ブラインドサッカーの世界選手権大会3日目、日本はモロッコと対戦。
サムライブルーとオーストラリア代表の対戦も気になるところではあるが、ブラインドサッカー日本代表“魚住ジャパン”にとってグループリーグ突破をかけた重要な1戦。関東在住者としては「生観戦、生応援するしかない!」
初戦はメインスタンド指定席だったが、今回はゴール裏観戦。
日本のスターティングメンバーは、フィールドプレーヤーがリョウ(川村玲)、トモ(黒田智成)、カトケン(加藤健人)、アキ(田中章仁)、GKはゴリ(佐藤大介)。初戦と同じ布陣、堅守速攻という形で慎重にゲームに入っていく。
トップのリョウ、あるいは2列目のトモがドリブルで持ち上がるがなかなかシュートまで持ち込めない。というかモロッコが激しい寄せと固いディフェンスでなかなかシュートさせてくれない。モロッコはトモのシュートのタイミングなど、かなり研究したのかもしれない。
前半ファールの累積による第2PKなどはあったものの、モロッコゴールを脅かす場面はほとんどなかった。
我慢の試合となった後半のメンバーは、ゴリ、アキ、カトケン、リヨウ、そして守備力の高いロベルト。まずは失点しないことを優先した布陣でスタート。
そして10分過ぎ(くらい)、満を持してトモが投入される。トモはモロッコ選手との間合いを見切ったのか(うまく言えないが)、得点の気配が漂うシュートを放つようになる。
しかし初戦もフランス相手にゴールを許さなかったモロッコのGKが、日本の前に立ちはだかる。
日本のGKゴリも、出所が見えにくい難しいシュートを素早い反応で止める。
GKゴリの進化も目覚ましいものがある。GKは、監督、コーラーとともに“声”でのコーチングが重要な役割であるが、実際にプレーする唯一の晴眼者である。GK次第でゲームの行方が左右することも少なくないように思う。以前は海外のチームに比べて、日本のGkが見劣りするように感じることもあったが、今大会はまったくそんなことはない。スローイングの進化も目覚ましいし、守護神としての存在感も素晴らしい。
もちろんフィールドプレイヤーが守ってくれてこそ、だが。
試合は惜しい場面はあったもののスコアレスドロー、決勝トーナメント進出を決めることは出来なかったものの勝ち点を4に積み上げた。
決勝トーナメント進出に関しては、19日11時から行われる中国対トルコの試合で中国が勝てば日本のベスト8が決まる。(私の計算では)
今大会の日本はベスト4を目指しているそうだ。その目標のためにまずは守備からという戦術が徹底されているように思う。
かなり以前は、厳しい言い方をすれば勝つ気があるのだろうか?と思ったこともあったが、今大会はベスト4という目標に向かって現実的な路線で着実に歩を進めている
ベスト4に進出するためにはぜひとも1位抜けしてもらいたいし、チームの方々もそう考えているだろう。2位抜けだとおそらく強豪中国とあたることになるだろうし、3位で準々決勝に進出した場合も強豪アルゼンチンとの対戦が予想されるのだ。
日本戦の直前に行われるモロッコ対パラグアイの結果によっては、引き分けでも1位抜けの場合も考えられる。
いずれにせよチーム全員が同じ方向を向いた戦い方をすべきだろうし。そういったことができるチームになっているように思える。
グループリーグ第3戦のフランス戦は決勝トーナメント進出をかけた戦いというよりは、ベスト4進出に向けての戦いになるだろうし、なるべきであろう。
グループAの現在の順位は1位日本勝ち点4、2位パラグアイ勝ち点3.3位モロッコ勝ち点2.4位フランス勝ち点1。日本代表第3戦のキックオフは19日水曜19時30分、対戦相手はフランス。
会場には。手話通訳者や介助者が常駐。そういった人が必要な方々も安心してお出かけください。
全体に偉そうな書き方になってしまったかもしれません。ブラインドサッカーをずっと見続けているわけではないのですが、とびとびには、わりと長年観ています。そういった観点から勝手に書き記しています。
ところで試合はサッカー好きな手話通訳者の方と観戦。試合終了後は観戦に来ていたデフフットサル女子日本代表監督、デフフットサルの女子プレーヤー、その難聴の友人とも含めてお食事しながらおしゃべり。手話と口話で。見えない世界から、聴こえない、聴こえにくい世界へ移行したわけです。
ちなみにデフフットサルの世界大会は来年11月タイで開催予定。その大会に向けてチーム強化中。
また、ろう者サッカー男子日本代表は、デフサッカーの世界選手権大会アジア予選でイラン滞在中。20日木曜日から試合が始まります。