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SHRSの二級建築士受験講座「建築法規」2024年度 ⑧

2024-02-18 09:14:42 | ビジネス・教育学習

◇木造の規定に引き続き、木造以外の構造強度規定を、総則含めて、重点事項を整理していきます。
◇総則の部分の出題傾向分析は、前回の分析表を参照してください。

◇構造強度規定⑤:総則などの、構造耐力の規定全般に影響する項目に注意です。
 ・例えば、仮設建築物に関する緩和規定(法85条2項、法37条)
 ・法37条に「建築材料の品質」を確保する規定として、日本産業規格、日本農林規格への適合を要求。
 ・一方で、仮設建築物への制限緩和策が規定されており、法85条2項に適用条項が記述されています。
 ・具体例としてR4年の正答で、法37条の適用を問う問題があり、法85条2項で除外されます。
 ・このような設問への対応方法は、目次から条文を検索する方法が適切で便利です。
 ・例示した傾向分析表で、構造強度の出題傾向には、バラツキがあることが分かると思います。
 ・このように、出題傾向の狙いが絞れない場合も同様です。

◇構造強度規定⑥:補強コンクリートブロック造の規定(令62条の4~令62条の8)
 ・補強コンクリートブロック造耐力壁の中心線により囲まれた部分の水平投影面積は60㎡以下とする。
 ・配置する耐力壁の長さは、それぞれの方向についての合計を床面積1㎡につき15㎝以上とする。
 ・補強コンクリートブロックの塀において、高さ1.2m以下の場合、第五号、第七号の規定を除外する。
   令62条の8第五号:長さ3.4m以下ごとに、径9㎜以上の鉄筋を配置した控壁で基礎の部分において壁面から高さの1/5以上突出したものを設けること。
    同七号:基礎の丈は、35㎝以上とし、根入れの深さは30㎝以上とすること。

◇構造強度規定⑦:鉄骨造の接合部の規定(令67条、令68条1項)
 ・令64条で鋼材として定義した炭素鋼、ステンレス鋼の接合は、原則、ボルト接合は認めていない。
 ・軒高9m以下で、かつ、張り間が13m以下の建築物にあっては、条件付きでボルト接合を認めている。
 ・高力ボルト、ボルト又はリベットの相互間の中心距離は、その径の2.5倍以上としなければならない。

◇構造強度規定⑧:鉄筋コンクリート造の柱の構造規定(令77条)
 ・主筋は4本以上(令77条一号)
 ・主筋は、帯筋と緊結する(令77条二号)
 ・帯筋の径6㎜以上、間隔10㎝から15㎝(令77条三号)
 ・帯筋比は0.2%以上(令77条四号)
 ・柱の小径は支点間距離の1/15以上(令77条五号)
 ・主筋の断面積の和はコンクリート断面積の0.8%以上(令77条六号)

◇構造強度規定⑨:鉄筋のかぶり厚さ(令79条)
 ・基礎部分は、捨てコンクリートを除き6㎝以上
 ・立ち上がりコンクリート等の土に接する部分は4㎝以上

◇構造強度規定⑩:技術的基準(仕様規定)の適用(令36条)
 ・令36条1項:耐久性等関係規定といい、絶対遵守の仕様規定を定義。
 ・令36条2項一号:保有耐力計算をした場合に、除外できる仕様規定を定義。
 ・例えば、上記⑧で記述した、令77条の規定は、第一号を除き、除外規定の対象になっている。
 ・すなわち、主筋の断面積の和はコンクリート断面積の0.8%以上なくても適法。
 ・二級建築士での出題実績はないですが、一級建築士では3年連続で出題されている部分なので、今後は注意!

2024年2月18日 by SHRS(シュルズ) 一級建築士、建築基準適合判定資格者
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SHRSの二級建築士受験講座「建築法規」2024年度 ⑦

2024-02-17 10:40:11 | ビジネス・教育学習

◇問題6は、構造強度の規定の木造を軸とした問題が一般的です。
◇重点事項を絞るとすれば、傾向分析の表を見ていただくと、2点に絞ることができます。
◇令42条の「木造建築物の土台」の規定と、令46条の軸組計算の図形問題です。
◇柱の小径計算については、来年度の法改正に関連する事項で、去年の出題が最後と推察しています。
◇改正法では、現在の法令集の表から係数を選択するのではなく、PDFデータからの選択になりそう???
◇改正法で変更しない、令46条の風圧力による軸組計算の図形問題の出題が怪しい???

◇まず初めに、構造強度の規定における法令集の使い方について、
 ・インデックスを貼って条文を探すやり方を否定はしませんが、インデックスの貼り過ぎには注意です。
 ・構造強度の規定では、私の傾向分析表を見ていただくと、結構、全体にバラツキが見られます。
 ・ザックというと、数年に一度、目新しい部分を探して、出題されている気がするのです。
 ・かつ、構造強度の規定は、条文との単純な照合で回答できる、ある意味で、易しい問題が多いです。
 ・法令集の目次を使って条文を検索すれば、インデックスは重要事項の部分だけに絞ることができます。
 ・例えば、施行令の目次で、政令の第42条(土台及び基礎)は直ぐに見つけられます。
 ・かっこ書きで、条文が示している部分がわかりますので、すぐに理解できると思います。
 ・このような法令集の使い方で、インデックスは重要事項だけに絞ると、いいのではないでしょうか?

◇構造強度規定①:木造建築物の土台(令42条1項)
 ・構造耐力上主要な部分の柱で最下階の部分に使用するものの下部には、土台を設けなければならない。
 ・ただし、当該柱を基礎に緊結した場合には設けなくてもよい(令42条1項ただし書き一号)
 ・ただし、平家建てで足固めをした場合には設けなくてもよい(令42条1項ただし書き二号)
 ・ただし、当該柱と基礎とをだぼ継ぎその他の国土交通大臣が定める構造方法により接合し、かつ、当該柱に構造耐力上支障のある引張応力が生じないことが国土交通
   大臣が定める方法によって確かめられた場合には設けなくてもよい(令42条1項ただし書き三号)

◇構造強度規定②:木造建築物の土台と基礎(令42条2項)
 ・土台は、基礎に緊結しなければならない。
 ・ただし、平家建ての建築物で延べ面積が50㎡以内のものについては、この限りでない。
 ・意外と見落としがちな事項ですので、注意です。
 ・勿論、試験問題では、第1項と2項の複合要素での文言で出題しています。

◇構造強度規定③:軸組の種類別の倍率の表(令46条4項の表1)
 ・軸組計算をする場合、二級建築士試験では、軸組の種類別の倍率を要求する問題が主流です。
 ・壁面の仕上げによる倍率「表1の(1)と(2)」と、筋かいの倍率「表1の(3)~(5)」と、その複合措置。
 ・これらを加算して、その壁面全体の軸組の強さの壁面の倍率を算出することになります。

◇構造強度規定④:軸組の安全性の確認(令46条4項)
 ・軸組の強さは、軸組(壁面)の長さ×軸組の倍率で算出します。
 ・その強さが、令46条に基づく地震力と風圧力の両方より強く(算定値が大きく)なければなりません。
 ・地震力については、来年度の法改正が絡みますので、計算方法については、割愛させていただきます。
 ・図形問題の要素として挿入されるのであれば、計算結果だけが挿入されるという出題方法かな?
 ・風圧力の算定は、受講生の理解度が低い分野の一つで、法改正に絡みませんので、注意です。
 ・風圧を受ける見付面積に表3の係数をかけますが、試験の範囲では「50㎝/㎡」で充分です。
 ・受講生の難題は、その面積(垂直投影面積)の算定方法なのです。
 ・李46条4項の条文に、次の記述があります。
   「その階の見付面積からその階の床面からの高さが1.35m以下の部分の見付面積を減じたもの」
 ・出題された図形を見て、1階の床面から、2階の床面から1.35mの位置から上部の面積を求めます。
 ・この「床面から1.35mの位置」というところに、どうも「戸惑い」の要因があるようです。
 ・落ち着いて、床面のラインを正確に認識することだと思います。
 ・勿論「垂直投影面積」ですので、屋根勾配を考える必要はないのです。

2024年2月17日 by SHRS(シュルズ) 一級建築士、建築基準適合判定資格者
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SHRSの二級建築士受験講座「建築法規」2024年度 ⑥

2024-02-12 08:50:56 | ビジネス・教育学習

◇一般構造「採光・換気・階段・天井高・建築設備等」の規定の続きです。
◇図形問題については「採光⇒R2、H29 天井高⇒R4、H30 ホルム対策換気⇒R5、R1」の出題です。
◇3分野で交互に、ほぼ毎年のように図形問題の出題があることに注意が必要かと思います。
◇今回は、「換気・階段・天井高・建築設備等」の規定を整理していきます。

◇一般構造規定④:天井高の計算(令21条1項、同2項)
 ・令21条1項:居室の天井の高さは、2.1m以上でなければならない。
 ・同2項:前項の天井の高さは、室の床面から測り、一室で天井の高さの異なる部分がある場合においては、その平均の高さによるものとする。
 ・この8年で文章問題として4回出題です。
 ・4回共に、居室ではない便所等の用途の天井高を問う問題で、正答出題ではありませんでした。
 ・天井高は居室に関する条項ですので、出題された問題では、2.1m以上とする必要はありません。
 ・天井高さ計算の図形計算問題では、2種類の計算方法の問題があります。
   (1)「居室の断面積÷底辺」という、二次元的問題
   (2)「居室の容積÷底面積」という、三次元的問題
   (3)「R4」「H30」共に(2)の三次元的問題になっていますが、計算方法は子供の頃の算数の世界ですね!

◇一般構造規定⑤:階段形状の規制(令23条~令26条)
 ・令23条の表:要求する部分の階段・踊り場幅、蹴上、踏面寸法について、表を参照して回答します。
   (1)項:小学校等の児童用
   (2)項:中学校等の生徒用、1,500㎡を超える物品販売業の店舗用、劇場・映画館等の特殊建築物用
   (3)項:床面積が200㎡を超える地上階、床面積が100㎡を超える地階
   (4)項:(1)から(3)に掲げる以外のもの⇒床面積が200㎡以下の通常の住宅が対象
 ・令23条ただし書き(1):戸建て住宅の階段は、蹴上23㎝以下、踏面15㎝以上でも適法
 ・令23条ただし書き(2):屋外階段幅は、令120条、令121条規定の直通階段は90㎝以上で適法
            その他の屋外階段幅は、60㎝以上で適法
 ・引っ掛かりやすい設問は、令25条の、両面側壁でも片側への手摺を要求していること
 ・実はこの8年間で、階段形状の問題は、正答での出題実績がないのですが、今後に注意です。

◇一般構造規定⑥:建築設備の技術的事項(令129条の2の3~令129条の2の5)
 ・防火区画貫通部分の措置(令129条の2の4第七号イ):1m以内の部分を不燃材料でつくる
 ・自然換気設備の給気口の技術的基準(令129条の2の5):給気口は居室の天井高の1/2以下の高さ
 ・「換気設備を設けるべく調理室」については、令20条の3第2項一号に技術的基準があります。
   ⇒給気口の位置は同じ、排気口は天井から下方80㎝以内の位置
 ・令20条の3に規定は、木造建築士試験で散見される条項です。
 ・ちなみに、昨年(R5年)の一級建築士試験では「令129条の2の4第1項七号ハ」から出題です。

◇一般構造規定⑦:火気使用室の換気設備設置の緩和(法28条3項、令20条の3)
 ・原則、台所等の火気使用室には、換気設備の設置が義務付けられている。
 ・ただし法28条3項かっこ書きで、換気設備を設けなくてもよい火気使用室が政令で定められている。
 ・令20条の3 法28条3項の規定により政令で定める室(換気設備を要しない火気使用室)
  一 火を使用する設備又は器具で直接屋外から空気を取り入れ、かつ、廃ガスその他の生成物を
   直接屋外に排出する構造を有するものその他室内の空気を汚染するおそれがないもの(以下この項及び次項において「密閉式燃焼器具等」という。)
   以外の火を使用する設備又は器具を設けていない室
  二 床面積の合計が100㎡以内の住宅又は住戸に設けられた調理室(発熱量の合計(密閉式燃焼器
   具等又は煙突を設けた設備若しくは器具に係るものを除く。次号において同じ。)が12kW以下の火を使用する設備又は器具を設けたものに限る。)で、
   当該調理室の床面積の1/10(0.8㎡未満のときは、0.8㎡とする。)以上の有効開口面積を有する窓その他の開口部を換気上有効に設けたもの
  三 発熱量の合計が6kW以下の火を使用する設備又は器具を設けた室(調理室を除く。)で換気上
   有効な開口部を設けたもの

◇一般構造規定⑧:ホルム対策の機械換気設備の必要有効換気量計算(令20条の8第1項一号イ)
  Vr=nAh  Vr:必要有効換気量
          n:住宅の居室は0.5、その他の居室は0.3
          A:居室の床面積
          h:居室の天井の高さ

◇その他、法31条の「下水道法2条八号」に規定する処理区域内での、水洗便所以外を認めていない基準にも注意が必要!

2024年2月12日 by SHRS(シュルズ) 一級建築士、建築基準適合判定資格者
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SHRSの二級建築士受験講座「建築法規」2024年度 ⑤

2024-02-11 08:45:47 | ビジネス・教育学習

◇第4問目と5問目の出題の定番は、一般構造「採光・換気・階段・天井高・建築設備等」の規定です。
◇図形問題については「採光⇒R2、H29 天井高⇒R4、H30 ホルム対策換気⇒R5、R1」の出題です。
◇3分野で交互に、ほぼ毎年のように図形問題の出題があることに注意が必要かと思います。
◇まずは採光規定から整理し、次回以降に「換気・階段・天井高・建築設備等」を整理していきます。

◇一般構造規定①:採光規定についての過去8年分の出題傾向を整理すると、
 ・ほぼ一年おきに出題されている・・・今年は当たり年かも???
 ・この8年の文章問題での出題の場合、出題された2回とも、正答での出題になっています。
   (1)「R4」⇒公園に面する場合の採光有効面積の計算規定:令20条2項一号後段
   (2)「H30」⇒川に面する場合の採光有効面積の計算規定:令20条2項一号後段
 ・同じく、この8年の採光計算の図形問題での出題は、2回。
   (1)「R2」「H19」⇒隣地境界線から後退しなければならない最小限度の距離を求める問題。
   (2)「H29」⇒オーソドックス(条文の手順通り)に、採光有効面積を求める問題。
 ・なお、昨年の一級建築士試験で、図形問題(H22二級の類似問題)が出題されています。
 ・出題スパンを勘案し、今年の採光規定の出題傾向を推察すると、図形問題かも???

◇一般構造規定②:必要採光有効面積の算定の基本(法28条1項、令20条1項、令19条2項、同3項)
 ・必要とする採光有効面積の規定(法28条)=政令で定める居室床面積×政令で定める割合以上とする。
   ⇒政令で定める居室は、令19条2項で規定している。
   ⇒政令で定める割合は、令19条3項の表で規定している。
 ・採光有効面積の算定方法(令20条1項)=居室の開口部面積×採光補正係数(λ)
 ・採光補正係数(λ)の算定方法(同2項)=採光関係比率(D/H)×6-1.4(第一種低層住居専用地域)
 ・採光関係比率(D/H)=開口部直上部分から隣地境界線までの水平距離÷居室開口部中心までの距離
 ・用途地域ごとに異なる、採光補正係数(λ)の算定方法(令20条2項)
  一号 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、etc.
     ⇒(λ)=(D/H)×6-1.4
  二号 準工業地域、工業地域又は工業専用地域 
     ⇒(λ)=(D/H)×8-1
  三号 近隣商業地域、商業地域又は用途地域の指定のない区域
    ⇒(λ)=(D/H)×10-1
 ・採光補正係数(λ)の計算の補足事項
   (1)令20条2項一号後段:公園・広場・川等の幅の1/2外側とする
   (2)令20条2項カッコ書:90㎝以上の縁側の場合は、算定値×0.7
     (採光有効面積=開口部面積×採光補正係数×0.7)
   (3)令20条2項カッコ書き:天窓の場合は算定値×3
   (4)令20条2項ただし書き:採光補正係数は「3」を限度とする

◇一般構造規定③:採光規定の図形問題で出題パターンは「4つ」
    (1)オーソドックス(条文の手順通り)に、採光有効面積を求める問題。
      令20条1項:採光有効面積=開口部面積×採光補正係数
    (2)採光補正係数算定で、補足事項(上記参照)の条件を加えて、採光有効面積を求める問題。
      令20条2項一号後段:公園・広場・川等の幅の1/2外側とする
    (3)「居室の採光」の規定に適合する当該居室の床面積の最大値を求める問題。
    (4) 隣地境界線から後退しなければならない最小限度の距離を求める問題。
      R2年とH19年に出題されていて、対面講座の指導経験から、受講生の弱点部分です。
      ちなみに、昨年(R5年)の一級建築士、H22年の二級建築士の問題は、段差のある図形問題でした。

2024年2月11日 by SHRS(シュルズ) 一級建築士、建築基準適合判定
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SHRSの二級建築士受験講座「建築法規」2024年度 ④

2024-02-09 09:14:04 | ビジネス・教育学習

◇第3問目の出題項目の定番は「検査規定等の法制度規定(検査規定だけではありません。)」です。
◇過去8年分の出題傾向を、条項で整理してまとめている表を提示します。
◇意外と易しい重点事項として、法15条を掲げることができます。
◇理由は、建築主事とか指定確認検査機関への提出資料ではなく、「都道府県知事」になっているからです。
◇あと、申請者が建築工事届は「建築主」ですが、建築物除去届は「工事施行者」になっていることです。
◇他の法令と、チョット主旨が異なるので、試験での焦りから、躓くことの多い条項なので、注意です。
◇他に出題回数は少ないですが、「確認・検査特例」は、今後の重要傾向の一つと推察しています。

◇検査等の法制度規定①:完了検査申請はいつまでに誰に出すのか?(法7条、法7条の2)
 ・建築主(クライアント)が、工事を完了した日から「4日以内」に完了検査申請をします。
 ・完了検査申請は、建築主事、または指定確認検査機関のどちらかに、建築主が提出します。
 ・勿論、確認申請書の中に「代理者」というのがありますので、実際は、代理申請になると思います。

◇検査等の法制度規定②:完了検査の実施は、いつまでするのか?(法7条4項、法7条の2第4項)
 ・建築主事が検査を引き受けた場合には、申請を受理した日から「7日以内」実施します。
 ・確認指定検査機関が引き受けた場合には、「工事が完了した日」「検査の引受けをした日」のいずれか遅い日から「7日以内」に実施します。
 
◇検査等の法制度規定③:検査済証と建物使用の制限について(法7条の6)
 ・「検査済証」の交付を受けていない建築物は、原則、使用できません。
 ・対象は、一号建築物から三号建築物までで、かっこ書きで、共同住宅以外の住宅は除外しています。
 ・ただし書きで、検査済証取得前の仮使用承認の規定があり、適用条件は三つ
  一 特定行政庁が、安全上、防火上及び避難上支障がないと認めたとき。
  二 建築主事又は法7条の2第1項の規定による指定を受けた者(指定確認検査機関)が認めたとき。
  三 第7条第1項の規定による申請が受理された日から7日を経過したとき。
 ・ちなみに、四号建築物等の検査済証無しで使用できることが、昨今の法対策リスクとなっています。

◇検査等の法制度規定④:用途変更確認申請の場合の完了検査は、誰がするのか?(法87条)
 ・用途変更の場合、完了検査ではなく、建築主事への完了届になります。
 ・法87条において、法7条1項における建築主事への検査申請について、「建築主事への届け出」と読み替えるとしています。
 ・すなわち、用途変更確認申請件名に、完了検査という事項は無く、「届け出」だけなのです。
 ・また、法7条の2第1項において、指定確認検査機関は、完了検査を引き受けた場合に、法7条1項の規定の適用をしないとしています。
 ・法87条(用途変更申請)においては、「検査」ではなく「届出」としているのです。
 ・すなわち、指定確認検査機関の役割としては、用途変更の検査業務は、制度上存在しないことになります。

◇検査等の法制度規定⑤:中間検査申請はいつまでに誰に出すのか?(法7条の3第1項、法7条の4)
 ・建築主(クライアント)が、「特定工事」を終えた日から「4日以内」に中間検査申請をします。
 ・中間検査申請は、建築主事、または指定確認検査機関のどちらかに、建築主が提出します。
 ・勿論、確認申請書の中に「代理者」というのがありますので、実際は、代理申請になると思います。
 ・なお、「特定工程」とは、次のことを言います。
  一号:階数が3階建以上の共同住宅の配筋工事のうち、政令(令11条)で定める工程。⇒(令11条)2階の床・梁の配筋工事
  二号:特定行政庁が指定する工程 ⇒ 現実には、この規定の適用の方が多いようです。

◇検査等の法制度規定⑥:中間検査は、いつまで実施するのか?(法7条の3第4項、法7条の4第2項)
 ・建築主事が検査を引き受けた場合には、申請を受理した日から「4日以内」に実施します。
 ・確認指定検査機関が引き受けた場合、建築主への引受け書面交付、建築主事への引受け通知をします。
  (規則4条の12)より、その期日は引受け日から7日以内、かつ工事を終えた日から4日以内と規定。

◇検査等の法制度規定⑦:中間検査合格証と特定工程後の工程について(法7条の3第6項)
 ・「中間検査合格証」の交付を受けていない建築物は、原則、特定工程後の工程を施工できない。

◇検査等の法制度規定⑧:確認・検査の特例(法6条の4第1項三号、法7条の5、令10条三号イ)
 ・四号建築物で、建築士の設計によるもの、建築士の工事監理によるものへの緩和規定。
 ・防火地域、準防火地域以外の区域の一戸建て住宅(条件付き)への規制事項の緩和規定。
 ・緩和条項の具体例として、法20条(構造耐力)、法28条(採光・換気)、法35条の2(内装制限)等。

◇検査等の法制度規定⑨:届出及び統計(法15条)
 ・対象とするのは、10㎡を超える建築物。
 ・「建築主事を経由」して、その旨を「都道府県知事」に届け出なければならないとしています。
 ・建築工事届は「建築主」から「都道府県知事」、建築物除去届は「工事施行者」から「都道府県知事」

◇検査等の法制度規定⑩:顕微な変更(法6条1項かっこ書き、施行規則3条の2)
 ・原則、法6条に規定する建築物の計画変更は、再度、確認申請の提出を必要とします。
 ・ただし、法6条1項カッコ書きにおいて、「軽微な変更」を除くとしています。
 ・「軽微な変更」の定義は、施行規則3条の2に記述があます。
 ・考え方として、変更後も計画が建築基準関係規定に適合することが、明らかなものとしています。

2024年2月9日 by SHRS(シュルズ) 一級建築士、建築基準適合判定資格者
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