霊言を読み解く イスラム国をヒロシマ・ナガサキにしてはならない
2015.02.07 ザ・リバティWeb
ザ・リバティWebでは1月に入り、イスラム教の開祖・ムハンマドの霊、「イスラム国」のカリフを名乗るバグダディ氏の霊、そして、人質になった日本人2人の霊言と、立て続けに紹介してきた。
ネット上の書き込みなどで、さまざまな反応が見られるが、ここで改めて、イスラム関連の霊言の意味を読み解いていきたい。
そもそも、イスラム国は、アメリカの中東政策の失敗から生まれた。2003年にイラクで、イスラム教スンニ派のフセイン政権が倒れた。すると、力を持ったシーア派が、スンニ派の弾圧を始めた。その混乱が収まらない中で、米軍はイラクから撤退。スンニ派の一部が「復興運動」として、イスラム国を組織していったが、その中には、民間人もたくさん含まれている。
イスラム国を率いるバクダディ氏の霊は、登場した際、米軍が主導する有志連合による空爆を批判し、「我らは、女子供、民間人を含め、数千、数万の単位殺されている」と憤慨。欧米メディアが報じない、イスラム国の立場を訴えた。
もちろん、イスラム国が、民間人や外国人を拘束して殺害したり、奴隷にしたりする行為は許されない。ただ、欧米メディアのニュースは、キリスト教的価値観が強く反映されており、イスラム教国と対立するユダヤ資本の影響も強く受けている。一方的な取り上げ方で、人々の憎悪の感情に火をつけ、「イスラム国の皆殺し」を正当化するような国際世論の誘導は避けるべきだ。
振り返れば、西洋諸国は中東の資源を奪い合い、自分たちに都合のいい形で国境線を引き、イスラム教の宗派・民族間に対立・混乱を生じさせてきた歴史がある。近年は、「親イスラエル」の欧米的な価値観を大義として、イスラム教国に空爆を加えるなどの「大量虐殺」を続けている。
約70年前、日本は、欧米から石油などの資源の供給を止められ、自衛の戦争に踏み切った。当時のアメリカは日本人を「戦争に狂った悪魔」とののしって、日本の都市で空爆をくり返し、原子爆弾を2発落とし、数万、数十万単位で民間人を殺していった。その意味で、欧米諸国を敵に回している現在のイスラム国の立場は、当時の日本に近いかもしれない。
やはり、「欧米の価値観」で、すべてを判断するのは危ない。国際社会が「イスラム国は悪魔」というレッテルを貼って殲滅作戦を行えば、イスラム国は中東における「ヒロシマ」「ナガサキ」のように、数万、数十万単位で人が殺されるかもしれない。
さらに、イスラム国を殲滅した後に、イスラエルを守りたい欧米諸国が、他のイスラム教国に拳を振り下ろすことも想定しなければいけない。現在、アメリカとイランの関係は良好だが、核問題の協議がこじれた場合、アメリカがどのような対応に出るか分からない。
一連のイスラム関連の霊言は、彼らの「本心」を知ることで、地球上に大きな不幸が生まれることに歯止めをかけようとしているのだ。
国際社会は今、憎しみを捨て、より大局的な視点に立ち、宗教や民族の異なる人々が互いに幸福に暮らしていくための「ワールド・ジャスティス(世界的な正義)」とは何か、を考えるべきだろう。(晴)
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幸福の科学出版 『イスラム国 "カリフ"バグダディ氏に直撃スピリチュアル・インタビュー』 大川隆法著
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幸福の科学出版 『ムハンマドよ、パリは燃えているか。―表現の自由VS.イスラム的信仰―』 大川隆法著
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