世の中には変わった栽培法を試みる御仁も存在するものである。業界では常識かも知れないが、一風変わった手法にも見えるのが、水耕栽培や養液栽培など。単にお前が知らないだけだ・・・・・とのツッコミが来そうだが、まあ事実なのでお許しを。今回のテーマはそのうちの一つ、水耕栽培ならぬ水耕的な栽培法のご紹介を。水耕栽培はご存じのように根を水中に浸けて栽培する方法である。件の、水耕的な栽培とは根では無く畝を水漬けにする栽培法である。昔から地域に存在する手法なのか師匠の開発なのか、詳細は存じないがチトご紹介しようかと。
対象物はサトイモ、この品泥イモとも呼び、どろんこ状態の環境を好む物である。こうした特質を理解し、畝間に水流を導いて意図的にどろんこ状態を作りだそうとの試みだ。常時水中であれば根腐れを起こす可能性がある。従って必要に応じ、水流を入れたり止めたり出来る機能が必要だ。
画像で現場をご覧頂いた方が早いかと思うが、水流の出し入れ自由なサトイモ畑である。入れるのは出来ても出すのは・・・・・と疑問をお持ちかと。実は単純で、入れる水流を絞り込み地中への浸透を強めるだけ・・・・の話なのだ。現場は師匠のサトイモ畑、栽培品は出荷用である。見栄え良く形を整えて程よいサイズに仕上げねばならない。具体的なノウハウは存じないが、師匠宅の家計に大きな貢献をしているようだから、栽培はうまく回っているのだろう。
上述の話でご理解いただけたかと思うが、サトイモ栽培は立地条件を選択する。単に畑に種芋を植え込むだけでは済まないのだ。いわゆる素人ファーマーが失敗する原因の一つでもある。如雨露やバケツでの水やり等では到底追っつきませんのでご注意を。子狸もこの水問題で何度苦渋を飲まされたことやら。最近は悟って、サトイモ栽培からは撤退してます。
仲間達では大御所や長老がサトイモ栽培に挑んでいるが、両者は叉違った手法を.あえて名付けると「洩水栽培」。当地はいわゆる棚田地帯、田畑には当然ながら段差が伴い、上下の関係が生じる。下の田畑は上の田圃からの洩水が常態なのだ。従ってそうした場所を選べば、水耕的な栽培が可能となり、師匠の畑と同様効果をもたらす。いわゆる便乗商法とも言えるかも。水は上から下に流れるのが自然の理、誰も否定は出来ませんわな。