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2024年(R6年)木造建築士試験問題・振り返り解説 ⑤

2024-09-03 08:48:56 | ビジネス・教育学習
◇本年度(2024年)の木造建築士試験問題が公表されましたので、振り返り解説を記述させていただきます。
◇問題と正答表について、「財団法人建築技術教育普及センター」のホームページに公表されました。
◇公表された試験問題を参照しながら、本解説をご一読いただければと思います。

〔No.17〕延べ面積の最高限度を求める図形問題です。
正答 2
条件①(法52条2項):前面道路が12m未満の場合、道路容積率以下であることを要求。
         2つ以上の道路がある場合には最大幅で計算(広い道路幅で計算)。
         ⇒都市計画容積率(図に記載)と計算した道路容積率の厳しい方で算定する。
条件②(法52条2項一号、二号⇒住居系):道路幅に乗ずる係数は4/10
        同・三号(住居系以外):道路幅に乗ずる係数は6/10
条件③(法52条7項):各部分の敷地面積の割合に乗じて得たものを合計する(通称:面積加重平均)。
条件④(法52条9項):特定道路は、本問題では影響はないと定義されている。
条件⑤(令2条1項一号、法42条2項):指定道路があり、みなし道路境界線による敷地面積の減少
   (宅地との間の4m未満の道の場合、川の道路側から4mの位置がみなし道路境界線)
◇容積率算定
 ・第一種中高層住居専用:(道路容積率)6m×4/10=24/10>20/10(都市計画容積率)
 ・近隣商業地域:(道路容積率)6m×6/10=36/10<40/10(都市計画容積率)
◇第一種中高層住居専用地域の延べ面積の最高限度
  (4-2)×14×20/10=56㎡
◇近隣商業地域の延べ面積の最高限度
  8×14×36/10=403.2㎡
◇延べ面積(同法第 52条第1項に規定する容積率の算定の基礎となる延べ面積)の最高限度
  56+403.2=459.2㎡・・・「2」

〔No.18〕 A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度を求める図形問題です。
※ 設問は、計算式の図表から選択する問題ですが、ここでは手順を追って計算していきます。
正答 1
①道路斜線制限:法56条1項一号、法別表第3、法56条2項(建物後退による緩和)
 ・(に)欄より、第一種低層住居専用地域の斜線勾配:1.25
 ・(道路容積率)4×4/10=16/10 > 10/10 (都市計画容積率)
 ・法別表第3 (は)欄より、第一種低層住居専用地域(容積率20/10以下)の適用距離:20m
 ・建物後退による緩和(法56条2項):1m(東側)
  ・建築物の高さ(令2条1項六号):地盤面からの高さによる。
  ・東側道路斜線:(1+4+1)×1.25=7.5m
②隣地斜線制限:第一種低層住居専用地域への適用はない。
③北側斜線制限(第一種低層住居専用地域):2×1.25+5=7.50m
∴A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度:北側斜線制限の7.50m・・・「1」

〔No.19〕 防火地域又は準防火地域に関する誤っている記述を選択する問題です。
正答 3
1.正しい。法65条2項ただし書き:条文通り。
2.正しい。法64条:屋上に設けるものは、その高さに関係なく、主要な部分を不燃材料で造り、又は覆わなければならない。「又は高さ3mを超える」という文言は、屋上に設
 けるもの以外のものを指す。
3.誤り。法61条、令136条の2第三号:準防火地域内にある「地階を除く階数が2以下」で、「延べ面積が500㎡以下」の「木造建築物」は、主要構造部について準耐火性能を有
 するものとする必要はなく、外壁及び軒裏の延焼の恐れのある部分について、防火性能(令108条)を有するものであればよい。
4.正しい。法63条:条文通り。
5.正しい。法62条、令136条の2の2第一号、同二号:条文通り。

〔No.20〕 建築基準法上に関して誤っている記述を選択する問題です。
正答 5
1.正しい。法43条2項二号:2m以上の接道義務を適用しないで許可を受ける場合。
2.正しい。法84条1個:条文通り(被災市街地における建築制限)。
3.正しい。法68条の2第1項:条文通り(市町村の条例に基づく制限)。
4.正しい。法99条1項二号、法6条8項:確認済証の交付を受けずに着工した施工者等への罰則。
5.誤り。法89条1項:工事現場の確認表示行為は、工事施工者の法的義務であり、建築主ではない。

2024年9月3日 by SHRS(シュルズ)建築基準適合判定資格者、一級建築士

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