「またかいなぁ」「よぉやるなぁ」
先日のニュースのあとでいらしたお客様の声です。
そう、あの船場吉兆の残飯再使用のニュースです。
もっとも、吉兆なんて名前は知っていても、
まったく縁のない私には、高額な料金を払って残飯をいただいた後、
『さすが吉兆』などとウンチクの一つも語りながら上機嫌で帰って
った人もいるんだろうなと思うと、ちょっと滑稽でした。
ただ、他人事でないのが「新潟コシヒカリ」なのです。
実はもう3年ほど前から新潟では本物のコシヒカリは生産されていないのです。
理由はいろいろあります。
一つには、産地偽装(他県産のコシヒカリを新潟県産と表示)などから守るため、
遺伝子を調べて分かるようにしようとしたのが事の始まり。
でも、同じコシヒカリでは遺伝子に差があるはずないですよね。
そこで、考えたのが、コシヒカリと近い遺伝子のお米を作ることでした。
左上の写真を見てください。
銘柄はコシヒカリと表示されていますが、品種名はコシヒカリBL
と書かれているのが分かります。
食味はなるほどコシヒカリとそれほどは変わりません。
たぶん、8割くらいの人はまったく気がつかないと思います。
だから、農水省も『コシヒカリ』と表示することを認めたのだと思います。
でも、それって違うでしょ。
遺伝子的にもまったく別のものを、味があまり変わらないから同じもの
として売っていいというのなら、行政上新潟県ではないけれど、
100㍍ほどしか離れていない隣接地のコシヒカリを新潟コシヒカリとして
販売することの違法性とどう辻褄を合わせるのでしょうか。
姑息な手を使わなくても、本当に新潟ブランドに自信があるのなら、
別の銘柄名をつけるのが筋だと思います。