K先生へ
本日、お久しぶりに F さんがご来店になりました。
その F さんから思いもかけないお言葉「先だって K さんがお亡くなりになりました」とのお言葉を聞き、にわかには信じられませんでした。
思い返せば、K 先生が最初に当店にお越し下さったのは、二年近く前 F さんとご一緒でした。
気に入っていただいたようで、その後もしょっちゅうお買い物やお食事にお立ち寄り下さいました。
私たちも、 K 先生の心優しげな雰囲気に促され、会話を楽しませていただきました。
しかし、そのとき既に重いご病気にかかられていたとは、その元気なお姿からは想像だにしませんでした。
実はお体が辛く、食が進まない中で、そんなことはおくびにも出さず、お買い物やお食事を楽しまれていたことを F さんからお聞きしました。
旦那様や F さんをはじめとするお友達とお食事をされているその楽しそうなお姿。
インターンシップで先生の生徒が当店に来てくれたとき、その生徒達の様子を見に来た優しい表情。
そして私たちの労をねぎらい、「ここのお料理が大好き」と言って下さったその言葉。
全ての記憶がはっきりと心に刻まれ、忘れる事が出来ません。
私たちのお店でのお買い物がいかに楽しかったか、 F さんにことあるごとにメールしていらっしゃったと聞きました。
そこまで私たちと私たちの働くこのお店を愛して下さっていたとは…。
今年の年始、お母様と私たちのお店にお越し下さったときには、ご自身の余命を既に予感され、お母様とご一緒だったのでしょうか。
もしかしたらあのときが K 先生の私たちへの「さよなら」のご挨拶だったのかなと思います。
先生と出会い、沢山の思い出が残りました。
先生とのお別れは寂しいけれど、お会い出来て本当に良かったと思います。
生きていく事は楽しい。
精一杯生きる事は美しい。
人に優しくなれるのは本当の心の強さを持っているから。
私も様々な思いを込めてお別れのことばを言わせていただきます。
K 先生、本当に、本当に有難うございました。
K 先生に出会えたことを私たちは一生忘れない事でしょう。
心から感謝を込めて「さようなら」
「紅玉」店長
高橋 紅