野のアザミ

日頃感じたこと、思ったこと事などを書きとめておきます。

堀尾貞治さんのこと

2017-02-17 | ギャラリー

現代美術作家・堀尾貞治さんの制作風景をみたのは確か3回。1回目はずっと以前。電球とくねくねした針金が記憶にある。その時だったと記憶するが、私の顔も素早くドローイングして、プレゼントしてくれた。
2回目は、宮日開館1階ロビーでのパフォーマンス。これもずっと以前。印刷前の長い新聞ロール紙だったと思うが、それが床に広げられ、その上に宮崎の現代美術作家・藤野忠利さん(現代っ子センター主宰)と2人で、墨をつけた石ころをコロコロ。あれよあれよと言う間に作品が出来上がった。
3回目は宮崎県高鍋町にある高鍋美術館多目的ホール。時は、2013年10月31日。主催は、現代っ子センター。この時のテーマは、「なんでもないこと」たのしい遊び場。
会場の多目的ホールは、講演などにも使われるたりもする小さな体育館ほどの広さだった。その床いっぱいにブルーシートが広げられ、その上に様々な形のキャンバス等がところ狭しと並べられていた。既に黄色やオレンジに塗られていたキャンバスも。最初は、壁に貼られた紙にコンテのよなもので壁のフロタージュ。そしてバックグランドミュージックの中、調合済み絵の具の缶を片手に、刷毛でキャンバスにたたきつけたり脚立の上からそのまま絵の具をたらしたり・・・。またキャンバスの端っこにチューブから出された絵の具をローラーで伸ばしたり、ボンドをたらしたり・・・。こうして沢山の作品が出来上がった。
堀尾貞治さんは戦後日本美術界をリードした美術集団のひとつ「具体美術」に参加された方だ。「具体美術」は1972年に解散しているが、その意思は今も氏などに受け継がれているのだろう。氏らの制作風景に出会うと、既成概念という殻がひとつひとつ剥がされていくのを感じる。地方では、現代美術作家の公開制作に恵まれることは少ないが、地域美術館も積極的に企画・紹介されるべきだと思う。
帰り際、うれしいことに2014年の干支「午」をいただいた。手のひらに乗るほどの馬の頭部の作品だ。



いただいた干支「午」