3月5日乗車したキハ201の運転席横のガラス越しに見たカシオペア。定期運行は残りわずかとなりました
2月28日に開かれた日高線の復旧に関する協議会では事前の報道の通り、JR側が復旧後の営業損失の負担を自治体に求め、さらに上下分離の説明と例示をしたたようだ。当然に自治体側は猛反発して、各首長は不満と憤りを隠していなかった。沿線の人口は5万人程度で2040年の推計では3~4万人程度まで減少すると予測されている。
そのような町の財政規模を見る限りにおいて、上下分離での運営費や損失の負担は到底不可能だろう。
かつて日高線に走った優駿浪漫号。幾度となく乗ったが最後に乗った4年前頃は地元の歓迎の催事もほとんどなく、静内の桜だけが頼りだったし、まるでJRが勝手に走らせているといった趣だった。
復旧の協議で自治体が出した抽象的とも言えるインバウンドを中心とした利用拡大策なるものをJRが受け入れず、信用しない様子なのは頷ける。
今回の日高線の復旧が進まないという問題は、鉄道に対する自治体の無関心という環境の中、連続した自然災害によって、今まで積み重なってきたJR側の不信感が顕在化したと考える。
要するにしつこいようだが、鉄道に対する北海道も含めた自治体の過去の無関心さが招いた結果なのだ。
地元自治体や経済界が懸命に存続と活用に動いてきた石北本線や宗谷本線などとの違いは明白だ。
さて、ここで考えたいのは経営安定基金の存在だ。
本来、日高線はもちろん、国鉄民営分割の際に北海道全線で発生が予測された損失を穴埋めするために、基金は存在している。
したがってJR北海道が、地元自治体に損失補てんを要求するのは、安定基金の存在自体を否定することにはなり、本来はおかしいことのはずだ。
とは言ってもバブル期だった当初に想定した運用益は、今や期待できない低金利状態。これは国が政策的に誘導していることでもあるのだし、もはや安定化基金による損失補てんのスキーム自体を見直す段階にあると感じる。
今や事態は政府が動く時ではないかと考える。多選知事と、ほとんどが無風選挙で行政出身者による首長が長く続いてきた沿線自治体には、思い切った判断を期待することはできない。失礼を承知で言わせていただく。
ちなみに私個人としては廃線が妥当かと考えている。大量輸送手段としての鉄道は日高地区においては役割は終わったのではないだろうか。バス運行への補助を充実させる選択肢が最適ではないだろうか。
積雪も少ない日高沿線はバス交通にはうってつけの地域ではないか。並行する整備された道路の沿線に、多くの住民が暮らす完全な車社会の地域だ。今まで鉄道が存続できたのが不思議なくらいだ。
結局、日高本線は、苫小牧の経済圏である程度の利用客が望める鵡川、もしくは日高門別か富川駅を改修して終点として一部存続し、以南は廃線とするのが良いだろう。
なお、その際の運営は当面はJR北海道が行うべきかと考える。
また、もし、全線を残すならば、従来どおりのJR北海道による運行はもう望めないと思われる。
この際は上下分離か第3セクターという選択肢になるだろうが、いずれにしても相当に障壁が高いものといわざるを得ない。
「北海道新幹線の札幌延伸後の姿は」
さて、日高本線の問題は北海道全体の問題でもあるのは間違いない。
いずれは、北海道の在来線全体を上下分離することを前提としてJR北海道から保線部門を順次分離し、職員を再雇用して、北海道全線の上下分離を新幹線札幌延伸の時期を目途に進めたらどうだろうか。これは札幌圏も例外ではない。
JR北海道は経営安定化基金の運用益相当額を線路使用料として納付する。ありえないだろうがJR北海道に利益が見込めるなら、その利益相当額を軌道を保有する新会社に還流するべきだろう。
さらに、北海道民の負担によってなされる上下分離により身軽になったJR北海道が上場するなどということはあってはならない。ましてや東日本の傘下に入るなどというのは本末転倒である。
新幹線は東日本に運営をすべて任せるというか、JR北海道は手を引くべきだ。しかし、赤字必須の北海道新幹線を東日本が(株主が)引き受けるわけはないだろうが(笑)。
以上、私の現時点での極論を書かせてもらった。
「新幹線は北海道の在来線に黒船としてやってきた」
今は北海道の交通体系を維持するためには従来にはない指導力が求められる。
新幹線に浮かれているような指導者は無用だ。
2月28日に開かれた日高線の復旧に関する協議会では事前の報道の通り、JR側が復旧後の営業損失の負担を自治体に求め、さらに上下分離の説明と例示をしたたようだ。当然に自治体側は猛反発して、各首長は不満と憤りを隠していなかった。沿線の人口は5万人程度で2040年の推計では3~4万人程度まで減少すると予測されている。
そのような町の財政規模を見る限りにおいて、上下分離での運営費や損失の負担は到底不可能だろう。
かつて日高線に走った優駿浪漫号。幾度となく乗ったが最後に乗った4年前頃は地元の歓迎の催事もほとんどなく、静内の桜だけが頼りだったし、まるでJRが勝手に走らせているといった趣だった。
復旧の協議で自治体が出した抽象的とも言えるインバウンドを中心とした利用拡大策なるものをJRが受け入れず、信用しない様子なのは頷ける。
今回の日高線の復旧が進まないという問題は、鉄道に対する自治体の無関心という環境の中、連続した自然災害によって、今まで積み重なってきたJR側の不信感が顕在化したと考える。
要するにしつこいようだが、鉄道に対する北海道も含めた自治体の過去の無関心さが招いた結果なのだ。
地元自治体や経済界が懸命に存続と活用に動いてきた石北本線や宗谷本線などとの違いは明白だ。
さて、ここで考えたいのは経営安定基金の存在だ。
本来、日高線はもちろん、国鉄民営分割の際に北海道全線で発生が予測された損失を穴埋めするために、基金は存在している。
したがってJR北海道が、地元自治体に損失補てんを要求するのは、安定基金の存在自体を否定することにはなり、本来はおかしいことのはずだ。
とは言ってもバブル期だった当初に想定した運用益は、今や期待できない低金利状態。これは国が政策的に誘導していることでもあるのだし、もはや安定化基金による損失補てんのスキーム自体を見直す段階にあると感じる。
今や事態は政府が動く時ではないかと考える。多選知事と、ほとんどが無風選挙で行政出身者による首長が長く続いてきた沿線自治体には、思い切った判断を期待することはできない。失礼を承知で言わせていただく。
ちなみに私個人としては廃線が妥当かと考えている。大量輸送手段としての鉄道は日高地区においては役割は終わったのではないだろうか。バス運行への補助を充実させる選択肢が最適ではないだろうか。
積雪も少ない日高沿線はバス交通にはうってつけの地域ではないか。並行する整備された道路の沿線に、多くの住民が暮らす完全な車社会の地域だ。今まで鉄道が存続できたのが不思議なくらいだ。
結局、日高本線は、苫小牧の経済圏である程度の利用客が望める鵡川、もしくは日高門別か富川駅を改修して終点として一部存続し、以南は廃線とするのが良いだろう。
なお、その際の運営は当面はJR北海道が行うべきかと考える。
また、もし、全線を残すならば、従来どおりのJR北海道による運行はもう望めないと思われる。
この際は上下分離か第3セクターという選択肢になるだろうが、いずれにしても相当に障壁が高いものといわざるを得ない。
「北海道新幹線の札幌延伸後の姿は」
さて、日高本線の問題は北海道全体の問題でもあるのは間違いない。
いずれは、北海道の在来線全体を上下分離することを前提としてJR北海道から保線部門を順次分離し、職員を再雇用して、北海道全線の上下分離を新幹線札幌延伸の時期を目途に進めたらどうだろうか。これは札幌圏も例外ではない。
JR北海道は経営安定化基金の運用益相当額を線路使用料として納付する。ありえないだろうがJR北海道に利益が見込めるなら、その利益相当額を軌道を保有する新会社に還流するべきだろう。
さらに、北海道民の負担によってなされる上下分離により身軽になったJR北海道が上場するなどということはあってはならない。ましてや東日本の傘下に入るなどというのは本末転倒である。
新幹線は東日本に運営をすべて任せるというか、JR北海道は手を引くべきだ。しかし、赤字必須の北海道新幹線を東日本が(株主が)引き受けるわけはないだろうが(笑)。
以上、私の現時点での極論を書かせてもらった。
「新幹線は北海道の在来線に黒船としてやってきた」
今は北海道の交通体系を維持するためには従来にはない指導力が求められる。
新幹線に浮かれているような指導者は無用だ。