キハ183のエンジンの出火事故を受けて、排気量30リットルという大型エンジンを搭載した36両が運行を停止して1年余りが経ちましたが、燃料噴射装置に問題があることが判明し、同装置を改良した25両が運行を開始しました。
実に喜ばしいことです。しかし、製造以来30年以上にもなる183をまだ使い続けなければならないという現実も見えてきます。
今回の措置は、あくまで一時しのぎに過ぎないと言うことなのです。183系は全体で100両を超えます。
この100両の後釜を埋めるのは大変な資金と年月を要することでしょう。
計画的な車両の更新を怠り、不動産事業に精出した前経営陣の責任は大きいと考えます。
しかし、日本人の悪い癖で、過去を振り返ってしっかり検証をしたと言う話も聞きません。出火事故がなぜ起こったかは結果論であって、なぜそのような事態に至ったかが検証されているとは思えません。責任者であった人物の死も事実の解明に影を落としています。
さて、改良された25両のうち3両はエンジンが交換されたようです。ツイッター等では261-1000番台と同エンジンと言われていますが、30000ccから13000ccへのサイズダウンはかなりの影響があります。660馬力から460馬力に減少したわけですが、トルクはそれ以上の低下が見込まれます。
ほんとうに261と同系のエンジンだとすると、運用はかなり限定されるのではないかと考えます。
石北のオホーツクにと言う話もありますが、きつい勾配の多い路線に低トルクのエンジンでは、現行の車両より速度が下がってしまうかもしれません。
まあ、いずれにしても、どのような運用になるのかが楽しみです。