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忌中払い その2

そもそも 忌中とは何か というと、

死者が 現世から来世に至までの旅の期間、
中陰(ちゅういん)の、あるいは 中間(ちゅうげん)の、
具体的には 四十九日間、

残された遺族は 
死者とつながった食事をしながら
死者と共に生活をする、

身を謹んで「忌み籠り」をする期間の事をいいます。



つい最近まで、当地では 
「葬式の晩に当家に泊まった者は、
 初七日まで ずっと泊まっていなければならない」
という言い伝えがありました。

これなどは 忌中期間の忌み籠り、
死穢の伝染の防止を示す例と言えるでしょう。





しかし、現代社会では そうもしていられません。

明日から仕事、という方も 
皆さんの仲には居られるのではないでしょうか。

昔も同じで、
当地では 養蚕が盛んでしたから、
蚕という生き物を飼って整形を立てていたわけで、
毎日 その面倒を見てやらねければ
自分の生活が ままならなくなってしまう。



また、さらに昔、当地の産業は 
多かれ少なかれ 利根川水運に関わる事で 成り立っていましたから、

四十九日もの間、喪主である主人が 
死者のための忌み籠りをしていては、

近隣の流通経済が 立ち行かなくなってしまう。



そこで 生活の智恵、手段として考え出されたのが≪忌中払い≫で、

葬儀終了後に、ただちに四十九日の忌み籠りを祓ってしまい、

死者に遠慮せず、翌日からの仕事に打ち込めるようにしてしまおう

というわけです。



また、群馬県南部に伝わる≪道場払い(どじょっぱらい)≫も
忌中払いと同様の意味も認められますが、

むしろ こちらの方は、
祭壇を片付けた後の 世話役さんたちの酒席という事に
重きが置かれているようでもあります。





                     つづきます。


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