おじいちゃんの小さな疑問集(旧:おもりぽ)

「おじいちゃんがふと抱いた小さな疑問」を、載せさせていただきます。答えや共感や異論があればぜひコメントを!

片田舎町内会リポート.17

2007年03月19日 | Weblog
【リポート17.妖怪おばばの陰謀ーその③】
 そんな状況で、次年度役員決めは終了。次回は数週間後に、年度末の総会用の資料作成のため、公民館に集まってくださいという周知を受け、解散となりました。帰りがけに、黒眼鏡さんと彼にイベント担当に替わってもらった若旦那奥さんが歩いているのをみかけたので、「替わってあげられなくてごめんなさい。ぼくも春先特に忙しい事情があるもので」と、お詫びをしておきました。

 妖怪の攻撃を受け、ボーッとした頭に衝撃を受けつつ、幸運にも難を逃れた会合の後にすべきことは、2つありました。ひとつは次の班長の名前を、現在の書記の役員に報告すること。もうひとつは、支度をして仕事場に向かうことです。1つめについては、家にもどる前に確認を済ませられるだろうと考えていました。今朝ぼくに問いかけても、ろくな返事を得られなかったためか、次の班長となるお宅(以降、次班長)の奥さんが、ぼくの前代の班長の奥さんに、事情をヒアリングしていた様子なのを思い出したからです。

 ひとまず次班長の家の玄関で呼び鈴を押してみましたが、不在でした。すでに駐車場にはいつも通勤で使っている車がなく、公民館の掃除の後、仕事に向かったと推定できます。そこで前班長のお宅まで移動し、在宅だった奥さんに確認をしました。すると、「次班長の奥さんは、自分のところが次の班長との自覚があり、それで週末の土日にどの程度稼動を取られるのか聞かれた」との回答でした。そのコメントでひとまずぼくは、次班長の名前を書記の役員に報告してよかろうと判断し、そうしました。次班長本人には、夜に仕事場から電話して、念のための確認を取ることにして。

 ここでようやく、仕事場に向かうための支度です。時刻は正午近くなっていて、支度しながら軽く昼食を済ませることにしました。何とか調整をして午後出にさせてもらった時刻に間に合うように、家を出る時間を気にしながら…。そうしているところに、家の電話が鳴りました。ぼくは誰だろうと思うこともせず、無防備に電話に出ます。電話の主は何と、妖怪おばばでした。「あのですね観月さん、あの後、区の役員に当たった方が、やはり無理だと言うんですね。そこで私、こういう提案をしたんですね。じゃあ、区の役員を私が替わってあげるから、私の書記を観月さんにお願いしたいって!」。のっけから妖怪声で、核心の話題を振ってきます。

 無防備なぼくは、最初何のことか飲み込めず、「はあ?」と聞き返します。「ですので、私の書記を何としても観月さんにお願いしたいんです。わたしは、区の役員をやってあげることにしたわけです。土日は仕事の関係上、書記は無理なんです。お願いできますよねっ」とたたみかけて迫ってきます。ようやく妖怪の話の内容を理解したぼくは、「でもこちらも事情があって、自治会行事が忙しいと思われる春先は、特に仕事が忙しいので、安請けあいをして迷惑をかけてもいけませんので」と、抵抗しました。

 妖怪おばばはこれに対して、「ええ、春先は私やB班の班長(若旦那奥さんのこと)が、観月さんを補助しますから。B班の班長さんとも、そう話してますから。大丈夫。お願いできますねっ」と、抵抗を許しません。妖怪の頭の中は、すっかりぼくが書記ということで決めつけ、固まっているわけです。それにも増して恐ろしいのは、<春先忙しい>というぼくの事情を事前に情報収集して、その理由での抵抗を潰す準備をしたうえで、追い込もうと迫ってきていることです。

 おそらくは、ぼくが若旦那奥さんに、「春先忙しい事情もあり、替わってあげられなくてスイマセン」とフォローしたのを密かに聞いていた。あるいは、若旦那奥さんに書記を押し付けようとして失敗。その際、次にぼくに押し付けるにあたって情報を聞きだし、それを潰すための策を持って、迫ってきているという背景だと思われます。頭のどこか遠くで、「こいつの身勝手さと、それを貫くための周到さにはきっと負けるな…」と微かに意識しつつ、なおも抵抗を試みます。

 「補助というより、春先はあなたが主でやってもらって、こちらが補助という状況でもいいんですか?」「ええ、B班班長さんは、手伝うと言ってくれてますし」と、これに対しては自分ではなく、他人を主体にした返事を、おそらくは意識して返してきます。ぼくは、妖怪の小賢しさにはかなわないという思い。それと、2年間に及ぶ区の役員をやると言っていること。さらにはこの電話で押し問答してると、調整した仕事の時間に遅れてしまう。これらのことから、「じゃあしょうがないですね。今から仕事に出なくてはいけないんで」と、結んでしまったわけです。

 妖怪は、「あらすいませんね。じゃあ補助しますんでよろしくお願いします」と、嬉々として電話を切りました。ぼくの完敗であります。仕事に向かう道々、ぼくは腹立たしさと敗北感で、とても苛立った気分になっていました。会長は口髭さんが引き受けたし、副会長は黒眼鏡さんがやることから、書記役をぼくがすることには、結局は誰かがやらなくてはいけないわけだし、実はそれほどに大きな抵抗感は、ないのだと思われます。

 なのにとても苛立つ原因は、いくつかあるようです。まず、抽選をしてから不都合を申告して調整する順番って、どうなんだ?ということ。どうしてもできない事情をみんなが認めてから、それ以外の人で抽選をし、抽選後は文句を言わずやるのが公平性では、という思い。次に、役に当った当人が、会合終了後に電話をして個別に交渉するやり方は、どうなんだ?ということ。現在は役員でもない立場で、誰か特定の人(獲物)に当りをつけ、しかも自分の不都合を振り回すのは、これも極めて公平性を欠く、という思い。それから、妖怪の「補助します」は口先だけであることが、火を見るより明らかだということ。こられの思いが苛立ちの主要因かと…。

 この日の夜は、仕事場から夜9時半過ぎに次班長宅に電話をし、奥さんに次の班長を引き受けていただく確認をとりました。次班長の奥さんは土日も仕事のご主人を送り届け、その後自分も仕事であるとのこと。しかし順番である以上、会社をクビにならない程度に、何とか対応していくつもりとのことでした。「数年後だと退職していて、助かるのに」と愚痴っていました。夫婦でお店経営とかではなく、すくなくとも奥さんはお勤めだったのですね。ぼくは到底「カバーしますよ」とは、応えられない状況です。そんなこんなでこの日の日曜は、憤りの感情を背景に、深夜に及ぶ仕事に突入していったわけです。

 この日から数日後、会長より家に電話があったそうです。その主旨は、「妖怪より、あなたが書記役を代わって引き受けてくれるという連絡があった。それをもとに、総会の次期役員の資料を作成中。ついてはくれぐれも来期の書記役を頼む。結局は誰かがやらなければいけないことなので」、という内容だったとのこと…。こうしてぼくは妖怪おばばの陰謀により、抽選の結果とはまったく無関係に、来年度の書記役をやることになりました。重責にならないよう、ひたすら静かにしていた努力も、無駄に終わってしまったわけです…トホホ。

 しかし、妖怪に陥れられて、落ち込んでばかりいるわけにもいきません。1年分で終わりにしようと思っていたこの「片田舎町内会リポート」を、継続させていただくことにします。2年目も同じことの繰り返しだから、1年で十分と考えていたのですが、次期は書記役となると、話は違ってきますよね!1年間、自治会自体を回していかなくてはいけない立場なわけです。きっと班長時代には解らない苦労や理不尽、腹の立つことや馬鹿げたことや、何より笑えることがたくさんあるはず。19年度はできるだけ、会合やイベントの度ごとに、リポートしていきたいと思います。今後町内会やマンション、団地の役員なんぞにさせられちゃう方には、一層役に立つはずですので、よろしくお願い申し上げますっ!

 先日、総会用の資料作成のため招集があり、資料を作成して参りました。H19年度役員の記述を見ると、妖怪おばばは上位の区の役員であるはずが、ちゃっかりと催事担当の役員と記述されていました!ジャンジャン。見事な手腕です。
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 3月の総会でH18年度片田舎町内会の活動は締めくくり。次回<H18年度総会>に、つづく…。いよいよH19年度書記役の引継ぎです(望んでないけど)。

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