kebaneco日記

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初春の京都旅 2日目

2023年03月07日 | 旅行記&その他
二日目はホテルをチェックアウトして、京都駅まで荷物を送る手続きを済ませたら、近くにある地元資本のカフェで朝ごはんを食べてから地下鉄を乗り継いで醍醐駅へ。醍醐寺はそこから徒歩10分くらい。最初の予約は10:00-10:30の間に理性院に到着し、その後11:00-11:30の間に三宝院に入る予定だったけど、なんだか早く起きちゃったこともあり9時半には醍醐寺に着いてしまった。拝観受付の女性が「予約時刻にこだわる必要はありませんよ、理性院は10時からしかやっていませんが、三宝院はもう開いていますからそちらから行かれたらどうですか」とアドバイスをくださった。「ならば」ということでまず三宝院へ。
 
 
京都観光オフィシャルサイトの情報では、理源大師聖宝が開いた真言宗醍醐派総本山で、世界文化遺産。三宝院は歴代座主が居住する「本坊」で、表書院(国宝)から望む庭園(特別名勝・特別史跡)は、代々天下人が所持した名石「藤戸石」をはじめ豪壮な石組と刈込が見事な、桃山時代を代表する池泉式庭園である。期間中は、快慶作の優美な弥勒菩薩坐像を安置する弥勒堂(重文)の特別公開や、豊臣秀吉から贈られた「金の天目茶碗と天目台」など寺宝展示もみどころ。と、今回の特別公開を説明している。
 
 
 
まず目を奪われるのは国宝の唐門


 
葵祭の風景を描いた葵の間から秋草の間、勅使の魔と続く
 

 
そこは竹林花鳥図など長谷川等伯一派の絵で埋め尽くされている
 

 
表書院前の枯山水の賀茂の三石、左から徐々に流れが緩やかになる様子を描く






 
枯山水と回遊式庭園が合体した庭、舟あそびもできたという
 

 
書院の隣の純浄観の下通って



舟で庭から茶室の松月亭に行けるという設計
 
 
表書院の傍に説明員の女性が佇んでおられ「なにかわからないことがあったら聞いてくださいね」。で賀茂の三石の一番左の石に年輪のような模様があったので、あれは木を石に見立てたものなのか本物の石なのかという失礼なことを聞いたところ(苦笑)、そこからパンフレットにはない「舟遊びができた」とか「秀吉が秋の庭として構想して図面まで残していた」とか「秀吉は完成を見ずに亡くなった」などたくさん説明してくださり、充実した拝観となった。気づいたらそんなに広くはない場所に、1時間くらい滞在していた。説明員さんありがたや。
 
 
というわけで、次の理性院。同じく説明によると、醍醐寺の塔頭寺院で別格本山。本堂内の中央の厨子には80年に一度のみ御開帳される秘仏・太元帥明王像(非公開)が祀られており、向かって右手には平安時代後期の一木造の「不動明王坐像」(重文)、左手には鎌倉時代作の毘沙門天立像を安置する。客殿「上段の間」には、江戸初期の絵師・狩野探幽18歳の頃の作とされる「水墨山水図」が残る。現存する数少ない探幽十代の頃の障壁画として、その画風を知るうえで貴重な絵画である。とのこと。
 
 
 

これがその探幽18歳の時の作、壁に貼った和紙に描かれてた障壁画
 
 
予約の有無は関係ないとは言われたものの、一応10:30までに入る約束にしていたので少々急いだ。なので門や庭を見る前にまず客殿へ向かった。その後本堂の不動明王坐像と毘沙門天立像を拝見した。
 

 
改めて見ると、入り口はコンパクト


 
門を入って正面には千体地蔵、日頃はここまでしか拝見できないらしい
 

 
両脇には猿の地蔵


 
山門傍に見どころの写真と特別公開のご案内
 

 
別格なのざます(三宝院、金剛王院、無量寿院、報恩院とならぶ五門跡だそう)
 
 
受付の方から伽藍もご覧になってはいかがですか、とご提案いただき仁王門の向こうのエリアにも行ってみることにした。そもそも醍醐寺は総門から標高450メートルの醍醐山の山頂まで全てが世界遺産醍醐寺の寺域で、下醍醐と上醍醐に分かれている巨大なお寺。総門から仁王門までのエリアの左側に三宝院がありそのさらに左に理性院、仁王門から北のエリア、無量寿庵までを伽藍エリア、その先は上醍醐といい、ほとんど山歩き状態のエリアのようだ。当然我らは、上醍醐まで行くなんてあり得ない(笑)。
 

 
秀頼が再建した仁王門
 


秀吉の命で紀州から移された金堂、本尊は薬師如来
 


醍醐天皇の菩提を弔うために朱雀天皇が起工した五重塔
 
 
この五重塔は京都府下最古の木造建築物だという、951年村上天皇の時代に完成したという。相輪が全体の高さの1/3を占める安定感のある造形、とあった。木組みの美しさに目を奪われる。さらにじゃり道を登っていくと
 
 
 
日月門があらわれる、そこをさらに進むと
 

 
林泉とその先の弁天堂
 
 
この先は上醍醐登山口となる、下醍醐の限界地点に近い場所。軟弱観光客の我々はここで再び総門を目指して戻ることにした、いい感じにお腹も空いてきたのでね。醍醐寺の敷地内には何箇所か食事をする場所があるので、どこかでご飯を食べられればいいな、と思っていた。次は清水寺に14:00の予定だったのでそこまでいくとチョイスもあるかもしれないけど観光客も多いだろうから。が、醍醐寺は敷地が広くて観光客がまばらに思えただけで、フレンチは予約で満席、茶屋には「お待ちいただきます」と言われてしまった。しかたないので、醍醐駅のモールでご飯を食べた。清水まで行ってランチ難民になるよりは何倍もよかったけど、トンカツ定食。揚げたてで美味しかったしキャベツおかわりしちゃったからいっか(笑)。
 
 
醍醐駅からは地下鉄東西線で東山まで行き、そこからぶらぶら散策しようと主人の提案。京都に6年住んだ人の言うことは大人しく聞いておこうと「じゃあそれで」。天気も良くコートもいらないくらいの陽気になった。
 
 
 
知恩院さんの前を素通りし
 
 
ぶらぶら散歩気分で歩いて清水寺に近づくにつれ、どんどん観光客が多くなってきた。やっぱり清水寺って定番だよなぁと実感。着物を着た外国人観光客も多く、最近の流行りなのかレースのハイネック・長袖のブラウスの上から着物を着ている(多分長襦袢の代わり?)姿を多く見かけた。なかには新婚旅行なんだろうなぁと思うような色のトーンが同じ着物を着た二人連れ、女性はしっかり髪をセットして、という姿など、大きな団体じゃない旅行客が多い今のような状態が好ましいなぁと思ったりした。予想していた通り清水に向かう坂道は観光客でごった返していた。
 

 
仁王門


 
今回最後の特別公開、清水寺成就院
 
 
京都観光オフィシャルサイトでは、「清水の舞台」で知られる世界文化遺産・清水寺の塔頭(たっちゅう)寺院。江戸初期を代表する庭園「月の庭」(名勝)は、古来より月光に照らされた美しさを称えられ「雪月花の三庭苑」の一つに数えられた。高台寺山を借景に、豊臣秀吉寄進の「誰が袖手水鉢」や「烏帽子石」などが見事な庭園美を構成する。とある。ここも説明員さんの説明が素晴らしく、「清水寺のご本尊十一面千手観音様は、他の千手観音様と違って両腕を上に上げておられるのです、本堂に行かれたらぜひあがられてご覧になってください、秘仏なので逗子の前には御前立仏ですけどね」という一言で、舞台のことしか考えてなかったけど、本堂に上がってちゃんとお参りしようと思えた。清水寺は音羽山なので、浅からぬ縁を感じる場所だけに、そうやって今までと違うお参りの仕方を教わることができてよかった。
 


舞台は相変わらず大人気
 
 
舞台から京都の街並みを見下ろす人たち、そこから離れて舞台を一番いい角度から撮影しようとする人たち、でごった返していた。あたしたちは、主人がスマホで二人を自撮りで収めようとしてた時に、あたしたちが終わるのを待っていた若い男女を発見。「撮ってくださいますか?」とお願いしたところ、女性の方が「たくさん撮っちゃいますね〜」といっぱい撮ってくれた。そのお返しに、と主人もたくさん撮ってあげて、なんだかちょっと楽しいアクセントとなった。
 

 
敷地内には舌切茶屋と忠僕茶屋の2件の茶屋がある
 
 
これも説明員さんから、安政の大獄で成就院執事だった近藤正慎が、討幕運動に身を投じた月照上人と信海上人の行方を問われて、朦朧とする意識の中うっかり口を破ることを恐れて舌を噛み切って自害した、その功を讃えて残された家族が生活できるようにと寺が敷地内で茶屋を営むことを許した、その茶屋が「舌切茶屋」とのこと。ちなみに俳優の近藤正臣はこの正慎のひ孫だとのこと。忠僕茶屋もストーリーは同様(だったと思う;苦笑)。あたしは、ベネツィアンレースの担い手が、海で夫を亡くした未亡人たちだったってどこかで聞いたのを思い出した。
 
 
というわけで、清水寺拝観を終えて清水坂よりは混雑していないであろう茶わん坂を降り、バスで三十三間堂近くに来た。夕食は18時に京都駅の上のレストランを予約していたので、2時間くらい余裕ができた。ここで養源院に行きたいと思って門の前まできて目にしたのは、なんと、臨時のお休みをいただいていると言う張り紙。というわけで、目と鼻の先(三十三間堂のお向かい)の京都国立博物館に行くことにした。
 
 

一際人目を引く明治古都館
 

 
片山東熊の設計
 
 
三角形の破風の部分に仏教世界の芸術を司る神様のレリーフ、バロック様式の煉瓦造りはヨーロッパの香り、和魂洋才が作った和洋折衷。現在免震改修のための計画づくりの最中のため、残念ながら閉館中。
 
 
偶然あたしたちが行った日が、京都らしい仏像を集めて展示していた平常展示の最終日だったようだ。仏像の顔が真ん中でぱっかり割れて、中から菩薩面があらわれるという木造宝誌立像の前に立った時には、そのあまりの異様さに一瞬怯んだ。ただ、以外にも二日間お寺だけを訪れた京都旅にふさわしい、仏像が数多く展示されていて、そのお姿を静かにゆっくり拝見しながら、今回もいい旅ができたなぁと言う思いで満たされるのを感じた。
 


展示されていたのは、この平成知新館
 
 
法隆寺宝物館など、多くの美術館の設計を手掛けた谷口吉生氏による美しい空間。東博と同じくお庭に考える人(笑)。ショップでとらりんグッズ(京博への寄付にもなる)などを物色し、カフェで一服してから徒歩で駅に向かった。この日は歩きも歩いたり、25,000歩であった。
 
 

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4 コメント

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お疲れ様 ()
2023-03-07 05:18:55
1日で25000歩良き運動してはる。
各寺院の御利益を頂戴し、人生100年間違いなしだ。奈良と違って京都は軒並みのご拝観が出来るので、お疲れはかなり軽減されるかもね❔
しかし周りに回り、私も拝観していないお寺さんもあり、画像と資料語りの文面拝読し、京都巡りをさせていただきました。
おつかれさまです・・ありがとう
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京都 (よう)
2023-03-07 07:01:32
なんといっても 何度でも行きたい観光地は
京都が日本一ですよね。
ふらっと 一人で行ってみたくなりました。
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鮎さま (keba)
2023-03-07 21:58:16
かなり歩きました、おかげで帰りの新幹線では爆睡(苦笑)。
地元の人の方が地元の素晴らしいものに無頓着ですよね、
いらしたことのない場所をご紹介できてよかった。

また行きたいと思います
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ようさま (keba)
2023-03-07 22:00:05
あたしの知り合いに、平日にふらっと京都に日帰り旅に出る人がいます。
例えば、御室櫻の見頃の頃にふらりと。
葉様のところからだって、新幹線に乗れば近いですよね
ぜひいらしてみてください、いいですよ〜
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