CO2排出量取引や温暖化対策税など、新政権になり、積極的な地球温暖化対策が打ち出されようとしている。
これらの政策が今後の産業界や個別企業のビジネスにどのように影響するのか?それぞれに悲喜こもごもの状態ではないだろうか。
その中で確実に言えることがある。
それはCO2排出量が「総量」で管理・規制されるということである。
今でも国の省エネ法は、総量規制ではなく、「原単位」規制であるが、この壁を東京都が一挙に飛び越えた。都の規制は、明確な「総量規制」である。
この総量規制が今後の主流になることには間違いない。また、世界的な流れからも、日本だけが逃れることもできない。
では、総量規制になると何がどう変わるか?
まずCO2排出量の増減が景気の動向と正の連関を示すことになる。つまり、景気が良くなれば、当然排出量は増加する。逆に、不景気になれば、何もしなくても減産によるCO2排出量は減少する。
今までの原単位では、このまったく逆のことが起こっていた。したがって、世界的な不景気の中で、大半の製造業はかなり原単位が悪化しているはずだ。同時に、総量では相当減少しており、90年比の大幅削減も現実味を帯びてくる。
経済不況のおかげでCO2削減義務を果たせたというのは、産業界においてまったくうれしい話ではない。業績もアップしながら、CO2も削減できるという両立モデルを追求したいものだ。
また、総量規制のもう一つのポイントがある。それは排出枠があらかじめ与えられるということが何を意味するか。そこで規制の年限が決まっている以上は、早く手を付けた者が得をすることになる。つまり、様子見をすることは損をすることになる。
この点に気づいていない人が多いのではないかと危惧する。問題先送りは、後で最も大きな付けを払わせられることになることを理解すべきである。
結論として、総量規制の低炭素社会では、いち早くCO2削減行動を起こしつつ、同時に景気を良くしながら、さらにCO2総量を抑制する。
この循環モデルを実現できるような産業構造こそが、低炭素社会に求められるものになるのである。
総量規制の陥穽に落ち込むことも、仮に落ちてもそこに留まることなく、今こそ大胆な行動に移す時なのである。
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