日々雑感

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淫するo

2021年06月14日 | Weblog
小林亜星さんが亡くなった。88才

レナウンのわんさ娘や 日立の宣伝音楽 この木何の木など8000曲を作られたそうな。

僕は「北の宿から」 が一番好きだ。あの巨体にこんな叙情性をいつも隠し持っていた。

いや彼の著書には叙情性の大切さがきわめて強く主張されている。

極めつきは、真の作曲家になろうとすれば音楽に淫することだという主張だ。

作曲だけなくどの世界でも通じる、コノフレーズは今も僕の胸にはたたんである。

おそらく仏教用語では三昧というのだろう。僕は入我入我だととらえている。

作曲家の中でコノレベルの話が出来るのはおそらく亜星さんくらいだろう。

物事の本質をとらえて発言する、彼には尊敬の念を持っていた。

僕から見れば自由奔放で型破りの性格で、よくもまあ、あんな美しいメロデイがかけるものだと驚きで彼を見ていた。

彼は歌の本質を時どき単文であちこちに書いていた作曲家だ。いつも歌について考え続けていたのだろう

もちろん彼の書いたものは殆ど読んだ、1996年発売の「亜星流」にはどれだけ赤線が引いてあるか。歌の本質はここに書き尽くされていると思う。

詞に叙情性がなくなると、おそらく美しいメロデイは生まれなくなるだろう。

曲作りにはメロデーこそ一番大切なものだ

魂を使わず左脳や技術だけで歌を作っても感心はするが感動は与えない。

現代の歌を聴いていると彼の指摘はずばりあたっている

全く同感だ。

夢の中で作曲をしてしまう奇才作曲家

また一人、貴重な音楽家をなくした日本の音楽界

ご冥福をお祈りします。