農園は主に野菜を栽培しているのだが、無論例外も存在する。代表的なものは、「長老」のキウイ畑と「千早の忍者」氏のお花畑であろう。名称どおりで、果樹の栽培と花卉栽培が行われている。今回はキウイの栽培を取り上げてみよう。季節は11月に入り、キウイもそろそろ終焉期と思えるからだ。農園の一番上端、奥まった位置にキウイ畑は存在する。元々はイチジクの栽培が行われていた場所なんだが、長老が苦労してリメイクした模様だ。キウイ畑となって数年が経過する。順調な運びのようで、毎年大量の果実が実っている。
無論、用途は長老の自家用なんだが、彼は独占を好まず、多くは仲間達に提供している様相だ。子狸も時折ご相伴に預かり、生食やジャム作りで重宝している。今年も晩秋を迎え、そろそろ終焉期の模様で、残った果実を収穫し、出動している仲間達に分配したようだ。子狸もお呼ばれに預かり一袋分を頂戴した、年内最後の収穫みたいだ。
田畑に果樹木を植え込むのは御法度だが、現場は元々が果樹畑、リメイクしただけだから問題無いであろう。樹種は個々人の好みによる選択だが、彼はイチジク派では無くキウイ派であったようだ。キウイはご存じのようにオス樹とメス樹のペアが必要、彼は苗木をセットで購入し植え込んだようだ。子狸も前の住宅で植え込んでいたのだが、選択を間違った模様で1個も実のらなかった。
キウイの栽培には「棚」が必要だとは、ご存じかと思う。ブドウと一緒で、ツル性のため支柱に沿って上空へと伸び、横へも広がる。落下を防ぐ為にスチールパイプを組み上げたようだ。彼はハヤトウリ栽培の達人、長年の経験で棚作りには習熟している。棚も夏場は葉が生い茂っていたが、落葉を始めたようだ。残った実が直接目視出来るのは少々寂しい。黄昏時をイメージしてしまうのだ。
生々流転、物事にはサイクルがあって何者も逃れる事は出来ない。キウイも実りを終え、静かに次年度の準備に入っていくのだろう。激しかった1年間の活動を静め、穏やかな休息期に入るのかも。長老に頼んで、「お礼肥」を散布してもらいましょうかな。