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SHRSの二級建築士受験講座「建築法規」2024年度 ②

2024-02-04 08:51:31 | ビジネス・教育学習

◇第1問目の続きの「高さ・面積計算」ですが、二級建築士試験の単独出題としては図形問題が定番です。
◇しかし、第3章に規定する集団規定の問題と関連する重要事項であることにも注意です。
◇昨年(令和5年度)の二級建築士試験問題では、定番通り「図形問題」での出題でしたが・・・。
◇「No.16」の容積率の問題の処で、容積率計算の延べ面積控除項目として出題されています。
◇整理すると「敷地面積、面積計算、高さ計算の適用と控除事項、面積計算の控除事項の4項目ですが・・・。
◇「建築物の高さ」計算における「地盤面」の定義は、重要事項として加え、5項目としました。
◇ついでに、建築物の「階数」の規定の控除事項にも注意です。
◇一級建築士試験では、図形問題での出題もありましたが、毎年、主に文章問題での出題になっています。

◇高さ・面積・階数計算の計算①:敷地面積(令2条1項一号)
 ・建築基準法には「1敷地1建築物(令1条一号)」という原則に基づいて算定するのが基本です。
 ・敷地面積の算定は、敷地の水平投影面積によります。
 ・ただし、法42条第2項の規定により、道路の境界線とみなされる線との間部分は算入しない。
  ⇒反対側が宅地の場合には、道路の中心線から、それぞれ2m後退した位置をみなし境界線とする。
  ⇒川や線路敷地の場合には、その境界線から4m後退した位置をみなし境界線とする。
[注意事項]みなし境界線の規定は、敷地面積計算により影響する建蔽率、容積率計算への注意が必要。
    特に、斜線制限の計算要素として組み込まれた試験問題で、正答率が低いことに注意する。

◇高さ・面積・階数計算②:建築面積(令2条1項二号)
 ・外壁又は柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積。
 ・建築物の地階で地盤面上1m以下にある部分は算入しない。
 ・軒、庇、はね出し縁等で1m以上突き出たものは、1m以下の部分を除く(1m分控除できる)。

◇高さ・面積・階数計算③:地盤面(令2条2項)
 ・建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面を地盤面という。
 ・建築物が周囲の地面と接する位置の高低差が3mを超える場合、その高低差3m以内ごとの平均の高さにおける水平面を地盤面とする。
   (高低差が3mを超える敷地には、2つの地盤面が存在することなる)。
 ・ただし、日影規制の計算のおける「平均地盤面」と、異なる定義になっていることに注意する。
 ・斜線制限等の集団規定における試験問題において、算定途中では道路中心線から高さで算定するが、結果的に求める建築物の高さの基準線は、地盤面である。

◇高さ・面積・階数計算④:建築物の高さ計算における適用範囲と控除事項(令2条1項六号イ&ロ)
 ・階段室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する建築物の屋上部分の水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の1/8以内の場合においては、原則、
  当該建築物の高さに算入しない。
 ・建築物の高さは、原則、地盤面からの高さによるが、法第56条第1項第一号(道路斜線制限)の規定等においては、前面道路の路面の中心からの高さによる。
 ・高さ算定で「法第56条第1項第三号(北側斜線制限規定)に規定する高さを算定する場合は除く」としているので、北側斜線制限は絶対遵守の高さ制限規定となる。
 ・また、棟飾、防火壁の屋上突出部その他これらに類する屋上突出物は、高さに算入しない。
 ・なお、一級建築士試験の最近の傾向で、「法第33条(避雷設備の高さ)を算定する場合は除く」という規定の出題が続いていることに、二級では出ないと思うけど、チ  
  ョットだけ注意です。

◇高さ・面積・階数計算⑤:延べ面積の控除(令2条1項四号&同3項&法52条3項&同6項)
 ・床面積は、建築物の各階又はその一部で壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積。
 ・延べ面積は、建築物の各階の床面積の合計であり、原則、控除する規定はない。
 ・ただし、法52条1項(容積率の規定) における延べ面積に算入しない建築物の部分がある。
   令2条3項一号:自動車車庫等部分・・ 1/5
   令2条3項二号:備蓄倉庫部分・・・・ 1/50
   令2条3項三号:蓄電池設置部分・・・ 1/50
   令2条3項四号:自動発電設設置部分・ 1/100
   令2条3項五号:貯水槽設置部分・・・ 1/100
   令2条3項六号:宅配ボックス・・・・ 1/100
 ・法52条3項と6項に規定する容積率算定における延べ面積に算入しない建築物の部分もある。
   法53条3項:住宅、老人ホーム、福祉ホーム等の天井が地盤面から1m以下にある地階部分の居室の床面積について、1/3を限度として、容積率算定用床面積控除が
        できる。
   法52条6項:「すべての建築物の昇降機の昇降路部分」と「共用廊下、階段部分に関しては、住宅及び老人ホーム等」を容積率算定用床面積控除ができる。

◇なお、5択の図形問題において出題される「建築物の階数(令2条1項八号)」の控除規定にも留意する必要がある。
   ⇒昇降機塔、装飾塔、物見塔その他これらに類する建築物の屋上部分、地階の倉庫、機械室その他これらに類する建築物の部分については、水平投影面積の合計
    が、建築面積の1/8以下のものは、階数に算入しないとしている。

2024年2月4日 by SHRS(シュルズ) 一級建築士、建築基準適合判定資格者
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