◇第4問目と5問目の出題の定番は、一般構造「採光・換気・階段・天井高・建築設備等」の規定です。
◇図形問題については「採光⇒R2、H29 天井高⇒R4、H30 ホルム対策換気⇒R5、R1」の出題です。
◇3分野で交互に、ほぼ毎年のように図形問題の出題があることに注意が必要かと思います。
◇まずは採光規定から整理し、次回以降に「換気・階段・天井高・建築設備等」を整理していきます。
◇一般構造規定①:採光規定についての過去8年分の出題傾向を整理すると、
・ほぼ一年おきに出題されている・・・今年は当たり年かも???
・この8年の文章問題での出題の場合、出題された2回とも、正答での出題になっています。
(1)「R4」⇒公園に面する場合の採光有効面積の計算規定:令20条2項一号後段
(2)「H30」⇒川に面する場合の採光有効面積の計算規定:令20条2項一号後段
・同じく、この8年の採光計算の図形問題での出題は、2回。
(1)「R2」「H19」⇒隣地境界線から後退しなければならない最小限度の距離を求める問題。
(2)「H29」⇒オーソドックス(条文の手順通り)に、採光有効面積を求める問題。
・なお、昨年の一級建築士試験で、図形問題(H22二級の類似問題)が出題されています。
・出題スパンを勘案し、今年の採光規定の出題傾向を推察すると、図形問題かも???
◇一般構造規定②:必要採光有効面積の算定の基本(法28条1項、令20条1項、令19条2項、同3項)
・必要とする採光有効面積の規定(法28条)=政令で定める居室床面積×政令で定める割合以上とする。
⇒政令で定める居室は、令19条2項で規定している。
⇒政令で定める割合は、令19条3項の表で規定している。
・採光有効面積の算定方法(令20条1項)=居室の開口部面積×採光補正係数(λ)
・採光補正係数(λ)の算定方法(同2項)=採光関係比率(D/H)×6-1.4(第一種低層住居専用地域)
・採光関係比率(D/H)=開口部直上部分から隣地境界線までの水平距離÷居室開口部中心までの距離
・用途地域ごとに異なる、採光補正係数(λ)の算定方法(令20条2項)
一号 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、etc.
⇒(λ)=(D/H)×6-1.4
二号 準工業地域、工業地域又は工業専用地域
⇒(λ)=(D/H)×8-1
三号 近隣商業地域、商業地域又は用途地域の指定のない区域
⇒(λ)=(D/H)×10-1
・採光補正係数(λ)の計算の補足事項
(1)令20条2項一号後段:公園・広場・川等の幅の1/2外側とする
(2)令20条2項カッコ書:90㎝以上の縁側の場合は、算定値×0.7
(採光有効面積=開口部面積×採光補正係数×0.7)
(3)令20条2項カッコ書き:天窓の場合は算定値×3
(4)令20条2項ただし書き:採光補正係数は「3」を限度とする
◇一般構造規定③:採光規定の図形問題で出題パターンは「4つ」
(1)オーソドックス(条文の手順通り)に、採光有効面積を求める問題。
令20条1項:採光有効面積=開口部面積×採光補正係数
(2)採光補正係数算定で、補足事項(上記参照)の条件を加えて、採光有効面積を求める問題。
令20条2項一号後段:公園・広場・川等の幅の1/2外側とする
(3)「居室の採光」の規定に適合する当該居室の床面積の最大値を求める問題。
(4) 隣地境界線から後退しなければならない最小限度の距離を求める問題。
R2年とH19年に出題されていて、対面講座の指導経験から、受講生の弱点部分です。
ちなみに、昨年(R5年)の一級建築士、H22年の二級建築士の問題は、段差のある図形問題でした。
2024年2月11日 by SHRS(シュルズ) 一級建築士、建築基準適合判定