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◇一般構造「採光・換気・階段・天井高・建築設備等」の規定の続きです。
◇図形問題については「採光⇒R2、H29 天井高⇒R4、H30 ホルム対策換気⇒R5、R1」の出題です。
◇3分野で交互に、ほぼ毎年のように図形問題の出題があることに注意が必要かと思います。
◇今回は、「換気・階段・天井高・建築設備等」の規定を整理していきます。
◇一般構造規定④:天井高の計算(令21条1項、同2項)
・令21条1項:居室の天井の高さは、2.1m以上でなければならない。
・同2項:前項の天井の高さは、室の床面から測り、一室で天井の高さの異なる部分がある場合においては、その平均の高さによるものとする。
・この8年で文章問題として4回出題です。
・4回共に、居室ではない便所等の用途の天井高を問う問題で、正答出題ではありませんでした。
・天井高は居室に関する条項ですので、出題された問題では、2.1m以上とする必要はありません。
・天井高さ計算の図形計算問題では、2種類の計算方法の問題があります。
(1)「居室の断面積÷底辺」という、二次元的問題
(2)「居室の容積÷底面積」という、三次元的問題
(3)「R4」「H30」共に(2)の三次元的問題になっていますが、計算方法は子供の頃の算数の世界ですね!
◇一般構造規定⑤:階段形状の規制(令23条~令26条)
・令23条の表:要求する部分の階段・踊り場幅、蹴上、踏面寸法について、表を参照して回答します。
(1)項:小学校等の児童用
(2)項:中学校等の生徒用、1,500㎡を超える物品販売業の店舗用、劇場・映画館等の特殊建築物用
(3)項:床面積が200㎡を超える地上階、床面積が100㎡を超える地階
(4)項:(1)から(3)に掲げる以外のもの⇒床面積が200㎡以下の通常の住宅が対象
・令23条ただし書き(1):戸建て住宅の階段は、蹴上23㎝以下、踏面15㎝以上でも適法
・令23条ただし書き(2):屋外階段幅は、令120条、令121条規定の直通階段は90㎝以上で適法
その他の屋外階段幅は、60㎝以上で適法
・引っ掛かりやすい設問は、令25条の、両面側壁でも片側への手摺を要求していること
・実はこの8年間で、階段形状の問題は、正答での出題実績がないのですが、今後に注意です。
◇一般構造規定⑥:建築設備の技術的事項(令129条の2の3~令129条の2の5)
・防火区画貫通部分の措置(令129条の2の4第七号イ):1m以内の部分を不燃材料でつくる
・自然換気設備の給気口の技術的基準(令129条の2の5):給気口は居室の天井高の1/2以下の高さ
・「換気設備を設けるべく調理室」については、令20条の3第2項一号に技術的基準があります。
⇒給気口の位置は同じ、排気口は天井から下方80㎝以内の位置
・令20条の3に規定は、木造建築士試験で散見される条項です。
・ちなみに、昨年(R5年)の一級建築士試験では「令129条の2の4第1項七号ハ」から出題です。
◇一般構造規定⑦:火気使用室の換気設備設置の緩和(法28条3項、令20条の3)
・原則、台所等の火気使用室には、換気設備の設置が義務付けられている。
・ただし法28条3項かっこ書きで、換気設備を設けなくてもよい火気使用室が政令で定められている。
・令20条の3 法28条3項の規定により政令で定める室(換気設備を要しない火気使用室)
一 火を使用する設備又は器具で直接屋外から空気を取り入れ、かつ、廃ガスその他の生成物を
直接屋外に排出する構造を有するものその他室内の空気を汚染するおそれがないもの(以下この項及び次項において「密閉式燃焼器具等」という。)
以外の火を使用する設備又は器具を設けていない室
二 床面積の合計が100㎡以内の住宅又は住戸に設けられた調理室(発熱量の合計(密閉式燃焼器
具等又は煙突を設けた設備若しくは器具に係るものを除く。次号において同じ。)が12kW以下の火を使用する設備又は器具を設けたものに限る。)で、
当該調理室の床面積の1/10(0.8㎡未満のときは、0.8㎡とする。)以上の有効開口面積を有する窓その他の開口部を換気上有効に設けたもの
三 発熱量の合計が6kW以下の火を使用する設備又は器具を設けた室(調理室を除く。)で換気上
有効な開口部を設けたもの
◇一般構造規定⑧:ホルム対策の機械換気設備の必要有効換気量計算(令20条の8第1項一号イ)
Vr=nAh Vr:必要有効換気量
n:住宅の居室は0.5、その他の居室は0.3
A:居室の床面積
h:居室の天井の高さ
◇その他、法31条の「下水道法2条八号」に規定する処理区域内での、水洗便所以外を認めていない基準にも注意が必要!
2024年2月12日 by SHRS(シュルズ) 一級建築士、建築基準適合判定資格者