まず、バフムト戦線
チャシブ・ヤールChasiv Yarの手前までロシア軍は進撃しましたが、そこで動きが止まり現在小康状態。
あるいは、攻撃を再開するのかもしれませんがアウデｲーイウカ戦線の陽動作戦であった可能性もあります。
ハルキウ州クピャンスク戦線
2024.04.27
ロシア軍がセメニフカを占領、クピャンスク方面キスリブカでも攻勢を開始
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-forces-occupy-semenivka-and-launch-an-offensive-in-kisrivka-in-the-kupyansk-area/
「ロシア軍がキスリブカ方向で大規模な攻勢を開始した」「敵は防衛ラインを突破してキスリブカ集落内に足場を築いた」
ウクライナ側の重要拠点です。
しかし塹壕戦が続いておりロシア軍の大きな前進はありません。
ドネツク州マリンカ戦線
2024.04.25
ロシア軍、クラスノホリフカ市内で最も重要な工場地域に国旗を掲げる
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-army-builds-the-most-important-construction-site-in-krasnokhorivka/
クラスノホリフカKrasnohorivkaはマリンカMar'inkaの北側にあるウクライナ軍の強力な要塞です。去年マリンカが陥落してからロシア軍が攻撃を続けてきましたが、市内の一番標高の高い地域の「耐火物工場」を制圧した模様です。
これまでロシア軍は、高い位置からウクライナ軍に射撃され中々進撃できませんでした。今度は逆になりロシア軍が高い位置から射撃することになります。
ウクライナ軍の苦戦が予想されます。
ここを制圧すると現在ロシア軍がアウデｲーイウカ戦線の南でルートE-50で攻撃中のベルヴォマイズケPervomais'ke（制圧済み）とネタラブNetailove（攻撃中）方面への北方向の攻撃路が開けます。
ロシア軍は、ドネツク州ではマリンカ戦線からアウデｲーイウカ戦線にかけての広い地域で面的に西に進撃する事が出来るようになりつつあります。
それに合わせるようにマリンカMar'inkaのすぐ西にあるヘリオフカを攻撃し始めました。
ルートO-0510を西に進撃するようです。
2024.04.22
ドネツク西郊外の戦い、ウクライナ人はノヴォミハイリフカを失ったと報告
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/battle-of-western-donetsk-suburbs-ukrainians-report-loss-of-novomikhailivka/
ノヴォミハイリフカNovomykhailivkaはマリンカの南にありウクライナ軍の強力な要塞です。やはりマリンカ陥落後ロシア軍の攻撃を防いできましたが、ついにロシア軍が制圧しました。
その西のコンテｲアンテｲニフカKostyantynivkaまで制圧すると南ドネツク方面への進撃路が開けます。
これでロシア軍は、マリンカ・ノヴォミハイリフカ・クラスノホリフカとマリンカ方面にあったウクライナ軍の強力な要塞を全部、制圧しました。
マリンカから西への進撃が容易になりました。
クラスノホリフカKrasnohorivkaを完全に制圧するとアウデｲーイウカ戦線とフラット（平面的）な前線を形成することが可能になります。
急激には突出部を作らず、マリンカ戦線から北のアウデｲーイウカ戦線にかけて広い面的な前線を形成して西に進撃するのが、ロシア軍の当面の狙いのように見えます。
同時に今回制圧したアウデｲーイウカ戦線北部のオケレタインOcheretyne方面からルートH-20の西側を北に進撃する狙いもあると思います。
ロシア軍の春の大攻勢は、どうやらドネツク市方面が中心になりそうなロシア軍の進撃ぶりです。
（マリンカ戦線から北のアウデｲーイウカ戦線）
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次④
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27