京都大原紫葉工房便り

京都洛北・大原の里のしば漬屋から、毎日!情報発信。

兵隊やくざ、見ましたよ。

2007-04-13 20:35:42 | 妻!日記
 今日が、先日借りたビデオの返却期限。
 昨日になって、それを思い出し、あわてて「兵隊やくざ」を見ました。

 ビデオ一本170円。
 それを無駄にするのと、徹夜して見て、翌日の寝不足を我慢すること。
 天秤にかけることになりましたが。
 ブログで、こうも公言した以上は、見ないとなんだか恥ずかしい・・・
 ので、頑張って、夜中に起きて見ました。

 だから、今日は、起きるの、ムチャクチャしんどかったです。
 週末でしたしね。
 子達の新学期生活に付き合い、こちらのほうがくたくたになっていたのですが。
 それでも、見ました。




 今朝、3時ごろ起きて、約一時間半の映画を見て・・・
 目覚ましがなるまで、布団の中で仮眠。
 やはり、一度で起きれなかったので、ゆっくり起きてから、弁当作り。
 長男を送り出してから。
 横断歩道の旗振りに行く・・・
 それから、次男を園バスに乗せ。
 銀行回りのお出かけをしました。

 しんどかったです。

 でもね。

 見た価値、ありました。
 7年ぶりくらいに見ましたが。
 やっぱり良かったです。
 見ごたえのある作品でした。

 全てが良かった・・・
 せりふのひとつ、ひとつも、全て良かったです。
 構成もしっかりしており、製作陣が何を伝えようとしていたかが、ひしひしと伝わってくる映画です。

 現代人としては、当時の戦局や軍隊事情を知らなければ、ちんぷんかんぷん!な所もありますが。
 もう一度、そこら辺を復習してから見ると、また違った角度から味わうことの出来る、非常に奥の深い映画であります。

 勝新ばりの単なるバイオレンス?映画でもなく、かといって、娯楽映画というわけでもない・・・
 おそらく、製作陣(インテリ層)が戦時中、兵役で感じたことの、回顧録としての意味・役割をもっていたのではなかろうか、と私は思うのです。
 戦友としての観客たちと共有する思い・・・
 はるか遠い地に散っていった者たちへの鎮魂歌か・・・
 現代人の私としては、どこまでそれを思い図ることができるのかなあ、と思います。
 

 (簡単な、兵隊やくざのストーリー)

 太平洋戦争も末期に近い頃(ガダルカナル撤退以後)の、満州の陸軍歩兵の兵営。
 ここは、いわば陸の孤島で、一本の大陸鉄道でのみつながっている、軍隊という名の監獄なのであった。
 暴力と不可解な上下関係が横行し、まともな精神状態では生きてゆけない。
 逃げ出せば、軍法会議・銃殺。
 うまく逃げても、狼に食われるか、凍死・飢え死にを免れない。 

 そんな境遇に、主人公、有田上等兵(田村高広演じる)は居た。
 彼は、三年兵。(軍隊では、階級よりも、くさいメシ何年食ってるかがモノを言うらしい。)
 (多分学徒出陣出身か何か)インテリ層で、階級試験さえ通れば、将校にもなれる境遇であったが、軍隊嫌いの性分で、わざとグータラを演じ、あと一年での除隊を楽しみにしていた。
 
 そこに、札付きのワルで、周りが手を焼いている初年兵・大宮二等兵(勝新太郎演じる)が配属されてきた。
 ヤクザの用心棒であった彼には、上官の往復ビンタの制裁も全く効き目がない。
 暴力は理知で制せよ、とばかり、インテリな有田上等兵が破天荒・大宮を指導するよう、上官命令が下された。

 有田・大宮コンビの誕生である。
 有田は、大宮に対して、怒らない、暴力・制裁を加えない。
 大宮の存在そのものを受け入れる・・・
 そんな、現代の子育て談義にも通じるようなやり方で、彼は、大宮の信頼を得た。

 大宮自身も、破天荒な人間ではあったが、権力に媚びず、人間そのものを直視しようという素直さがあった。
 どこか通じるものを感じて、意気投合する二人であった。

 軍隊とは、絶対的な上下関係のあるところであったが、かつおかしな常識の存在するところでもあった。
 有田が、その矛盾を用いて、うまく問題解決していくシーンは、なかなか爽快です。
 
 まあ、屁理屈ぬきとして・・・
 田村高広さんの・・・
 すっごい、男前なこと。(若かりしころね・・・)
 インテリで、男前。
 それが、一番の目あて、だったりします・・・