手リカルド ルイス・ビジャマジョル ベラルタが日本の守備陣を切り裂き日本ゴールを脅かす。しかしGKゴリが体を張ってゴールを許さない。

今度はリョウが左サイドから切れ込みシュートを放つが惜しくもポストを叩く。
その後、キャブテンのオッチー(落合啓士)がヒッチへ送り込まれる。
20分、今度はトモが自陣右サイドから持ち上がり、巧みに相手をかわし左足でシュート!
トモのシュートがゴールネットを揺らし、日本が先制した!
プレー中はピッチ上の“声“を邪魔しないよう静かに見守るしかない観客の喜びの声が爆発する。コーラーの藤井潤もピッチ上で選手たちと喜びを共有する。ピッチに入ることを許されたコーラーの特権だ。
その後もパラグアイは10番の選手の個人技などを中心に日本ゴールに迫るが、日本は高い集中力でなんとかしのぎきり初戦を白星で飾った。
トモのゴールも素晴らしかったが、ゴリの指示や、指示を受けつつ我慢の守備を続けたカトケン、いつもながらに体をはったアキも素晴らしかった。途中交代で入ったロベルト(佐々木ロベルト泉)も役割を全うした。
そしてサポーターも、(トモの言葉によれば)「最高の応援」だった。

続いておこなわれた第2戦でフランスとモロッコが引き分けたため、日本ほグループの1位となった。次戦の相手はモロッコ。試合を観た限りでは、勝てる相手に思えた。

良いことづくしの開幕日だったが、一つだけ残念なことがあった。
開会式に手話通訳がいなかったのだ。これまで親善試合の場合にも手話通訳はついていたのになぜだろうかと関係者の方に確認したところ、手話通訳の方が待機していたにも関わらず手違いがあったようだ。あまりの忙しさが招いたミスだったようだ。もちろん大きく反省されていた。今後閉会式など通訳が必要な場面では問題なく手話通訳がつくはずである。

ある意味、ブラインドサッカーは、障害者サッカーを牽引していっている面もある。もっともっとブラインドサッカーには突っ走ってほしい。
一つでも多く勝ち進んでほしい。

そしてもうそろそろ、サムライブルーと同じユニフォームを観に纏ってプレーする時がきてもいいのではないか。
他の障害者サッカーも含めて。


(あくまで一観客としての私観です。間違っている箇所などあればご指摘ください)


APOカップに向けた電動車椅子サッカー日本代表合宿

2014年11月11日 | 電動車椅子サッカー

11月8日~9日の2日間、電動車椅子サッカー日本代表合宿に行ってきた。
来年1月、オーストラリアなどが参加予定のAPOカップが兵庫県内で開催されるが、その大会に向けた日本代表8名が10月8日に発表されて以来、初めての合宿である。
代表候補合宿はここのところ12名が招集されており(12名のなかでも変動があった)、 そのうち誰が代表に選ばれるか、正直アギーレジャパンよりも私にとっては関心事であった。
誰が選ばれるのか何度も何度も何度も何度も何時間もいろんなシュミレーションを私なりに繰り返したが、選ばれたメンバーは私の予想とは何名か食い違っていた。答えられる範囲で監督に説明していただいたが、なるほどと思えることもあれば理解できない点もあった。しかし選ばれた8名はいずれも良い選手であることは間違いないわけで、落選した4名もそれに劣らず素晴らしい選手だったということだ。
もう一つだけ代表選出に関して言及しておくと、クラス分け的に軽いほうであるPF2の選手をある一定数メンバーに入れていこうという流れがある。ことに海外の大会においては長距離のフライト、連戦、そして海外の選手に当たり負けしないフィジカルなどが期待されている。1月の大会は国内開催であるが、次回の世界大会を見据えた人選も行われている。
(電動車いすサッカーのクラス分けは、重い方のPF1、軽い方の PF2 に分けられる。PF1は筋ジストロフィーやSMA=脊髄性筋萎縮症などの選手が多く、PF2は脳性麻痺の選手などが多い)

今回の合宿は代表に選ばれた8名に加え、落選した4名もサポートメンバーとして参加。8名の代表メンバーの試合相手としてフル稼働した。
サポートメンバーは“読み”と“意地”の守りでなかなか代表メンバーに得点を許さない。しかし何度か試合を重ねていくうちに代表メンバーがサポートメンバーのゴールをこじ開ける。交代メンバーのいないサポートメンバーチームは元日本代表選手も助っ人として参加、しかし彼が出場している時間帯に失点することも多かった。

代表メンバー側から言えば、うまくいく選手の組み合わせもあれば、なかなかうまくいかない選手の組み合わせもあった。ピッチ上の選手たちがイメージを共有できている時はゴールも生まれるが、そうでない時はあまり得点の気配は漂わない。ただ個の力で局面を打開する場合もあった。
まだうまくいかないこともあった代表チームだが、8名中6名は前回のワールドカップのメンバー。お互いの特徴は知り尽くしているはずで、今後もコミュニケーションを深め、チームを成熟させてくれるであろうし、そのことも期待されているだろう。

まだ1月に開催されるAPOカップの詳細はわかっていないが、是非地元での優勝を飾ってほしい。

(個人選手名は敢えて一切書き込みませんでした)