ラトビアから帰国して1週間が経過。やっと時差ぼけ体調も日本時間に戻った感じです。
そもそもラトビアになぜ行ったか?
それはラトビアが京都メカニズムに基づく排出権(AAU)の供給先だからです。
AAU とは、京都議定書の第一約束期間における初期割当量(Assigned Amount Units)を指し、CO2換算、トンで示されます。
日本はラトビア以外からもロシアや東欧(ブルガリア、ルーマニア、チェコなど)から、大量の排出権を購入しています。
そのわれわれの税金の使い道が、果たしてちゃんとCO2削減に使われるかどうか。その確認を前提としなくてはなりません。その一連のスキームをGIS(Green Investment Scheme)と呼びます。
今回のラトビアもGISに基づく、特に省エネルギーに関する啓もう活動と日本の技術紹介のセミナーを行ったのです。
ではなぜラトビアがAAUの供給先になったかと言えば、実は彼らの省エネ努力ではなく、単なる経済破綻によって、結果として大幅なCO2削減ができただけなのです。
これはある意味、総量規制の矛盾かもしれません。
現地で訪問した某大手化学薬品工場などは、不況によって工場稼働率がピーク時の25%ほどでした。このような事業所では、とても省エネどころではありません。事業の存続そのものが危うい状況です。
とはいうものの、日本のお金が現地の景気対策に使われるのでは、まったく意味がありません。
CO2の削減規制に頭を悩まされるのは、ある意味幸せなのかもしれない。ラトビアは、それどころではないのです。
経済成長と環境規制の両立。
日本も総力を挙げてこのテーマに取り組むべきです。まだ間に合うことを信じて。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます