鳳暦の春 回りて 鴻均の気 転ず
平成9年の 年頭の挨拶です。
平成九年の新春を迎え、謹んで三寶を拝し奉り、
併せて 檀信徒各位の ご清安を 祈念申し上げます。
一年が経つのは早いもので、
もう 平成9年の新春を迎える時節になってしまいました。
皆様のまわりでは この一年、どんな事がありましたでしょうか。
悲喜こもごも、それぞれに意義深い年であったと
拝察申し上げます。
当山の一年を振り返ると、
それぞれの季節の様々な出来事が 思い浮かんできます。
去年のこのご挨拶で、
吉祥寺全体の整備を本格的に始めますと
記させていただきましたが、
まず 六月初旬に 吉祥寺整備委員会が正式に発足し、
以後 各担当の皆様によって
事務等の準備が 順調に進められているようです。
また、これとは別に、
七月末には 庫裏が完成し、
いよいよ本坊整備着手の準備が整いました。
来年の今頃は どんなご報告ができるか、
整備委員会に期待するところ 大なるものがあります。
次に、七月初旬に 当地を襲った 雹を伴う嵐の際、
雷と突風によって
境内大銀杏の大きな枝が折れてしまいました。
そして、折れ口の真ん中が 大きな空洞になっていたのを
発見しました。
専門家に診ていただいたところ、
この枝は 折れるべくして折れたのであり、
樹勢は危機的なほど 弱っているとの事でした。
嵐後 無風状態になったにもかかわらず、
実が 一夜のうちにすべて落ちてしまいました。
銀杏が助けを求めて 泣き叫んでいるような気がしました。
また勢い良く枝葉が茂るのは 二、三年後だそうです。
みんなで 自然の宝物を 大切に守っていきたいものです。
次に、十一月中旬には、
天台大師一千四百年大遠忌を記念して、
「新幹線で行く比叡山 京都 五箇室門跡 参拝の旅」を企画し、
一二二名の参加者を得て、
無事 団体参拝を終えることができました。
この団参で 最も有意義だったのは、
稀有の参加人数が得られたという事はもちろんですが、
その皆様が、旅行後も 旅行を機に
新たに、或いは 改めて 親睦を深められている
と聞いている事です。
一つの事業を行なうとき、
それを計画している時も、
事業そのものを行なっている時も、
そして 思い出を語っている時も、
それはずっと その事業だと思うのです。
また機会がありましたら、
今回を反省しつつ、
より楽しい参拝旅行を計画したいと考えておりますので、
その節には
是非 たくさんの皆様の ご参加をお願いいたします。
イチョウが折れたのも 五箇室門跡参拝も
この年だったんですねえ。
どちらも、忘れる事ができませんよ。
例によって例のごとく、長くなりそうですので、
続きは次回に。
今日は ここまで!