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昨日、日高線廃線という報道がされたが、本日の続報によると、日不通区間の復旧工事は断念して、被災を免れた区間にDMV導入の検討をするとのことだ。
北海道新聞の報道によると
「高波被害で2015年1月から不通の日高線 鵡川―様似間について、日高管内の7町長は被害が大きかった一部区間の復旧を断念した上で、鉄路と道路を走れる デュアル・モード・ビークル (DMV)の導入によって、残る区間を存続させることを視野に検討を始めることで合意した。7町はDMVなど代替交通機関のあり方を調査、研究する新しい組織を近く設置する。」
とのこと。
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DMVは冬期間の試験で積雪を原因とする脱線が多発したために、JRは安全性に問題が残るとして開発を断念した。
しかし、試験車両は苗穂工場の構内に留置されたままであり、自治体の要請でJRがどう動くか、今後注視していきたいものだ。
運転士がバスと鉄道運転の二つの運転免許を持つか、道路と軌道で運転士を交代させるなどの必要があり、そのほか課題は大きいが、積雪の少ない日高地区に限れば実現の可能性はある。
一時期、JR北はDMVの導入を積極的に検討し、何名かの運転士を関連会社のJRバスに出向させてバス免許の取得をさせせるなどしていたが、その運転士をそのままJRバスに移籍させるなどしたため、離職した方もいると聞く。
とにかくハードルは高いが、私としては実現を期待する。
徳島県では、阿佐海岸鉄道が導入に前向きとも聞くので、車両の特許などで一定の収益をあげられるのではないかと思う。
鉄道会社は新しい技術に慎重なのは理解できるが、R&Dを忘れた企業に発展はない。
鉄道ファン、鉄道関係者には日高の自治体の町長の動きをせせら笑い、ほとんどの住民は鉄道には興味すらないと決めてかかる向きも多い。
私もそうかもしれない。選択と集中を旗印に、すべてが効率で決められることがエスタブリッシュメントだと信じ込んでいたのだが、民意はどこにあるのかはわからないものだ。
当初、動きの鈍かった首長の方々だが、過疎が進む自治体の首長たちには声なき声が聞こえたのかもしれない。
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