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JR北海道・苗穂工場の一般公開に行ってきました。
鉄道ファン向けというよりは、工場近隣にお住まいの方々への活動報告のようなものですから、「鉄道オタク」の皆さんには不満も多いことでしょう(笑)。芝生で弁当を拡げるご家族もいました。
開催の後援が札幌市と苗穂連合町内会ですからね(●^o^●)
当日は午後から千歳で仕事が入っていたので、2時間ほどの滞在でしたが、展示を見るというより、展示の近くに配置されている社員の方にお話しを伺いました。
中年の鉄道ファンの一部にお見かけして気になりましたが、「これが、例(出火した)のエンジンのスライジングブロックかい」とか、いろいろと自らの知識を係員に披露?する人が見受けられました。
内容によっては失礼なもの言いもあり、社員の方の職務を汚し、お仕事に対する冒涜にもなりますので気をつけたいですね。
私はホントにずぶの素人なので謙虚に素人としてお話を伺いました(^_^)/。・・・つもりです(笑)
(車両移動作業)
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当日は、いろいろと興味深く意外なお話しも聞けました。現場の方は「プロフェッショナル」でした。さすが、違います。尊敬(^^)
(入り口付近には北斗星のHMのDD51と客車)
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(C623と客車をDLで動かします。ピストンからはシュッシュと排気音がしました)
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JR貨物の機関車の検修庫でDF200を前にして伺いましたが、貨車と客車を牽引するのはブレーキの掛け方というか制御が変わってくるので、客車を連結すれば良いというものではない・・とのお話しでした。
要する、青函トンネルをEH800で牽引して寝台列車を残すのは、そのままでは無理だということです。
ただ、東日本や九州が走行、計画しているようなリゾート列車は、いずれ北海道内でも走るでしょうと複数の方がお話ししてくれました。
展示してあったハイブリッド機関車HD300は構内での入れ替え用の車両ですが、すでに幹線を走行できるハイブリット機関車の開発が始まっているそうです。
さて、キハ261と201の写真パネルの前で伺いましたが、今後増備される261には車体傾斜装置を製造段階から搭載をしませんし、現在搭載しているものもすべて撤去するそうで、北海道ではもう出番はないだろうとのお話しでした。在来線の高速化は断念したのですね((+_+))。
最高速110キロ程度での通常の曲線通過ではメリットも薄いということです。
ただ曲率半径の小さいカーブではスピードダウンは免れないでしょうが・・・・((+_+))
ちなみに振り子の281と283については車台の整備も厳しい状況に来ているとのことでした。
「車台が交換できれば良いのですが・・・・」と言葉が切れてしまいました。察してくださいということですね。
キハ261の車体傾斜廃止の一番の理由は、動作のために大量に空気を使用することによるエアコンプレッサーへの負担の問題のようです。このエアはブレーキと共用のようです?からね。抜けてしまったら大変。
*最終的には北海道の優等列車はキハ261だけになる時代が来るということになりますが、当然にいずれは261の後継機の開発が始まり「すべて261」ということにはならないと話されました。大量の183が使用限界に達してしまって、現在の事態を招いたようなことは繰り返したくないということだろうと受け取りました。
(DD51.すでに抹消ですが保存されるらしいとか)
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(ハイブリッド機関車HD300。構内作業用)
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車体傾斜装置は、最初にキハ150へ搭載して苗穂の試験コースで走らせて地道に開発がはじまり、実用化の目処がついたことで、山線での運用を想定してキハ201に搭載、そして261へと移っていきました。
(お話しくださった方は150への搭載段階から関わりをもたれた方のようでした(●^o^●)。)
そして北海道では、残念ながら役目を終えたのです。
(スラント183のエンジン)
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(キハ150のコンパクトな高出力エンジン)
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蓄積された技術は新幹線の車体傾斜に役立っているということです。JR北とメーカーの共同開発はけして無駄でなかったと信じるとのお話が印象的でしたヽ(^。^)ノ
(マヤ検とキハ40達←翌日団体で使用されたらしい)
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(DMV試作車。開発は停止されましたが、研究開発自体は無駄にはならないと思います。いつか生きてきます。)
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企業、特に「巨大な装置産業」ともいえる鉄道会社にとってはR&D(開発研究)は企業の将来を左右する分野です。
このJR北はR&Dを諦めたのかと思ったこともありましたが、水面下の水鳥の足のように、しっかりと動いています。JR北は素晴らしい人と技術を持った企業です、必ずや復活する日が来ることでしょう。