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徒然なるままに その12

   

ハタと気付いたふたつ目は、
「今日 ここに集まってくれている皆さんが、
 私にどんな話を望んでいるのか、
 私は どんな話をすれば皆さんに受けるのか、
 なんて事を考えたって 無意味だ って事です。

          ここからが、「2」です。
          「1」は、3月24日に書きました。



だって、皆さんは 皆さんだけいるわけで、
でも 皆さんは 全部違う人なわけで、
美しきご婦人も、はつらつとした若者も・・・まぁいいでしょう、
みんな違うんだから。

年齢、性別、職業、お立場、
知識も、趣味も、興味も、今の気分も・・・。

奥さんと ラブラブで
今日、「気を付けてねー。早く帰って来てねー」
なんて言われて家を出てきた人も、

喧嘩して 「もう帰って来んなー」
って言われて出てきた人も、

みんな違うのに、しゃべるのは私ひとりです。



お茶飲み話、喫茶店でのダベリングならともかく、

皆さんも 法話とか 挨拶とかいって、
自坊のご法事なんかでお話なさる時、 同じ様でしょう。

不特定多数のいろんな人にお話する。

「じゃ、何を話す?」 

難しいですよねぇ。

仏教って 本来、対機説法
相手のレベルに合わせたお話を 
それぞれの人にしなくちゃなんないのにねぇ。






いきなりですけど、お話しようかどうしようか迷ってたんですが、
お話しちゃいます。

ギリシャのソクラテスさんは、
大勢の前で講演するのが 大嫌いだったんです。

だって、1人対大勢 では 
十分な論議が尽くせないから。



「何びとも私の友人であり、仲間であった」

とか

「私は 何びとの師(先生ですね)にもならなかった」、

そんなカッコイイ事を言って、
わけ隔てなく、どんな人にも 道を説いたのは、
そうだったのかもしれませんけど、

講演依頼が来ても それを決して受けない。

だから 講演料がもらえない。

生活費は 奥さんのクサンティッペが
朝から晩まで働いて稼いでいた。

クサンティッペって、一度聞いたら 忘れられない名前ですねぇ、
どうでもいいけど。



ソクラテスさんは、プラトンさんなんかと
「ああじゃない、こうじゃない、なるほどそうなんかい」
と 議論を楽しんだんです。



こんなんじゃ クサンティッペも頭にきますよねぇ。

町の酒場で 徹夜で議論して 朝帰りしたソクラテスさんに
水くらいぶっかけてやりたくもなります。






そこで、有名な話、
結婚をするかしないか悩んでいた若者に対し、
ソクラテスさんは

何はともあれ 結婚しなさい。

 君の奥さんが良妻だったなら、君は幸福を手に入れる事ができる。

 君の奥さんが悪妻だったなら、君は哲学者になれる!




これを聞いたクサンティッペが、
箒を振り上げて、ソクラテスさんを追い回しているのが 
目に浮かぶようです。





ソクラテスの妻は悪妻だったわけじゃなく、
ソクラテスさんに稼ぎがなかったっていうのが、
どうやら本当の所らしいし、

これはこれで 結構 いい夫婦だったのかもしれませんよね。



哲学者ソクラテスなんて、気難しいばかりの人のような印象で
今 伝えられていますけど、
実は、結構 ポジティブで、
ユーモアたっぷりの偉人だったんじゃないのかなと、
思わないでもありません。



「もしかしたら、ブッダも伝教大師も、ボジティブ思考の面白い人だった」
なーんて。

閑話休題。

コーヒーブレイク。

私の妄想、じゃなくて、暴走です。



今日は、ここまで!


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