昨日、地元国立大の医学科生と、
今後のわが子の勉強のことを話していた時、
なぜ医師になろうと思ったのか?
という話になりました。
実は、彼が目指そうと思ったのは、
去年の今頃です。
そう、9月。
受験生にしてはかなり遅い時期です。
家庭教師なので、便宜上家
私は私で会話文とします。
私「そう言えば、先生はどうして医師を目指そうと思われましたか?」
家「僕は両親が勤務医と研究医。周囲は医師や歯科医と言う環境でしたが、
実は医師を考えてもいませんでした」
私「そうなのですか?」
家「はい。医師の大変さを目の当たりにしていたこともあり、
かと言って他の職業も考えていませんでした。
とりあえず、共通テストを取れてから考えようみたいな
かなり安直な考えで受験勉強をしていました」
私「予備校などは行かれていましたか?」
家「夏休みに自習室目当てで、河合で1教科のみ受講していました。
理系に行こうとは決めていたので、
数学をもっと伸ばそうとは思っていました」
私「なるほど。予備校に行ってから、考えられたのですか?」
家「成績が伸びたからではなくて、実は失恋したからです」
私「失恋?先生がですか?」
ちなみに彼は、好みはあるかもしれませんが、
アウトドアが趣味なので、色黒ですが、
スラっとした、顔だちも整った青年です。
しかも国立医学部医学科現役合格。
両親は医師。
人生、イージーモードだとばかり思っていました。
家「高校時代付き合っていた先輩が、
卒業の時、遠距離なんて続くわけないから、
別れようと、あっさり言いました。
僕としては、遠距離でもいいと思っていましたが、
僕を縛りたくないし、お互い大学に行けば、
出会いもあるからと言われました。
実は、かなり引きずって6月まで勉強が手に付きませんでした」
私「先生を振る人がいるとは、驚きですね」
家「彼女も最初は、地元志向でしたが、共通テストの結果で、
かなり遠い大学に合格しました。
確かに今考えれば、続くことは難しかったのかもしれません」
私「なるほど、でもなぜ医師に?」
家「実は、僕の卒業した高校は、
年にひとり医学科合格するかどうかの
そんなにレベルの高くない大学でした。
彼女を見返すには、東大か医学部だと思い、
夏休み中数学が上がったので、気をよくして、
めちゃくちゃ勉強しました。
東大もいいけど、両親が医師なので、
仕事が分かっているし、医師を目指そうと思ったわけです」
実は、男性で、失恋して医師を目指すと言う話、
そんなに珍しくありません。
私は、実はもうひとり知っています。
家「ですから、医学部ならどこでもいいと思い、
とりあえず共通テストに向けて頑張りました。
8割超えだと、そんなに選択肢はなくて、
理科の配点の高いこの大学を選び、
合格しました」
私「そうでしたか・・・」
家「高校までの成績と医学部での勉強の成績は、
一切関係ありません。
僕は英語が苦手でしたが、英語の授業、
そんなに難しくありません。
よく医師に必要なものは何か?と、面接で聞かれますが、
僕は健康だと思っています。
今の大学は、何よりも出席率を重んじます。
多少成績が悪くても、教授は補講してくれたり、
レポートを出せば進級させてくれます。
逆に成績が良くても、出席率が悪ければ、
留年させられます。
よく体に弱い人が、自分も助けてもらったから、
医師になりたいと言って、
医学部受験しますが、受験突破できても、
入学後の勉強、医師試験合格後がかなり厳しいです。
80時間以上の残業はザラで、プライベートなどほぼありません」
私「それは実際入学した人でなければ、
わからない世界ですね」
家「お金を稼ぐのなら、医師は実はそんなに効率が良くありません。
他の職業を探した方がいいです」
私「なるほど」
家「僕はこういう経緯で目指しました。
でも、入学して、友達も出来たし、
部活もとても楽しいです。
もし、わが子さん入学すれば、
僕が色々教えてあげられます。
一緒に頑張りましょう」
なんか意外な動機で、驚きました。
人生いろいろですね。