
新聞報道によると、JR北海道は今年10月の消費増税に合わせ運賃値上げを国土交通省に申請した。
値上げ率は平均15.7%だが、実際には短距離を利用すると重くなるようだ。これは札幌圏での増収を狙っていると考えられる。地下鉄とのバランスを考えると当然の選択だろう。
認可されれば、初乗り運賃は現在の170円から200円となる。2014年の消費増税の転嫁分を除くと、運賃値上げは1996年以来23年ぶりで、経営再建策の一環だが、利用者離れにつながる懸念もあるのは折込済みだろう。
北海道民からは目立った反対の声は上がっていない。やはり北海道民の鉄道離れは想像以上のものなのだと感じる。
ここまでバスが便利になり、国道も整理された中でマイカー社会がすっかり浸透している。ある意味アメリカ的社会なのかももしれない
ところで、先日の報道で、電力不足の時に、本州と北海道を結んで電力を融通する北海道本州間連系(北本連系設備)が90万KWに増強され、さらに追加増強する計画が政府から発表された。
そして、その費用は全国民の電力料金に上乗せするユニバーサルサービス料で確保すると報じられた。
鉄道料金にはそんな発想は全くない。田舎は不便な鉄道を高い運賃で使い、都会は便利な鉄道を安く使うのか。
まあ、電気はすべての人が使うが鉄道はそうではないと言い捨てる書き込みも見たが、政府が聞いたら泣いて喜ぶような善良な国民だ。
初乗り140円と200円の差は大きい。いずれにしても北海道の鉄道離れは進んでいくだろう。
寒ければ運休し、暑くてもレールが曲がると運休する。安定性を失った交通機関は信頼を失うばかりだ。
私は、値上げはやむを得ないと考えていたから、甘んじて受け入れるが、重ねて言うが、東京圏との格差は開くばかりだ、国は、一向にこの問題に本腰を入れて解決しようとする態度を見せない。
いずれ、地方に人がいなくなり、東京に流出する労働力も減少して、わが国は衰退の速度を加速していくのだろうか。
